Marco×Ace Ace編 ふと、何かにとらわれることがある。 誰かを探しているような…誰かを、心の底から求めているような。 オレは、目の前でスーツを着こなし、真剣な表情で話す男性に魅入っていた。 初めて会う人の筈なのに、目が離せなかった。 書類を見ていた目をこちらに向ける。ぱちりと合った瞳には、海よりも深い綺麗な青の光が宿っている。 眠たげな目をこちらに向けて、彼が何か言ったけど、答える余裕はなかった。 あぁ。オレは、この人を知っている。 探し求めていた。 愛していた。 ずっとずっと… おい、とその男性が声をあげた。 オレはそれにも聞こえないふりをして、差し出された名刺を凝視した。 「白ひげコーポレーション 第一部署・取締役 Marco」 Marco…マルコ。 そうだ。 彼の名前は、マルコ。 オレは、知ってる。貴方を知っている。 心のどこかでいつも貴方を求めていた。 雨が降っても雪が降っても。 物心つく前から貴方を探していた。きっとそれは、魂の叫び。 でも、貴方はきっとオレを知らない。 だけど、声をかけずにはいられないんだ。 「…あの、」 だって、貴方はオレの運命なんだから。 fin 2019/8/18 next [戻る] |