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理解不能
キューピッド 1
結局俺らの班が一番早く肉焼き始めて、一番早く食い終わった。
桑田センセーが、食い終わったとこは自由行動っつったから、まず真っ先にソフトクリーム食いに行って、んでそのあとは牧場の動物を見て回った。

まぁバカ瀬はくそウザかったけど、結構楽しめたと思う。
うん、よかったよ、なかなか。
やっぱバカ瀬はウザかったけど。

でもあっという間に時間過ぎちゃって、もう帰る時間だ。

「あー、もう終わりかー」
残念そうに言うやまとに続いてバスに乗り込む。
「早かったな」
「ほんとだよー」

あ、そうだ。

「バカ瀬、席交代してよ」
後ろを振り向いてバカ瀬に言う。
「はぁ?何で」
「やまとの隣怖ぇんだもん」
「またまたー!雷斗ってば、そんな警戒しなくていいのよっ!」
「ごめん、超してる」
「うっそん!」

「知るかよ、俺には関係ねぇ」
「別にいいだろうが、席交代するくらい」
「お前のために交代するのは嫌だ」
「はぁ?ムカつくこと言ってんじゃねぇし」

「あ、じゃあさ、じゃあさ!」
やまとが何か名案を思い付いたらしい。
なんだかすごく顔がキラキラしてる。


「雷斗が閑の隣座れば?」


「いやいやいやいや!」
「クソ電気と隣とか絶対ぇ無理!」
「俺だってお前の隣ヤダから!」

アホじゃねぇの、やまと。

「ほら、早くしないと後ろつかえてる」
「あー、じゃあもうやまとの隣でいい」
「ごっめーん、俺今一人で座席占領したい気分!」
「嘘つけお前!」
「早く早く!」

確かに後ろの人たちに迷惑かかってるから、しょうがなくバカ瀬が座ってた席に入る。

「閑もはーやく」

バカ瀬はかなりデカイ舌打ちをすると、ものすごく嫌そうに隣に座ってきた。

「では、お二人さん、お幸せに!」
「ざけんなやまとぉぉぉお!!」
「堤原、今回ばっかはキレるぞコラァ!!」

前に座るやまとの頭をペシペシ叩く。

「あたたたっ、ごめんて!」

「あー、もう…寝る、寝るしかない」
起きてたってどーせまたケンカんなるし。

イスに体を沈めて、目を閉じる。

さっさと学校つかねーかなー…。


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