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∞陰陽道探究∞
天文学的浪費の平安遷都
やがて親王の憤死から
三年を過ぎると桓武天皇
の身辺に相次いで不幸が
もたらされはじめました。

側室(第二夫人)の
旅人(たびこ)が三十歳
の若さで病死して
その翌年には母が
その半年後には皇后が
相次いで没してしまう。


さらに、長男の安殿親王
(皇太子)までもが…
「風病」という奇怪な
精神病におかされてしまう
その異常な災厄の連続に
桓武天皇は自分の身に
何がしかの呪いが
ふりかかっていることを
予感せざるをえなかった。

そこで王朝時代のキーマン
陰陽師が登場します。

桓武天皇に命じられて
式盤(ちょくばん)を
まわした陰陽師は…

『これらは、すべて
早良親王の祟りで
ございます。』

と告げました。

この式盤をまわした
式占術が空前絶後の
壮大な浪費を生み出す
きっかけになりました。


それは…背中が凍り付く
ような恐怖に取りつかれた
桓武天皇はすぐさま
淡路島に使者を派遣して
早良親王の御魂への
追善供養をさせ

壮麗な霊廟(れいびょう)
を建てさせた。

さらに崇道(すどう)
天皇の尊号を追号して
冥界にすむ早良親王に
あらんかぎりの
貢ぎ物をたてまつった。


だが、それでも桓武天皇
の魂に巣食った恐怖は
おさまるどころか
つのるいっぽうだった


桓武天皇は(見えない恐怖)怨霊の幻影が
うずまく頭のなかで
こう考えた。

「親王は…もはや
怨霊という名のモノノケ」
「人の善意が通じる
はずもない…。」

「ならば…親王の怨霊を
徹底的に都から
締め出すしかない。」


「それには都じたいを
巨大な結界に作り替えて
しまえばいいのだ…。」


つまり、桓武天皇は、
早良親王の怨霊を封じる
ためにより強力な四神相応
の地を求めたのです。

怨霊を防ぐために都を
まるごと遷(うつ)す
とは…なんとも愚かなと
思うかもしれません…

ですが、天皇がやらかす
壮大な愚挙は桓武天皇に
かぎったことではありま
せん。



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