Marco×Ace
Marco編
ずっと、何かを探している気がしていた。
それは、思い出せばずっとずっとそばにいて。こんな俺を愛してくれている。
俺は、目の前で緊張してカチカチになっている新人を見ていた。
もう入社してしばらく経っているとはいえ、流石に緊張するのだろうか。
それでも、なんとか話す姿はなかなか面白い。
「お前、名前は?」
そう言えば聞いていなかった、と思って今更ながら彼に問う。自分だけ名乗っておいて、随分と偉そうではないか。
そんなことを思って、こんな時だというのに、ふ、と小さく息が漏れる。しかし、次に告げられた名に、そんな悠長に構えている自分は消え失せた。
「あ……す、すみません。……エースです」
…エース?
頭の中が真っ白になった気がした。
ずっと、誰かを探していた。
それは嘘でもなく、まして、ただの勘違いでもなく。ふと、脳裏に、一つの光景が浮かび上がる。
青い空にどこまでも広がる海。浮かんでいる船は、ひどく大きい。
甲板に寄っかかっていると、そいつは、駆け寄って、俺の名を呼んだ。
ーー……マルコ!
太陽のような笑顔に引き込まれた。
あぁ。
俺は、お前を知っている。
ずっと、心のどこかで探していたんだ。
晴れの日も雨の日も。
物心つく前から、お前と言う存在を魂が求めていたんだ。
だけど、お前は知らないだろう。きっとこんな想いは自分だけだ。
だが、だから、なんだ。
何者にも代え難いのだ。
思わず、声をかけてしまいたいと、自分のものにしてしまいたいと思ってしまうくらいには。
「…なぁ、」
いいだろう?
だって、お前は俺の運命なのだから。
fin
マルコ&エースの転生パロみたいな
こんな出会いがあってもいいよね
2019/8/18
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