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男前なんかじゃない!!2
023.混沌の中に………。

 カイリくんに生徒会室に連れ込まれると、無理やりソファーに座らされる。

 いまだ呆然としているぼくの前に紅茶が置かれ、改めて意識が生徒会室に向けられる。

 泣きそうなスイちゃん。

 憮然としながら窓の外を睨んでいる真弓先輩。

 カイリくんと卓磨先輩は何やら相談していて眉間に皺を寄せている。

 うっちゃんとさっくんは、怒りを露わにぼく手作りのクッキーをやけ食いしている。



 隠したかったことは、このことか…。

「な、何が起こって―――」

 そこまで言って口を噤んでしまう、ぼく。

 さっき聞いただけで、わかるじゃないか!!再度確認しなくても………涙が溢れるのをグッと堪える。

 ぼくはまだこの学園の生徒会会長だし………うん、もう少しだけ、がんばろう!

「事情………ぼくに隠していることを教えて下さい」

「結城………」

 スイちゃんが、泣けないぼくの代わりに一粒涙を流してくれて………うん、頑張れるよ!ぼくにはみんないるからね。

 そう答えるように、スイちゃんに力強く頷く。



「噂は聞いたな…」

 真弓先輩の言葉にぼくは、大きく頷く。

「『強姦』、『無理やり』、『強要』………よくもまぁ、こんな言葉がでるな、てな感じだが、今の言葉を合わせれば今のソウの立場は、『葉山に強姦したあげく、無理やり恋人を強要している』と、言うことだな」

「そ、そんなの!!」

「わーてるよ!いつもソウと葉山の側に俺達はいたんだぞ、そんな事実はないのは知っているに決まってんだろ!でも、他の生徒はな…」

 学園の生徒達は、ぼく達を遠くでしか見ていない。………『男前』の容姿のぼくが『かっこきれい』な容姿のスイちゃんをどうにかしたと想像できなくもないのかも知れない。

 学園内のぼくは『クールキャラ』だし、生徒達ともまともに話したこともないしね…そう思われても………。

 がっくり肩を落とすぼくに、カイリくんから予想外な声が上がる。

「何も、宗次郎がそう見えるって訳じゃい。今回は『枯葉頭』が大物連中(各委員会の委員長&運動部部長)にあることないこと言って、宗次郎をそうゆう人物像に変えさせられたんだ」

「転校生くんが何で………て、あの食堂の時の話しが広がったの?」

「それは少し違う。あの食堂のあと、『枯葉頭』は、大物連中に会いに行き、葉山のことを調べて………なんでそんな結論がでたかわからないが、そんな話になったということだ」


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