帰港地 8
「どうやら、知らなかったようだね。」
「君が階段を上がり出した時から、モニターに映っていたよ。」
「………。」
「謝る為に来たのだろうと思って、一応、待ってたんだけどね…。」
「イキナリ泣きだすし…様子が変だからモニターで暫く君を見てたんだ…」
「まさか、あんな言葉ひとつで、終わりにするつもりかい?…僕本人には、何も言わずに?」
「………。」
図星なので、何も言えない…。
それに…
目の前の雲雀さんは…明らかに怒っている…。
こんな不機嫌Maxな雲雀さんに
何を言って良いか…分からない…
まぁ、私が一方的に不満をぶつけて…
言いたい事を言って…勝手に飛び出したのだから…
彼が怒るのも、無理はない。
…というか、怒って当然なんだけど。
「君、携帯の電源も切ってるだろ?」
「………。」
「全く君は良い度胸をしてるよ。僕の電話に出ないなんて…真理子ぐらいのものだ。」
電源を切ってるのだから、
電話があった事は知らないのだし、出る筈ないよね…。
あ、でも…確かに…
雲雀さんから電話が来る可能性があるのに、
電源切るなんて事をするのは、私ぐらいしか居ないかもね…。
そんな事をしたら、後が大変だもの…。
なんて事を、
のんびり考えている場合じゃなかった!!
…これから、どうしよう!?
こんなに…
不機嫌Maxの雲雀さんと、対峙したことはないから、
正直、どうして良いか解らない…。
雲雀さんに…
超ムスッ!とした顔で、腕組までして睨みつけられたら…
固まってしまって、何も言えないし。
「…………。」
…彼の不機嫌オーラを感じて、
冷や汗が…背中を伝うのを感じた…。
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