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色彩学園
3

ハァハァと息を切らしながら駆け寄っくる。


「茜…!!」

「知り合いか?」


東堂先輩がそう訊いてきたので「はい」と返事をする。
そうすると…


「そうか…よかったな」

そう言い僕の頭を撫でてきた。

「ッ…!?」


いきなり頭を撫でられてびっくりして身体がビクっと跳ねる。


この歳になって会ったばっかりの人に頭を撫でられるなんて…なんか、子ども扱いされてるみたいで恥ずかしいな。


恥ずかしさで顔が少し赤くなってるなか頭を撫でてる東堂先輩の手が止まった。


「知ってる奴が来たならもう大丈夫だろ…体育館もすぐソコだし俺は、そろそろ行くな」

「えっ…は、はい!」


僕がそう返事をしたらニコッと笑って僕の頭にあった手が退いて東堂先輩は、行ってしまった。


東堂先輩…大人ぽくって優しい人だな…

それに…笑った顔が男の僕でもドキッってしてしまう程、綺麗でカッコイイ…

背も高いし、顔も良い…
手だって大きくて男っぽいゴツゴツしてた手だったし…

なんか、憧れちゃうな〜

僕もあと1年したらあぁなってるかな〜。

って…ムリか…

素材が違うもんな
僕なんてチビだし…顔だって普通だし、頭悪いし…


そんな事を考えながらどんどん小さくなっていく東堂先輩のうしろ姿をボーと見ていたら…

「紫音…!」

「ッ…あ、茜…!?」


いきなり茜に声をかけられてびっくりした。

本日3回目…

今日は、ビックリしっぱしだなぁ…。


「いきなり居なくなって、心配したんだから!!」

そう言い茜は、眉間にシワをつくり怒っていた。

う゛ぅ…茜、怒ってる。

そりゃそうか…入学式の前にいきなり居なくなって…
しかも息切らしながら、きっと広い学園内を捜し回ってくれてたんだろうな。
茜には、今回だけじゃなく毎回、迷惑かけてるし…
怒るのは、当然か。


「ごめん…茜…」

そう言いシュンとなっていたら…頭に手の感触を感じて、茜の顔を見る。

「ハァ…まったく今度からは、気をつけるんだよ」


茜は、僕が反省してる事に気付いたのかいつもの優しい顔に戻っていた。


「うん…!」

そう言うと、ヨシヨシと頭を撫でられる。


「ところでさっき人は…?」

「え…あ、うん、2年生の東堂先輩!ココまで案内してくれたんだ」

「ヘェ〜…紫音、ちゃんとお礼言えた?」

「えっ…?」

茜は、まるでお母さんの様なことを言うなぁ。


お礼って…子どもじゃないんだからそのぐらい、ちゃんと……って、あれ?

あれアレ??

ちゃんとお礼して………ない!!?


お礼言うの忘れちゃってた!!
ど、どうしよう…?!

「う゛ぅ…茜〜…」

「その様子だと言うの忘れちゃったんだ…」

「…うん」


茜、凄いなぁ…。
僕のちょっとした様子で分かっちゃうなんて…さすが実の親から保護者といわれるだけあるなぁ。


「ん〜…ここの学校の生徒なら何かしらでまた会えるだろうし
その時にちゃんと言えば良いんじゃないかな」

「そうかな…?」


「うん、そうだと思うよ!」


そっか…そうだよね!
ここの学校の生徒だし、また会ってお礼言えばいいんだよね。

「…うん、そうする!」


「うん…って、それより今は、早く体育館に行かなきゃ…!
入学式始まっちゃうよ」


「えっ…?わゎっ…ホントだ!?」

「それじゃあ…今度は、迷子にならないようにね。紫音!」

「う゛っ…分かってるよ」


そう言われ…今度は、迷子にならないように茜にちゃんとついて行く。


東堂先輩…また逢えるかな…
逢えたらいいな

逢えたらちゃんとお礼言わなくちゃな…


そんな事を考えながら茜と体育館に向かった。


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あきゅろす。
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