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理解不能
2
俺らの家の近くには、そこそこな海水浴場がある。
観光客がくるほどでもないけど、地元の人は結構集まる。

そして、そのわりと近くにもう一個、
小さめな海水浴場もあったり。
そっちは、人が少ないとこで泳ぎたいとかいう人たちがチラホラ集まる感じ。


「海、空、海、女の子!!ビバ!!」


やまとが両手を広げながら、人の少ない海を見渡す。

俺らが今日来たのは、小さい方の海水浴場。
その方が意外と女子のレベルが高いらしい(やまと調査)。
俺はナンパなんてしないけど、ガッツリ泳ぎたいから人少ない方がいい。

そしてなんとバカ瀬も来た。
それを見ると、やまとはあんなふざけたこと伝えなかったってことかな。
うん、よかった。


「んじゃ俺、ナンパ行ってきます!」
「さっそくかよ…」
「おぅ」

一人で3人の女子たちのところへ向かうやまとを見送る。
勇気あんなぁ…。

やっぱ俺は泳ぎますかね。

「バカ瀬、泳ぐ?」
「泳がねぇ」
「え?じゃあナンパでもすんの?」
「しねぇ」
「……」

砂で山を作り始めたバカ瀬をじっと見下ろす。

「じゃあお前、何しに来たの?」


「……砂遊び、的な…」


「……いや、お前それだったら公園の砂場で遊んでろよ!海来て砂遊びしてまさか終わり!?」
「いいだろ別に!濡れるのめんどくせぇんだよ!!」
「それ海に来て言うセリフじゃねぇだろ!」
「うっせぇなぁ!さっさと一人で泳いでこい!!」

なんだこいつ!
海来た意味がわからない。

まぁ俺もバカ瀬と泳ぐとか嫌だけど。

「……」

…いいし。一人で泳ぐし。

Tシャツを脱ぎ捨てて、海に向かう。

「脱いでんじゃねーよぉお!!」
「脱がなきゃ泳げねぇだろ!!」

意味不明なことを叫ぶバカ瀬に、顔だけ振り向いて叫び返す。

あー、もうほんとなんなんだ。

パシャパシャと音を立てて水の中に入る。

冷てぇ、気持ちい。

深いとこまで歩いていって、ザバァッて潜った。














沈む気持ちは無視をして


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