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神の名鑑
豊受大神
【日本の神話と伝承】

『豊受大神/とようけ』

稚産霊神
〔わくむすびのかみ〕の
娘神で食物を主宰する
女神とされます、

この神は、豊宇気毘売神
〔とようけひめのかみ〕

豊受気媛神・豊由宇気神
〔とゆうけのかみ〕とも
呼ばれます。

神名のトヨは美称の
接頭語です
ウケは[ケ]と同じく食の意です
ヒメは女神の意です。

すなわち天下万民の
食して生くべき食物を
主宰する産霊の大神です。

豊受大神の称は、
伊勢皇太神宮の外宮の
祭神であることから
つけられたもので

しかし、豊宇気毘売神様
が外宮の祭神となった
由来は……
「古事記・日本書記」
ともに書かれていません。

古事記では天孫降臨の
際の随伴神となっている
だけですが

『止由気宮(外宮)
儀式帳』などと呼ばれる
記録の文献には縁起が
語られています。


それによると第二十一代
の雄略天皇〔ゆうりゃく〕
の時代、ある晩天皇の
夢枕に天照大神が立たれ


「自分一人では不便で
食事も安らかにできない
ので、丹波国比沼真奈井
〔ひぬまのまない〕

にいる吾が御饌〔みけ〕
の神、等由気大神
〔とゆけ〕を呼び寄せ
給え」と申されたので

天皇は驚き目覚め、
丹波国から伊勢の度会
〔わたらい〕の山田の
原に遷宮
〔せんぐう:神体を
移すこと〕し給いて

大宮を建てて鎮座なされたとされてます。


この伝説は、もともと
外宮の神は天照大神の
御饌の神として
祀られたものであること
を表しいると思われます。

この丹波国真奈井の神話は

【丹後国風土記】
逸文に出ている
奈具社〔なぐのやしろ〕
の縁起を物語るもので


伝説上の分類からいえば
羽衣伝説に属します。


次のような話です。

丹後国丹波郡比治里
〔ひじり〕の
比治山頂にある真奈井で


天女八人が水浴中、一人
の天女の羽衣を老夫婦が
隠した。

そのため天女は、
この老夫婦の家に止まり

万病に効用ある霊酒の
醸造を教えて、酒を
造って老夫婦を
富ましめたが……

十余年後に家を追われ
天にも帰れず、漂泊の末
奈具社に至った。

この地で、悲しむ心が
静まり……

「我が心なぐしくなりぬ」
と言いて
奈具社に永住して
鎮守となった。

この天女が豊宇賀能売神
〔とようかのめのかみ〕
である。

豊宇賀能売神
〔豊宇迦之売神〕は

豊受大神と異名同神であるとする説からきてます。





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