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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間リローデッド第4巻経過報告:01(サンプルあり)(2017/4/28)
[TOMATO] とまと幕間リローデッド 第4巻『燃ゆる太陽のように』




古鉄≪というわけで、幕間リローデッド第4巻が明日(2017/04/29)販売開始です。みなさん、何とぞよろしくお願いします≫


(よろしくお願いします……というわけで、お休みなさい……すぅ)


恭文「寝るなぁ!」

古鉄≪仕方ないですねぇ。今月は忙しかったですから。なのでここでは幕間本編をご紹介です。
何だかんだで長かったミレニア城塞攻防……原作本で言うと第二巻終盤から第三巻冒頭までになります≫

恭文「今回、僕のバトルシーンはほぼなし……またか!」

古鉄≪カルナさんとの戦いが最高潮でしたね。ではどうぞー≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


庭園に乗り込んだまではよかった。謎の爆発によって破損したおかげか、いきなりヒュドラ毒に包まれる心配もない。

しかし……ヒュドラに次ぐような毒性生物が跳りょう闊歩(かっぽ)し、こちらの行く手を阻む。その上タチが悪いのは。


「く……!」


我がその力が大きく削(そ)がれていた。先ほどまでを十とするならば、今は六程度。更に精製する杭(くい)も、その勢いと鋭さを大きく減衰させていた。

それでも毒性生物相手なら問題ないが、サーヴァントとなると……これは、どういうことだ。


『それも当然のことよ、黒のランサー』


また一つキメラを葬り去ったところで、”赤”のアサシンが艶(なま)めかしい声で語りかけてくる。


『この空中庭園においては、その支配者は我にある。つまりここに乗り込んだ以上、貴様は救国の英雄などではない……下等な侵略者だ』

「余が侵略者だと? これは滑稽な……貴様は我が領土に踏み入りながら、おのが国と法治を語るというのか」


また一つ、巨大な蛇を払いのけながら怒りに打ち震える。


「下郎が――!」


◆◆◆◆◆



奴は片腕を晒(さら)す……赤々と輝く令呪三画を見せつけ。


「使うしかありますまい」

「貴さ……!」

「令呪を持って命ずる、英霊ヴラド三世――宝具『鮮血の伝承(レジェンド・オブ・ドラキュリア)』を――発動せよ」


令呪を用いた膨大な圧力。それによって強制的に発動された宝具により、理性が……意識が飲み込まれていく。


「ダーニック、きさ……まぁぁ……ああぁぁああぁぁぁぁ!」


手を伸ばしても、殺したいほど憎んでも、それが余の醜悪なる姿を形作る、糧の一つになろうとも……奴はそれをあざ笑っていた。


「余は、吸血鬼では、ない……ない、のだぁ――」

「いいや、”お前は吸血鬼だよ”。吸血鬼ドラキュラ――創作を持って、哀れにも汚名を背負わされた怪物(クリーチャー)」

『貴様……』

「……第二の令呪を持って命ずる。大聖杯を手に入れるまで生き続けろ」


見下ろしながら命ずるので、余は咆哮(ほうこう)……それのみで地面を、恐怖で打ち震えていた毒性生物たちを蹴散らし、そのままダーニックへ飛びかかる。

その心臓を潰すために左手刀……だが、奴は我が一撃を薄ら笑いのもとに受け入れる。


肉が、骨が抉(えぐ)れ、鮮血が舞い散る。なのにダーニックは……。


「はははははははは……! あーはははははははははは!」


嘲笑を浮かべ続けていた……心の底から、愉快と言わんばかりに。


◆◆◆◆◆


「どういうことだ、キャスター」

「作家足る吾輩には分かります。あの……ヴラド三世が発動した宝具は……!」

『……………………く……くくくく』


そこで、死んだはずの男が笑う。嗤(わら)う……嗤(わら)う……嗤(わら)う……。


『はははははは……』


貫かれた胸元から、血ではなく黒い泥を……影のような何かを漏らし、それが壊れた身体を補修する。


「なんだと……」

『霊核を……サーヴァントの心臓を貫いたんだぞ! 先生!』

『手ごたえは、あったんですけどねぇ』

「それは無意味ですぞ! こうも成り果てていては……こうも”引き込んで”いては!」

『この世界に吸血鬼は”実在”している』


ライダーが飛び込み、背中から奴を斬りつける。しかしその身体が突如霧となり、ライダーへと襲いかかった。


『……!』

『人理が支配するこの世界で、滅ばぬため隠れ生きる≪死徒≫』


ライダーは触れられることもなく退避した。アーチャーはその霧に矢弾を次々撃ち込むものの、霧にそんなものは通用しない。


『異能を捨て、人と交わり、その治政の中で生きる≪夜の一族≫。……無論これらはそういう類いのものではない』


霧は空けた空間を右往左往したかと思うと、再び中央にて集合。あの怪物を形作る。


『神秘という概念で言えば、僅か百年……だがその恐怖は、その存在は世界中を覆い隠した。
実在する者達の痕跡も足がかりとして、そのイメージを強く形作った。だが、その主役は彼らではない』

「えぇ、そうでしょう!」

『吸血鬼と聞いて、人が最初に思い浮かべるのは誰だ? 異能も知らず、戦いも知らない者達が……最初に思い浮かべるのは?』


その怪物の名はもう出ていた。本当に間抜けだった……奴は宝具を発動したばかりではないか。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「というわけで、ダーニックが余計なことをして状況が大混乱……アホかぁ!」

古鉄≪いい感じで回っていた……ということにしておきましょう≫

あむ「それは駄目じゃん!」


(唐突に登場する真・魔法少女)


