帰港地 21
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確かに…あの時の両親…特に父は…
相手が雲雀さんである事に、大反対で…。
雲雀さんが低姿勢で挨拶に来た事もあり…
かなり言いたい放題に…彼の事を罵った…
そんな事…今まで誰にも面と向かって言われた事のない雲雀さんが…
その場でキレずに…何とか耐えてくれたお陰で、
それ以上の修羅場にはならなかったけれど
…でも、あれ程…
自分の事を悪し様に言われて…怒らない人など居ないだろう。
あの時、私は雲雀さんの隣りで…
全身が冷や汗だらけで、その場で縮こまっていた…
何時…雲雀さんの怒りが爆発するかと、気が気ではなかったけど、
彼は、とても冷静に対応し、
最後まで、父の悪口雑言に耐えてくれた…。
案外…忍耐力もあるし、
簡単に挑発の言葉に乗らないでいた彼に感心もした。
そして、父と母のひと通りの言い分を聞いた後…
「…兎に角、この子は…僕が預かる。」
「大事にしてあげるから、安心しなよ。」
と、それだけ言って…
サッサと席を立ち…
引き止める両親の手から、私を引き剥がし無理矢理連れて来たのだった。
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