色彩学園
この学校って…
「ーーーであるからして。君たちは、大人の一員として責任をもってーー…」
*********
入学式も終盤にさしかかり皆、先生方の話に飽々している。
はぁ…何でこんに長いんだろ…。
話の長さにだらけてきた時、進行役の先生がマイクを持って口を開いた。
「では。続いて新入生代表によるあいさつです。」
その掛け声と共に立ち上がったのは、茜。
あれ…何で茜?
って!そういえば茜、入試でトップだったけ!?
苦労して入ったと言っても、茜はものすっごい頭が良くて周りに百年に一度生まれるか生まれないかの逸材と云われている。
しかも茜は美人で優しくて。そんな人が僕の幼なじみだなんて、なんて誇らしいんだろ!
まぁ、皆は茜みたいな凄い人と幼なじみだなんて思わないだろうな…。
だって、僕なんて顔なんて平凡まっしぐらだし。頭悪いし。ドジだしマヌケだし…。
そんな事を考えている内に茜は、壇上に上がっていた
壇上に上がった茜を見ていると茜が僕に気付いたのかにっこり笑いかけてきた。
僕もすかさず笑いかけようとしたとき…
『『キャーー!!』』
いきなり、聞こえた歓声に驚き。辺りをキョロキョロと見渡す。
周りではざわざわと騒いで「わぉっ!美人〜」、「やっべー俺、超好みなんだけど!」などの言葉が聞こえてきた
何故こんなに騒いでいるのかが解らず隣に居るみどりに訊こうと隣を見ると…
「メガネ美人の秀才くんねぇ〜。
インパクトとしてはちょっと弱いが…
まぁ、あれだけ美人ならそれもカバー出来るか。問題は、キャラの方で引き寄せられるかどうか…」
そんな事をブツブツ言いながら。まるで品定めするかの様にみどりは茜を見ていた。
その目がまるで別人で…な、何か話しかけづらいな。
そう思い何も言わずにいると…
「って、紫音?!なに?」
みどりは、僕の視線に気付いて問い掛けてきた。
「えと…なんでこんなに騒いでるのかな?…って、訊こうと思ったんだけど…話し掛けずらくて…」
さっきのみどりがまるで、別人みたいだった為ちょっとぎこちなかく喋ってしまった。
「えっ?あ〜…!紫音は共学の普通の公立中学だっけ」
「うん…(あれ?僕、みどりに中学校の話したっけ?)」
「じゃあ、こうゆうこと初めてか…。ここはさぁ…」
みどりは、僕の疑問を余所にそう言い説明を始めた。
「知っての通り、全寮制の男子校…外部との接触が滅多にないわけ!」
「うん…」
「だから勿論の事女の子に会わないわけなのだよ」
?…うん、だから何で茜見てこんなに騒ぐんだろ?
「やりたい盛りの年頃の男がこの狭い学園内に閉じ込められてたら、どーしても潤いが欲しくなるわけですよ!」
?やりたい盛り?…潤い?
「そこで生まれたのが女じゃなくても顔が良ければ良いじゃないかと云うわけ!」
??…女の子じゃなくても良い?
イマイチ解っていない僕に気がついて、みどりは分かりやすい様に話した。
「まぁ、要するに男しか居ないなら男を好きになって騒いだりイチャイチャして楽しんじゃえば良いじゃないか…ってこと!」
あっ!そうかぁ〜
そうだよね〜男しか居ないなら男を…って!!?
「えぇっ?!…それって、男なのに男を好きに…ってこと?!」
あまりの事に動揺を隠せず慌ててみどりに聞くと…
「Yesっ!!」
そう言い親指を立てて笑顔を向けてきた
「あの…好きって、友達とかの…「んな訳ないっしょ!
も・ち・ろ・ん、恋愛感情のほうだよ!」
まるでそれが当たり前の様に口振りで返されてしまった。
男が男を…好きとか僕の許容範囲を上回っているというか。
考えもしなかったし…
正直ビックリしていて混乱している。
そんな事をぐるぐる頭の中で考えていると…
「しかし、このくらいで驚くなんて紫音。これからの学園生活やってけないよ〜」
「えっ?…どうゆうこと…?」
「あんなちょっと騒いでただけで驚くなんてさぁ〜…
これから先ビックリしすぎて心臓麻痺で死んじゃうよ〜」
なんて、冗談混じりに言うみどり。
てゆーか。えっ?…アレがちょっとなの…?
みどりは僕が言いたいことが分かったのかちょっと考えながら口を開いた。
「ん〜少なからず、あの人よりは少ないかな〜」
?あの人…て、誰だろ?
「みど…「それでは続いて、生徒会長の挨拶です。」
みどりにあの人って誰か訊ねようとしたとき丁度、先生の声が被ってきてしまい、訊きそびれてしまった。
何とゆータイミング…
まぁ、後で聞けば良いかな。
しかし、何か皆そわそわした感じだなぁ。
周りを見渡すと皆そわそわと何か楽しみにしている様に落ち着きがない。
何事かとキョロキョロと見ていると壇上の横から誰か出てきた。と、同時に…
『『『きゃーーーーー!!!!』』』
「っ…!?!?」
さっきと比べ物にならないくらいの大きい歓声が体育館内に響き渡り。皆勢いよく立ち上がった。
余りの歓声の大きさに耳がキーンと鳴り、慌てて耳を塞ぐ。
な、何これ?!
余りの驚きでまた隣に居るみどりを見ると、この歓声を予想していたかの様に当たり前に耳を塞いでこっちを見て「これでわかったでしょ」と言っている様に笑っていた。
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