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色彩学園
入学式
迷子にならずに無事に体育館までつきました。

…と言っても迷うような距離でもなかったから当たり前なんだけど…


「紫音、まだ入学式始まってないみたいだよ」

「ホント?!」


体育館を覗くとまだ始まってなかった。
体育館にある時計を見れば入学式が始まる5分前だ。

「ハァ〜よかったぁ〜」

「そーだね。じゃあ…さっさと席つこう」


「うん」

そう返事をして決められた椅子に座る。

席は、あいうえお順で決められてるから茜とは、離れることになった。

う゛ぅ…ちょっと心細いけど…少しの間だしいっか。


そんな事を考えながら一息つき…周りを見渡す。


それにしても…なんか、所々空席があるような…

まさか、僕みたいに迷子になってるとか…?
ハハ…さすがにそれは、ないか!



「ねぇ!ちょっといい?」

「ふえ…?!」


いきなり隣から声をかけられてびっくりして変な声をだしてしまった。

また、ビックリしちゃった…。
ほんと今日は、ビックリしっぱなしだな。


「な、なに…か?」

ビックリして心臓がドキドキいっている。
まぁ…初対面の人と話すっていう緊張もあるけど…。


「君さぁ…外部からの入学?」

「えっ…?う、うん…」


この質問てさっき東堂先輩にもされたような…


「やっぱり!君かぁ!!」

「えっ…?!」


な、なに…?!
突然、大きな声を出して目が輝かせだした。


「ふーん…なかなか、可愛いね…コレは、人気がでるかも…」


そんな事をブツブツ言っていた。


何なんだろ…?
不思議そうに首をかしげる。

隣の人は、そんな僕に気づいたのか…

「あっ!ごめん…いきなり!

此所ってさ、滅多に外部からのヤツって来ないからさぁ…つい珍しくて」

「そ、そうなの…?」


確かに中高一貫制のエリート男子高だし、入学試験も凄く難しくって入れるのは、極一部の優秀な人だけ、とか聞いたことある。

あの中学のとき三年間、学年一位をキープしていた茜でさえ頑張って勉強してやっと入れたぐらいだ。


それに、此所はスッゴイ山奥にある学校でしかも全寮制。
外部との接触が一切無いらしいから本当に珍しいのだろう。



「うん、あっ!俺、根岸 緑<ネギシ リョク>皆からは、みどりって呼ばれてる。

多分君の後ろの席になると思うからヨロシク!」


そう言い手を差し出してきた。

わゎっ…僕も自己紹介しなきゃ…!
そう思い緊張してるなか慌てて口を開く。

「ぼ、僕は、永井 紫音れしゅ!」


って噛んじゃったー?!
…自己紹介で噛むなんて恥ずかしい…。

恥ずかしさで顔を真っ赤にしていると
隣からプッ、と吹く音が聞こえた。


「やっぱり可愛いね!絶対、君人気でるよ!」

「えっ…?」


人気って…?
僕が人気者になるってこと?

そんなの有り得ないよ!
だって、顔だって普通だし運動だってそこそこ出来るけど…飛び抜けて出来る訳じゃないし、頭悪いし…

そりゃ…さっき会った東堂先輩みたいにかっこよかったら別だけど…。



「紫音?」

「ご、ごめん…根岸君」

ついあり得ないことを言われて考え込んじゃってた。


「みどりでいいよ!」

そう言いにっこり笑いかけてきた

「じ、じゃあ、みどり…よろしくね」


「うん、よろしく!紫音」


差し出されていた、みどりの手を握り。握手をした。


その時、先生の「静かに」との掛け声が聞こえ入学式が始まった。

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あきゅろす。
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