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調教させて?


「か、考えさせて…」

すっかり乾燥してしまった唇から出た言葉は、自分でも驚くほど震えていて、横にいる瞬を悲しげな表情に変えてしまう。


ああ、大好きな恋人の願いを叶えられない俺を許して…



「嫌なら、嫌って言っていいんだよ。」


穏やかな声で、ゆっくりと頭を撫でてくれる。


慣れ親しんだ温度に俺が少しずつ溶けていく。


「い、嫌じゃない。というか、分かんないけど…瞬がしたいなら俺もされたい。でも、調教ってよく分かんないから、少し…怖い。」

だから教えて、瞬がしたい事。


瞬の顔が見たいけど、頭から温もりが去ってしまって、俺は再び硬直してしまう。追い打ちをかける沈黙に泣いてしまいそう。


横で瞬の動く気配がしたと思ったら、ギュッと抱きしめられた。

「ありがとう」

大好きな声で囁かれた言葉が嬉しくて、でも意味が理解出来なくて、多分すごく変な顔してる。
 でもいいや。開き直った俺は、自分からもぎゅうぎゅうと抱きつく。
 人の目なんて気にしてられない。瞬から伝わる温もりを感じるのに精一杯。


「ありがとう。正直に言ってくれて。」


残念なことにすぐに体が離されてしまったけど、向き合った瞬の顔が嬉しそうだから、それだけでもう胸がいっぱい。


「でね、調教なんだけど。言い方がちょっと悪かったかな。えーと、なんて言ったらいいかな…sexのリードを俺がしたいってことなんだけど…いいかな?」


さっきまで話してたことなんてすっかり忘れて、目の前の恋人をニヤニヤと眺めていた俺はすごいスピードで現実に戻された。



「せ、せっくす?」

「そう。ほら、この間気にしてたでしょ。sexはいつするのかって。あれから色々考えてみたんだけど、すぐに出来る事じゃないしちゃんと段階を踏んでいこうと思って。それでね、俺に任せてくれないかな?」



つい先日、全く進展しない二人の関係(性的な意味でに)焦って思わず口走った俺の言葉をずっと考えてくれていたらしい。


どうしよう。すごく嬉しい。調教って聞いた時はびっくりしたけど。
だって、鞭で叩かれたり蝋燭を垂らされたりするのかと思ったから。俺、痛いのは苦手だし…



「ダメかn」
「調教して下さい!」


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あきゅろす。
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