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その他の夢へ…
知っていた君を、―エヴァのカヲル夢2。やっぱりカヲルくんのキャラ違うかも?注意!





初めて見たあの日から僕に笑顔をくれる君を僕はずっと求めていた―
例えそれが、



運命という名の、決められたモノであっても。








知っていた。




君が、僕の敵であること。

それでも好きになったのは、…運命なんだろうね。



こうして君が、僕の目の前にいても何ら不思議じゃない。


どちらかが死ぬまで終わらない戦いは、出会ったときから始まっていた。




決めてた。もし戦場で出会うことがあっても遠慮なんてしない。


それが、僕なりの敬意だって。なのに―






「カヲルくんっ、カヲルくんっ!!いやぁ!!」

槍を突き刺すことができなかったのは、君じゃなくて僕の方で





「お願い、死なないで。私、私っ!!」

倒れているのは僕のほうだ。おかしいな。




こんなはずじゃなかったのに。




「そんな顔しないでよ。言ったでしょ?僕は笑ってる顔のほうが好きだって」



僕は今きっと笑ってる。

愛しいという感情を教えてくれた君が、僕をみて泣いてくれるから。



「カヲルくん…っ」

「…これで良かったのかもね」


これが、僕の本当に望んでいた結末―





「辞めてよカヲルくん、…やだ、やだよ…っ!」

目を開けて――!









「…」



あれから、一週間が過ぎた。



「……カヲルくん」


私は彼に呼びかける。








―墓前に













―ではなく後ろにいる彼に。



「どうしたの?」

「いやあの、後ろから抱きしめるのは辞めて欲しいな、って」
「…病人を邪険にするのはよくないよー?」



いやいや、そういうことじゃなくてね?




「全治1ヶ月の怪我なんだから、安静にしてないと!」

「大丈夫。こうしてるほうが落ち着くからね、僕にとっての安静だよ」


にこやかに笑うカヲルくんに呆れるを通り越して感心しちゃう。

でも結局、安静にしていて欲しいという思いの方が勝るので控えめに注意してみた。



「……看護師の人に言いつけちゃうよ?」

「うーん、なら言いつけられないようにこうしてぎゅってしてる」



…駄目でした。


何度言っても聞く耳をもってくれない。
けど嫌じゃないからいい、かな?



「あの、ねカヲルくん」
「?」


「もしかしたら、って思ってたけど…
私がエヴァに乗ってるって前から気付いてたの?」

「うん、知ってたよ。」



「!……知ってて、好きって言ってくれた、の?」

「うん。」



あっさりと肯定された瞬間。


私は驚きと喜びに包まれた。なんかもう、泣きそう。




カヲル君はずっと悩んでいたんだろうか?今までの私のように。



そう思うと胸が苦しくなる。


何度も何度も

心に問いかけては否決していた質問を、初めて吐き出すように呟いた。



「私、好きでいていいの?」


震えて何を言っているかわからないような言葉でも
カヲルくんは拾ってくれる。


「僕に訊いても答えは出ないと思うよ。自分に訊かなきゃ。」


「……うん」



私の気持ちは…


最初出会ったときから加速して加速して





「私カヲルくんが好き。」


溢れ出るほどに。





もう心に蓋をして偽りたくない。誰にも何にも。


「ずっと好きだったの。だから…彼女にして下さいっ」



彼はとびきり甘い微笑みを私にくれた。



「紫騎ちゃんが泣き止んだらね?」


滑り落ちた涙を優しく拭ってくれたカヲルくんは

小さい頃に私が読んだ童話に描かれた王子様みたいだった。









でも、

現実は童話とは違っていて、ハッピーエンドでは終わらない。







「2人共、大事な話があります。あとで来なさい。」


「…はい」
「わかりました」


後日、ミサトさんから呼び出しを受けた私とカヲルくん。


その内容は容易に想像できた。




カヲルくんが使徒だということ
私がそれに気付いていて隠してたこと。


その二点が、ネルフという特務機関全てに衝撃を与えている。




だから受けなければならない。
必要であれば、その罰を。


そして―

シンジくん、アスカ、レイや皆に…
私はエヴァに乗れないということを告げるんだ。





だって


これ以上カヲルくんを傷つけたくない。

エヴァに乗る3人や皆、誰一人だって傷つけたくはないから。





けれど…



誰も傷つけずに解決できることなんて
一つもないことを心の隅では理解していた。





そして私は現状より更に深刻な問題を抱えることになる―――


(カヲルくん、私―)
(不安そうにしないでよ。僕がそばにいるから)(!うん…)


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あきゅろす。
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