★ スタホ殺人事件 ★
刺客@
駿介と居闇の揉め事の間にNHKが終わっていた。
NHKにはプレイヤー馬が3頭出走していたが、オッズも結果も見るべきものはなかった。
ヴィクトリアマイルの時点でダービーの登録は
居闇の『レッドブルータス』
亞穂菜の『ピンクサファイヤ』
そしてNHKに出走していたプレイヤー馬3頭。
『レッドブルータス』の一番人気は堅いところだ。
駿介はスタホに集中しようとしていたが、やっぱりどうしても『ヴォルテクス』のことを思い出してしまい、モチベーションがあがらなかった。
駿介の持ち馬は漬けが終わった配合待ちの2頭に初代馬が1頭。
しかしここからリスタートしなければこの先はない。ダビ卿勝ちのタキシードマキシマは結局エプソムも使わず、そのまま漬けていた。残りは60週。
駿介はここでタキシードマキシマを引退させ、C馬配合することに決めた。
引退クイズを終えて継承型を見ると見事に赤く『一発』と表示されていた。
「あぁ、流れまで最悪だわ…。」
そう呟いた時に東海ステークスが終わった。
「見たくもない居闇の制覇見させられるのか…」
ダービーのオッズ表が表示される。
@人気『レッドブルータス』2.3倍
A人気『レジェンドレクイエム』4.5倍
B人気『ピンクサファイヤ』5.8倍
伊井が条件戦3連勝の『レジェンドレクイエム』をダービーに出してきた。
父がシャウトグラベル、母がプライドだ。
『シャウトの仔を初戦ダービーかよ。』
駿介が伊井に声を掛ける。
『ホントは弥生から出す予定だったけど、あの馬やヴォルテクスがいたから次のクールと思ってたけど、なんかあの馬に勝たれるといい気持ちしないんでね。』
伊井が苦笑いしながら答えた。
レースは『レジェンドレクイエム』が先行、『レッドブルータス』と『ピンクサファイヤ』が後方待機。
画面が切り替わり、『レッドブルータス』が捲りはじめ、『ピンクサファイヤ』は動かない。
『レジェンドレクイエム』は4角から先頭に立つ。
『レッドブルータス』が4角過ぎて2番手に上がり、『レジェンドレクイエム』を捉えにかかる。一方『ピンクサファイヤ』は直線に入ってタニノギムレットと一緒に猛然と追い込んでくる。
残り200mで『レッドブルータス』が2馬身ほど『レジェンドレクイエム』をリード。しかし、そこから『レジェンドレクイエム』が再び『レッドブルータス』に牙を剥く。
後方からの『ピンクサファイヤ』がMAX光って追い込んでくるのが、駿介のところからも亞穂菜のサテのレインボーの光り具合からわかった。
そして駿介の隣の伊井のサテのランプも輝きを取り戻す。
『レジェンドレクイエム』が一完歩ごとに『レッドブルータス』に詰め寄る。
残り50m、鬼脚の2騎が前で競り合う2騎に迫る。
『レッドブルータス』のリードは1/4馬身。『レジェンドレクイエム』のすぐ後ろに『ピンクサファイヤ』とタニノギムレット。
際どい決着になりそうだ。
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