恋しちゃったんだ
「サソリの旦那今日はオイラと任務だぞ、うん」
最近やたらとデイダラの様子がおかしい
「旦那!なー旦那!行くぞって」
「え………」
こいつ、私とサソリさんの仲を応援する気じゃなかったのか。紛れもなく邪魔している。しかもこの様子、どうやら私でなくサソリさん狙いだ。
「サッ、サソリさんサソリさん助けて!」
「ああ?サソリはテメーだろ」
「本体のサソリさん助けてくださいよ!」
「やなこった」
「…………!」
こいつはいつも通りだ。
デイダラがおかしいのを分かっていて、見て見ぬフリをしている。
「行ってこい、たまには良いじゃねーかデイダラとの任務でもよ。クク…」
「さ、サソリさぁぁぁん!」
こうしてデイダラとの任務がはじまるのであった。
早く体を戻さねばヤバイぞこれ
「デイダラ……」
「な、何だ旦那」
「ひっつきすぎ…」
「!わ、わりィー別にそんなつもりねーからな!勘違いすんなよ旦那!」
「…………………。」
こいつ、そのつもりだ。
一体いつの間にただの馬鹿に成り下がったんだ。
デイダラのおかしい様子は、見るからに明らかであった。
中身は私、でもそれを知らないデイダラは中身も見た目もサソリさんにしか見えていないはずだ
つまりこいつはサソリさんに恋してるのかもしれない。
馬鹿でも分かるぞこの様子。
「デイダラ」
「な、何だよ旦那!」
「だから、ひっつきすぎだって……」
徐々に近づく距離が縮めば、徐々に離す距離も縮んでいくこいつ。 この様子は明らかに、こいつは……
「ひっつくなって」
「わ、わりィ旦…っ!」
近すぎる距離感は顔と顔も近づけた。振り返れば真横にあったこいつの顔、それが見るからに真っ赤になって遠ざかる。
「わ、わりィーな旦那!近づかねーから旦那もオイラに近づくなよ…!」
「え、何で?」
「何でってそれは答えらんねーけど…!」
必死に顔を隠すデイダラは、明らかな赤い顔を見ないでくれと答えているようにしか見えなかった。
やっぱり明らかだこいつ
サソリさんに恋しちゃってる。
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