こうなりました 「で、こうなりました」 と言うとサソリさんは、ああそうかと納得してくれた 「で、どうしてこうなった」 とサソリさんが言うと私は、ああそれはですねと説明をする 「何度も言わせるな」 するとサソリさんがキレた 「どうして俺がテメーなんかに惚れなきゃなんねーんだって聞いてんだよああ?」 これは完全にブチギレているようです。 「だからですね」 「殺すぞ」 もう説明ですら聞いてくれなくなった。 訳も言わず殺すと言うサソリさんにもはや、殺されるしかないと覚悟さえした。 「いやいや!殺したらサソリさんの体が死ぬんですって!」 「ならテメーを殺すまでだ」 「でも中身はサソリさんですよサソリさん!殺したらどうなるんですかサソリさん!」 「知るか」 どうなっても知らないらしい。サソリさんはどうなるか知らない上で、私の体に刃物を突き付けていた。 この人本気で殺す気だ 「待って下さいサソリさん!これは……演技なんですから!」 ピタリとサソリさんの手が止まった。 「サソリさんの体を守るための演技なんです!」 どうしよう 「全てはサソリさんのための演技です!」 どうしよう そんなつもりないのに 口が勝手に動いていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |