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母親な彼女 9




そして僕に…真衣の今の詳しい容体と、
万が一、夜中に熱が出たり容体が急変した時の対処方を伝授し、
寝ている長女の汗をかいた衣類を、
僕が持ってきた洗濯後の服に、そっと着替えさせた…

((こうやって一日に何度も着替えさせてるから、あんなに洗濯物が多いのか…))




「では、後をお願いします。…明日の朝、様子を見に参りますね。」



「うん。心配ないから君もしっかり休んで。」






「はい。…あの…恭弥さん?」



「ん?」



「…有難うございます。」






「…うん。ゆっくりお休み。」



「はい。 お休みなさい…。」





静かに…長女の部屋から出て行った優子と
長男の政紀や次男の拓弥が、
ドアの向こうで話している…。

僕が、妹の真衣の看病をする事になった事を…
驚いているらしい、

政紀と拓弥の…
『えっ〜!?』  
…と、いう声が聞こえて来た。



…そこまで驚く事なのかい?







まぁ僕が、こんな事をするのは…
君達の母親が倒れたら困るからだけどね。

優子が倒れてしまったら…、
僕も子供達も揃って…
きっと、どうして良いか分からなくなる。

…だから、そうならない為に
…病気の子供の面倒だって、偶には見るさ。





そういう事で、
今夜は彼女をゆっくり休ませたいんだから…
もう、これ以上母親に纏わり付かずに、
さっさと自分達の寝室に行って寝るんだね…。


先ほど…優子には、

『今日はもう家事は…何もしないで良いからスグに寝なよ。』

…と言ったけど…



きっと彼女は
「必要最低限」と自分で思うレベルの家事を
済ませてからでないと寝ないのだろう…

だから…今夜はもう…
君達は、母親に世話を掛けないでくれないかな…。






僕の心の声が届いたのか…

母親の話を聞いた彼らはアッサリと
『おやすみなさい』を言い、寝室に行ったようだ。


良かった…、
後は、彼女がキチンと休んでくれる事を祈ろう…。













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あきゅろす。
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