ロストウォーリア短編 共依存/ヤンデレ&キャラ死亡あり【はゆメグ】 ※忌み子たちがどんどん死にます。 突然、仲間がいなくなった。 しかも一気に2人も消えてしまった。 その時は、遥か遠くに出現したスプークに戦いを挑んでいるものだと思い、気にも留めなかった。 しかし、違った。 数週間後、別の仲間も1人、いなくなってしまう。 そして、いなくなった2人は…。 「ずっと一緒にいようね」 「うん…永遠に一緒にいたい」 また1人、仲間が消えた。これで残るは6人。 最初に消えて、死んだのが確認された2人の男子の時からは、1か月の間が空いている。 しかし、1人の少女が消えてからは、まだ数日しか経っていない。 「では、話し合いを始めよう。今回行方がわからなくなったのは…」 司会役の少女―リーナが、概要をすらすらと話していく。 真面目に聞いているのは3人、面倒くさそうに聞く人が2人。バレないように携帯端末をいじる子と居眠りをしている子がいる。 「―ということだ。おい聞いているのか、ローゼ!」 「んぁ……は、はいぃ!?」 ローゼと呼ばれた少女は、リーナの形相に驚き寝起きの頭を必死に起こして話を聞こうとする。 しかし、やはり睡魔は強い。ローゼの意思に反し、夢の中へと連れ去ろうとするのだ。 「全く、昨夜は遅くまで起きていただろう。何していたんだ…?」 唯凪に買ってもらった本を読みながらこれまた唯凪のおごりのフィギュアを眺めてました、なんて言えるわけがなかった。 だって犯人は…いや、何でもない。 「その顔、何か知っていることがあるんだな。今ここで言えなければ部屋で聞くぞ?」 「聞くなら部屋にしてくれ…」 ローゼが渋々了承すると、再び話し合いが始まった。 … 今回の話し合いでは、収穫がほとんどなかった。ただひとつ、リーナに告げたローゼの意見のみ。 「×××と仲良くしてるあいつが許せない…」 「×××のことを好きになる人は、自分だけでいい…」 もう仲間は4人しかいない。 前回の話し合いから10日ほど経ったある日、さらに2人が消えていった。 「大分犯人は絞れてきているはずだ。意見がある人はいるか?」 リーナの威圧的な声に、犯人のことや手がかりなどを見つけられていない3人―正確にはバレるのを恐れる犯人が紛れている―は応えられないままだった。 しばらく間が空き、1人の少女がそばに置いていたお茶を飲んでから話し始める。 「わしは何も解らないんじゃ…不可解すぎたんだろう、この事件は」 黒髪を垂らして考えながら言う少女、ヴァイレッタ。リーナもその意見は重々承知で言っていたのだが、やはり真正面から言われると縮こまってしまい上手く返せない。 「んー…犯人は2人以上いるのか?」 リーナの呟きに、少年たちは賛成する。 「そうかもね…」 「その発想はなかったけど、僕もそう思う」 犯人が2人…その線で考えることにしたが、なかなか意見が出ない。当たり前かもしれないが、殺人の捜査は難しい。 「少しお手洗い…失礼する」 リーナが席を立ち3人の空間になったとき、突然誰かが倒れる音がした。 「ど、どうしたの?大丈夫?」 「起きろ…起きろよ…!」 広い部屋に、2人の声は虚しく響いた。 「認めてくれない奴は消す…」 「邪魔する奴は消す…」 話し合いの終わった夜、2人は同じ部屋にいた。 「愛してるよ…」 「僕も大好きだよ…」 愛を確かめ、熱く抱擁を繰り返す。僕たちなりの愛情表現の方法である。 「だから今日は…したいな」 「………らが…お前らが犯人か?」 突然現れたリーナ。しかし、2人は驚くこともなくリーナのほうに歩み寄る。 「当たり前じゃん…だって、許してくれないのは貴方たちだよね?」 「そんな不必要なものなんて、いなくなればいいと思わない?」 言い分に呆れと恐怖を感じるが、身の危険を冒しながら部屋の中へと進んでいくリーナ。 「わ、私たちが何したって言うんだよ…まず隼遊から話してくれ」 「メグをそそのかすの、やめてよ」 「僕のはゆたんに触らないで」 肩を叩こうと手を伸ばしただけなのに、何でそんなことを言うのだろう。 握手をして、頭を撫でて。そんなことでさえ、貴方の彼を奪うという意思の表現に見えていたのではないか…? 「わ、私はただ」 「そういうのが気に入らない、手を繋いでないからいいとか言ってるんじゃないんだけど」 「それは皆同じ。僕たちのこと、たくさん惑わせようとした…」 「けど、そんなの無駄だよ。僕たちはそんな卑怯者の誘いに負けないから…」 疑念は確信に変わる。仲間、親友、恋人、すべてを奪ったのはこいつらだ…! 例え仲間であっても、他の仲間を傷つける輩には制裁を下す…! そう思い、槍を振り上げようとした瞬間。 「楽にしてあげるから」 隼遊の隠し持っていた銃から、薬品の入った弾が発射されて―命中。 … 「2人きりだね…邪魔者がいなくなって、すごく嬉しいな」 「そうだね…2人しかいないんだし、今夜からはもっともっと可愛がってあげるからね」 [*前へ][次へ#] |