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色彩学園
2

体育館まで案内してくれるのは、有り難いんだけど…

「………」

「………」


う゛ぅ…キツイ…

会話がない…

あっちは、何も話しかけてくる事もなくスタスタと歩いていくし…


やっぱりこっちから喋りかけた方がいいのかな?

でも…初めて会う人と、なに話していいか分かんないし…

緊張するなぁ…


そんな事を考えながら
チラッとその人の顔を見ると…


バチッ…
「ッ…!?」


見た瞬間に目が合い
慌てて目を逸らした

うわぁ…
びっくりした!
め、目が合っちゃた…

てゆーか、どうしよう…
つい、勢いで目を逸らしちゃたけど…
いきなり目逸らされて気分悪くしてたらどうしよう…


「…オイ!」

「は、はいっ…?!」


わゎっ…!?
やっぱ怒ってんのかな?!ど、どうしよう?!

「オマエ…外部からの入学か?」

「えっ…?は、はい…」

「そうか…」


あれ?
怒ってないのかな??

怒ってないならそれでイイんだけど…

しかしなんでそんな事、聞くんだろう?



「あ…あの…」

「あ?…なんだ…」

「イヤ…あの…なんでそんな事を訊くのかな…って思って…」

そう訊くと一瞬止まった後に口を開いた


「…ウチの学校は、中等部からのエスカレーター式だから大体の生徒の顔は、覚えているんだ


それで見覚えのない顔だったから…一応確かめとこうと思ってな…」


「そうなんですか…」

「あぁ…」と素っ気なく返事を返してきた

それにしても、それって…

「スゴい…」

「はぁ…?」


「全生徒の顔を覚えてるなんてスゴいですね!」



そう言うとキョトンとしてしまった


あれ?
僕、なんか変なこと言っちゃったかな??


「そう…思うか?」
「えっ…?あ、はい!」


本当にスゴいと思う!!
だってこの学校の全生徒の顔覚えてるなんて!
僕の頭だったら重量オーバーできっとパンクしてると思うし!


「そ、そうか…」


そう言いながら顔を背けた

あれ?なんか…顔赤いような…気のせいかな…


「そう言えば…オマエ、名前は…?」

「えっと…永井 紫音です」


「紫音…珍しい名前だな」

「はい…」


よく言われるんだよね…
昔ッから紫音て名前珍しいとか色々と


「紫音…珍しいから頭に残るな」


そう言いニコッと笑った


ドキッ…

わぁ…スゴい綺麗な笑顔だなぁ…
思わずドキッてしちゃった

そう言えばこの人…すごく美形っていうか…カッコイイ人だなぁ〜

会ってから緊張してまともに顔なんて見てる余裕なかったから今、気付いたんだけど…



「ちなみに俺は、2年の東堂…」

「紫音ー―!!」
「あっ…」

名前を完全に聞く前に僕の名前を呼ぶ声が割り込んできた

僕は、その声がした方を見ると…

「はぁっ…はぁっ…紫音…やっと見つけた…」


そう言い息をきらしながら駆け寄ってきた

茜の姿があった

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