理解不能 結構やばい 1 「ねぇねぇちょっと」 一人で泳いだり潜ったりしていると、いきなり声をかけられた。 見ると、お兄さんたち2人組。 「高校生?」 「はぁ」 「あー、そうなんだ。俺ら大学なんだけどさ」 「俺らと一緒に遊ばない?」 「………」 「いや、俺らも二人だけで暇なんだよね」 「どう?」 「………どう、と言われましても…」 何これ、ナンパ? …男相手にそれはないか。 「あれ、君一人だろ?一人じゃつまんなくない?」 「一応あっちに連れはいますけど…まぁ、つまんないっちゃつまんないす」 誰かさんはナンパに行っちゃうし、誰かさんは砂遊びしてるし。 「じゃあいいじゃん」 「別に、ただ遊ぶだけだしさ」 「……うーん、…わかりました」 マジで一人じゃつまんないからな。 「おぉ、いいねいいね!」 「あ、自己紹介する?俺伸二」 「俺は和真。君は?」 え、これ下の名前言う感じ? 「雷斗、です…」 「へぇ、ライトくん!?かっこいいじゃーん」 これが…和真さん。 「いや、全然、もう、全然」 「照れてる?あはは、高校生かわいいねぇ!」 なんかバカにされた。 「ねー、あっちの岩場行かない?俺タコとか狙ってるんだけど」 これが伸二さん。 「タコなんてそうそういねーよ!こいつバカでしょ?」 「え、いないもんすか?」 「ははは、ライトくんもおバカ系ー?でもライトくんのバカはかわいいから許す!」 「かわいいて何すか…」 やっぱ大学生から見ると高校生なんてガキみたいなもんなのかな。 「岩場ー!岩場行こうって!!」 「あーもうわかったから!ライトくん、いい?」 「大丈夫っす」 「ありがとう!」 バチャバチャと先を行く2人についていく。 ……あれ、なんかこっち人いないな。 「人、いなくないすかね」 「あー、人気ないのかな、岩場ってさ」 これが…どっちだっけ。忘れた。 もういいや。 「このへんとか、どうよ」 着いたとこはマジで岩場って感じ。 でもタコとかもっと浅いとこにいるんじゃないの? 勝手なイメージだけど。 タコ捕ったことねぇからわかんねーや。 「あー、いいね。このへんにする?」 「おー」 「え、マジでここタコいます?」 「…ぶっ、あははは!ほんとライトくんかわいい!!……わかってないねぇ」 何がって聞こうとしたら、いきなり…どっちかわかんないけど、片方に後ろから抱き込まれた。 「何すか、ちょっ、」 「いやいや、おバカで助かったよー」 「ほんとになー」 何これ。 嫌な予感しかしない。 「それじゃあー、ちょっと俺らと遊ぼうか」 [*前へ][次へ#] [戻る] |