. 携帯 ―これ、何か分かるな― その人は私に携帯画面を見せながら、そう言った。 …どうして。 どうしてこんなことになっているのだろう…… ―今日からお前は俺の奴隷やからな。逆らったら…知らんで?― どうして ―まぁ、生徒会は続けられんわなぁ。退学になるかもしれん― いろいろな人の顔がよぎった。親、友達、先生、そして…… ―こんな淫乱女子高生抱えてたなんて。跡部も不憫やで― 会、長… ―― 「おい、忍足。お前今まで何してたんだ。もう部活終わるぞ」 今日、忍足が珍しく部活をサボった。 「おぉ。すまんすまん。まぁ、そんな日もあるっちゅうことで」 「あーん?」 サボったくせに、何ヘラヘラしてんだ。相変わらず、考えの読めない奴。 「罰として、今日は1年と一緒にコート整備して帰れ」 「分かっとるて。そんなやいのやいの言うなや」 そう言って忍足はコート場へ向かった。 そして俺も部活の後始末をしに部室へ戻る。 今日は帰りに、生徒会室へ寄るつもりだ。早めに終わらせよう。 [*前へ][次へ#] [戻る] |