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男前なんかじゃない!!2
024.緊急全校集会。

「それじゃ、その噂事態を否定すれば!!」

 ぼくの強めに発する言葉に皆一同暗い顔をする。

 もうそれはすでに昨日、ぼくが休んでいる時生徒会役員と風紀委員により、否定する言葉を伝えるために緊急全校集会を行ったそうだ。

 が、ここでまたしても、転校生くんの予想外な行動により場が邪魔され、学園は混沌の真っ只中に今、立たされているらしい。






 ぼくが聞いた昨日の集会の様子。

 第一声は、もちろんぼくの恋人であるスイちゃんの言葉から…。

「初めに皆様にお伝えしますが、私は結城宗次郎と恋人であり、噂のようなことをされている事実はありません」

 その言葉にホッとする者がほとんどだったらしい。中には事実を疑う者もいたが、しかし、これで解決されると一安心したのも束の間。

「嘘だ!!翠は宗次郎に脅されて、そう無理やり言わされているんだ!!」

 マイクなどないはずなのに体育館に木霊する声………1人席から立ち上がり、真っ赤な顔をして大声を上げている転校生くん。



 スイちゃんは、このような事態になった張本人の転校生に向かい、ステージ上から睨みながら、言葉を続ける。←もちろん、スイちゃんはマイクを使用しています。

「中谷君の否定の理由がわかりません。恋人関係である私が否定した。これは、それが事実であり、真実であると証明し学園の混乱を防ぐための集会です。仲谷君は席に座りなさい!」

 普段からは考えられないくらい、強めに放ったスイちゃんの言葉………ぼくはその場にいなかったけど、ちょっと怖いって感じちゃった。

 しかし、こんなことでめげるはずもない転校生くんは。

「翠、『仲谷』って何だよ!『光輝』って呼べって言ったろ!!それに、もう翠は宗次郎のこ、恋人にならなくていいんだぞ。全部、オレの友達に聞いて知っているからな!」

「?」

 なんのことかわからないスイちゃんが、怪訝な顔をしていると、転校生くんの言葉が集会場に響き渡る。

「翠は中等部の時から告白されても、男になんてなびかなかったんだろ!?それなのに、宗次郎が転校して来てから、それが急に変わって………て、ことは、宗次郎にむ、無理やりされて…。俺許せない!!宗次郎は友達だけど、翠は親友で上だからな!!俺がちゃんと助けてあげるからな!!」

 この転校生くんの言葉にみんな考えさせることになる………。スイちゃんは男子校にいて、ぼくが転校してくるまでノーマル。

 それが突然、男であるぼくを好きになるのかと………。

 疑問は疑惑になり………真実を知らない生徒は、噂に翻弄される。

 どれが真実で、どれが嘘………噂の前ではどれも本当に聞こえ、真実がわからないまでも、ぼくが………なんてことを考える生徒が多くなると、多数の意見に傾く。



 必死で否定するスイちゃん………それをより、真実味を浴びせる結果になり…。

 真実は捻じ曲げられたまま、ぼくは学園に登校してしまった。


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