カナヅチ 帰宅途中 「涼稀先輩格好いい!」 「ね!あたし、部活サボらない!」 「えー!瑞葉サボるつもりだったの!?まぁ、そんなの許さないけどね!」 「あははっ!茜怖ーい!」 プールから出て興奮気味の2人。 バスケ部も丁度ミーティングが終わった時らしくて、またやっちに会った。 「おうチビ。生きてたか」 「それさっきも聞いたし!」 冗談言いあってるあたしたちから少し離れてた茜は、用事あるから先に帰るねと言って帰ってしまった。 なんだかいつもと違う様子に心配する。 「茜どうしたんだろう……」 「さぁな」 見上げたその顔からは何も感情は読み取れなかった。 なんだか成り行き上、やっちと一緒に帰ることになった。 そんなに家は近くないけど、小学生からの付き合いだしたまに一緒に帰ることもあった。 「なぁ、瑞葉は進路どうすんの?」 正直、そう聞かれて答えが詰まった。 1年だから何も考えていないし、取りあえず高校の資格は欲しいな、と思ってこの高校に入学したからこれといった夢はない。 水泳部のこともそうだし、なんだかあたしは適当に生きている気がした。 [←][→] |