恭文「なぜ実写版るろうに剣心の如く、煉獄で決着を付けなかった……!」

古鉄≪考えたそうですけど、その場合決着が面倒に≫

恭文「そうかー!」

あむ「あ、う……いやああぁあぁぁあぁあぁあぁぁぁ!?」

恭文「いきなりどうした!?」

古鉄≪ホラー要素に怯えたようですね≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「は……何がどうあれ、神々からはほど遠い化けものだろ!」


ライダーはまたも進み出た。その俊足で吸血鬼に接近し、跳躍とともに槍を投てき。

それは銃弾の如(ごと)き速度で吸血鬼に肉薄する。


「いかん!」


つい声を上げるものの、襲い……槍は既に絡め取られた。


「な……!」


驚いている場合ですか……! 本当に、コレさえなければいい戦士だと言うのに。

やはり先ほどと同じ……回避などすることなく、片手で絡め取っていた。


本来なら飛来するミサイルを、素手で掴(つか)むようなものでしょう。当然ながら肉は裂け、神経は断裂。骨は音もなく消し飛ぶだろう。

だが吸血鬼ドラキュラが誇る再生能力は、傷つくよりも遥(はる)かに速い。断裂した橋から再生する有様は、おぞましさを感じさせるものだった。


吸血鬼は笑い、ライダーに飛びかかる。跳躍していたライダーはたまらず組み伏せられた。


……その状況にゾッとした。ライダーが余裕なのは、神性ゆえの耐性があるから。そこでまた傲慢が顔を覗(のぞ)かせる。

だから瞬間的に接近して、ライダーを蹴り上げる。


◆◆◆◆◆


「――!」


すると彼女は疾駆――風や銃弾などが生やさしく見える速度で、吸血鬼に肉薄する。

吸血鬼も面食らうものの、即座に右手刀。しかしそれは彼女の残像のみを貫き。


――その身体をたった一瞬で、八つに分割した……いや、されてしまった。


彼女がただ一度刃を翻したかと思うと、それがあの肉体を断ち切った。

全く見えなかった。斬撃の始まりから終わりまで、光が翻ったようにしか感じなかった。

それは桜セイバーの動きも同じ。初動と終わりはともかく、最高速に乗る中盤は全く見えない。


恐らくアストルフォも、ライダーも、アーチャーも同じだろう。無論あの吸血鬼も……!


「無駄だ……そんなものは」


再生が始まるものの、彼女は鋭くその背後を取り。


「こうでしたね。マスター……飛天御剣流」


――壱(唐竹)・弐(袈裟)・参(左薙)・四(左切上)・伍(逆風)・陸(右切上)・漆(右薙)・捌(逆袈裟)・玖(刺突)!


「九頭龍閃もどき!」


至近距離から、あの同時斬撃を放つ。再生しかけていた身体は細切れのように破裂。

その黒い肉片達はそれぞれがコウモリになりながらも、桜セイバーに追撃。


自身と交差し、超加速のまま地面を滑っていた彼女に……しかし彼女は振り返り、一息整えた上で刺突。

まるで爆弾でも爆発したかのような破裂音が響き、その刃で……いや、もはやそれは砲撃だった。

彼女が刃を突き出しただけで、空気が穿(うが)たれ、真空状態が発生。それに切り裂かれながらコウモリ達は吹き飛び、再び集合して吸血鬼となる。


傷は再生するけど、転がり呻(うめ)き……吸血鬼は驚いた様子で彼女を見つめる。

……ふだんとは違う冷酷な……ゾッとするほど深い瞳を向けてくる、幼い少女を見つめ続けた。


◆◆◆◆◆


「……何なんだよ、アイツは」


いや、それはアキレウスも同じだ。恐らくは今の動き……『見えなかった』のだろう。私と同じで。


「近代の英霊だぞ。俺達みたいな神性もない……そんな奴が、なんで」

「だからでしょうね」


あの突きも魔力放出を彷彿(ほうふつ)とさせるが、そう言った技は使っていない。純粋な剣技のみで吹き飛ばしている。

あの細腕で……打たれ弱いであろう身体で、あの威力が出せるのか。心の底から舌を巻いていた。


「そんなものに頼れない戦場を、確固たる信念で渡り歩いた。その中で培った技術こそが彼女の武器」

「それで、俺達を上回るってか? ……神代であらゆる敵と戦い、名を挙げてきた俺達を!」

「えぇ」

「クソが……!」


アキレウスも理解している。武術という点に置いては……彼女は我々以上だ。だが受け入れ難いのだろう。

あれは人が成せる技ではない。天賦の才と、それを正しい形で伸ばせる努力。両方が極めて高い水準でそろわない限り、決して実現しない剣だ。


いや、あれはもはや剣とは言えない。剣術の皮を被った”何か”だ。神にすら届きかねない牙だ。

彼女の振るう刃が、その奇跡が、世界の法則すらもねじ曲げかねない。そんな威圧感を一閃一閃放ってくるのだから。

理解しながらも否定したくなる。ただの人間が……ただの人間が振るう剣に、”神”が宿っているなど。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「というわけで、桜セイバーが本格戦闘……僕の、出番は」

あむ「今回はないって……」

古鉄≪諦めましょうよ。他で活躍しているんですから≫


(やっぱり英霊達のターンです)


ガブリエレン(桜セイバー、凄いねー)(翼ぱたぱたー)

ヴィエルジェ(……羨ましいわ)

桜セイバー「あーははははは! 沖田さん大勝利……ごふ!」

恭文「ああもう、調子に乗るから!」

あむ「つまり調子に乗らなければ、吐血しない可能性が」


(病弱スキル発動は完全ランダムです。
本日のED:T.M.Revolution『HEART OF SWORD 〜夜明け前〜』)





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