色彩学園
2
「ちょっ…みどり、何これ?!」
僕がそう言うと、みどりは余りの歓声の大きさで聞こえなかったのか眉を寄せながら「何?」と訊きながら近づいてきた。
「だから、…この歓声、一体何なの?!」
今度はこの歓声にも負けないように大きい声で言う。
僕の質問が聞こえた、みどりは『あぁ』と納得したように答えた。
「コレはあの人が出てきてるから…」
また出た…あの人って…一体?
再び出てきたあの人。
僕はさっき進行役の先生に遮られた質問をみどりにする。
「ねぇ…あの人って?」
そう訊くと、はぁ…と一回溜息を吐いた後に口を開いた。
「紫音…先生の話聞いてた?…今出てる人の事だよ?」
えっ?今出てる人って…確か、生徒会長だよね?
でも普通、生徒会長でここまで騒ぐものなのかな?
一応、確める意を込めてみどりに訊いてみる。
そうすると…
「そっ!今、壇上の上に立っている人がこの学園内で最も有名且人気の生徒会長様だよ」
みどりは冗談混じりの答えをした後に意味深な笑顔を向けてきた。
その笑顔が何か引っ掛かったが、生徒会長への疑問で薄れていった。
生徒会長様って…一体、何者なんだろ?
普通、生徒会長に様とかつけないよね?
あっ!でも此所はお金が通う学校だから様が付くくらい凄い人なのかも。
もしかして、どっかの国の王子様とか!?
ん〜…でもそれは流石にないだろうな…。
いや!でも、まさかのまさかって事もあるだろうし!
いや…でも…。
僕は生徒会長への疑問を一人悶々と考えてる。そんな時…。
「静粛に!!!」
いきなり、そう大きな声が聞こえた瞬間、僕はビクリと体が跳ねる。
それと同時に今まで騒いでた周りの人達が一瞬で静まり返る。
誰が言ったのか全く判らずキョロキョロと辺りを見る。
「…皆、静かに着席してください」
再び、声が聞こえた。
さっきとは違いシーンとした空気の中で放たれた言葉は壇上の方から聞こえる事に気づきく。
その声の持ち主は今度は静かに、でも何処か圧力のある声で言い放った。
そうすると、立ち上がって騒いでた人達が慌てて着席していく。
今まで立っていた人達が着席したことで壇上の上の生徒会長さんの姿が見えるようになった。
今までみどりの方に向けていた目線を壇上の方にやる。
そうすると、今、僕の頭の中の大部分をしめている生徒会長さんの顔が見えた。その瞬間…。
「……ッ!!?」
僕は壇上の生徒会長さんを見て思わず目を見開いてしまった。
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