帰港地 7
暫くの間、そうやってボッーとしていた。
「ねぇ、もしかして…、今の言葉は僕宛てかい?」
((…!?…))
何の前触れもなく、
突然響いた…その声にビックリして、振り返る。
何時の間にか…薄暗い夜中の神社の境内に、
……雲雀さんが立っている!?
「…雲雀さん!?…どうして…?」
私の方を、不機嫌丸出しの顔で見ているのは…
間違いなく雲雀さんだ。
だけど…どうして、こんな時間に彼がココに居るの!?
まさか…探してくれていた…とか?
ムスッとした表情のままの雲雀さんが、
少し溜め息を付きながら答える…。
「…真理子…。君、ココにはモニターのカメラが複数あるって知らなかったのかい?」
「…モニター?」
「ココは財団アジトへの入り口のひとつだからね。近づく者を監視するモニターが設置してあるんだ。」
「…え?」
知らなかった…。
初耳だった。
…私は財団の仕事には関わっていなし、
聞いたことがない。
でも、良く考えたら…当然のような気もする。
…迂闊だった…。
というか…
やっぱり、私を探してくれていた訳ではないのね。
…たまたま見つかった、って事?
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