作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
とある魔導師と彼女達の崩壊 第一巻経過報告:01(サンプルあり)(2015/5/30)
古鉄≪というわけで、先日パイロット版で出しましたティアナさんの脱走、及び六課崩壊ルート……タイトルはこんな感じになりました≫
恭文「来月初頭に出す予定で、現在六話の中盤まで書き上がり……なんだけど」
古鉄≪いろいろ盛り込んだ結果、やっぱりいつも通り展開がHP版と大きく変わったわけでして。というわけで若干ネタバレも込みですがサンプルです≫
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「あ、そうや。シャーリー、ちょおキャロにお願いしたい事があるんやけど」
『召喚師の視点から、今回の事をプロファイリングですね。そう仰ると思って、話は通しています』
「ありがとう。じゃあシャマル、アンタは一旦中へ戻って。恭文も交戦しとるから、メディカルチェックや」
『分かりました。それじゃあすぐに』
「お願いな」
そうして通信を終え、軽くひと息。まずは勝利……と言うべきやろうか。ただ、そのしわ寄せをティアナにかぶせてもうた。
そこは反省せんとなぁ。そう思う取ったら、背後に人の気配。恭文やないけど、うちもすぐ近くにこられたら分かる。
「これはこれは……麗しいお嬢さん、よければ僕とお茶でもご一緒しませんか」
そうして振り返ると、ロッサが笑って右手を挙げていた。そう……ロッサ!? え、なんでここに!
「お誘い、ありがとう。でも……サボり魔な査察官についていったら、うちまで悪者扱いやろ! お断りや!」
「これは手厳しい。でもね、今日はサボりじゃないんだよ。ユーノ・スクライア司書長のボディガードなんだ」
「ユーノ君の!? ……あー、そっか。このオークションで、学者さんとして協力してたっけ。でもなんで査察部のアンタが」
「たまたま暇だったところを、クロノに頼まれてね。僕の『番犬』は場内警備にも持ってこいだったから。
……でも恭文、また強くなってるね。戦っている様子は見させてもらったんだけど」
「それやったら手伝おうや」
「やろうとする前に決着しちゃったんだよ。はやて、そういうわけでお茶はご一緒してほしいな」
どういうわけや……とツッコみかけたけど、それも野暮かぁ。だってロッサは。
「今回の事で六課や108の捜査も大きく動くだろうしね。ちょうど夕方頃聖王教会へ行く予定だし、カリムにも報告しておきたいんだよ」
うちらの後見人、カリム・グラシアの義弟でもあるんやから。そういう事ならと、用事を済ませた後で……そうロッサと約束する。
◆◆◆◆◆
「ヤスフミ、どうかな」
実際に破壊されたガジェットに触れ、その構成物質や中の部品をチェック。でも今回は……フェイトに首を振るしかない。
「ジュエルシードっぽいものもないし、至って普通だね。やっぱ召喚師の触媒が原因だよ。
……ダークヒーローもどきがアレだったし、多分系統は虫かな」
「虫かぁ。それならこう、蚊みたいなサイズかもしれないね。単なる送受信用なら大きさにこだわる必要はないし、倒されてすぐ消滅するならよりよしだ」
「系統……虫? え、召喚魔法ってドラゴンだけじゃないのかな」
「「フェイト!?」」
ちょ、なに言ってるの! 被保護者がスキル持ちなのに、その辺りを理解してないって! やっぱりフェイトの頭はざるだー!
「恭文君、ほんと頑張って。いや、もうごめん……僕となのはも頑張ったんだけど」
「ユーノがなにかひどいよ!」
「当然でしょうが。……召喚魔法ってのは、簡単に言えば『ここにはいないものを呼び出す』魔法。
そのベースは転送魔法だけど、ここで契約術式が絡む。使い魔などとは違い、その状況に応じて呼び出せる遠くの仲間達。
そして契約できる召喚獣には、様々な種類が存在しているんだ。だからと言ってなんだっていいわけじゃない」
「召喚師の必要用途によって、ある程度能力の水準というのは決まってくるから。
とにかくそれに該当する異能生物は、この次元世界には多く生息している。
キャロのドラゴンはその中でも取り分け強力とされているけど、あくまでも一例なんだ」
「えっと……うん、分かった。虫もアリなんだね」
……とりあえずフェイトのすねに軽くローキック。それも何発も……何発も。
「痛いー! ヤスフミ、やめてー! どうして蹴るの!?」
「フェイトの頭がよくなるよう、おまじないだよ」
「え、そうなの!? こ、こんなおまじないがあったなんて」
「フェイト……いや、もういいや。それよりえっと、ジュエルシードについては」
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あむ「……フェイトさん、不安だ」
恭文「もういつもの事だよ。とにかくHP版だといろんな手管でやり過ごしていた」
あむ「やり過ごしていたって言うな!」
恭文「七話とかの方をちょっと頑張ってやってます」
(そのためにしばらくアニメを見返していました)
恭文「だからこんなシーンもあったり。ティアナのあれこれが語られます」
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「……今日の件でとやかく言うつもりはもうねぇ。あれはアタシ達の不手際もあるし……たださ、訓練中から時々気になってはいたんだよ。
強くなりたいなんてのは、若い魔導師ならみんなそうだ。無茶も多少はする……が、時々度を超えてる。
アタシは馬鹿弟子って前例を見てたから、わりと早い段階で気づけた。アイツら魔力資質や無茶の具合までそっくりなんだよ」
「魔力資質もですか。……あぁ、そう言われるとタイプ的には似てるんですよね。
なぎ君は詠唱・処理能力が尋常じゃなく高いだけで、魔力量も平均ですし」
「ティアとどっこいって感じだね。更に言えば恭文君は、フロントアタッカーとしては攻防の絶対値が高くない」
「とにかく馬鹿弟子の場合、それでもやりたくなるだけのもんを抱えていた。……リインに重荷を背負わせた事。
それに気づかず、ただ敵を殺せばヒーローだと思っていた自分……そんな自分と向き合い、罪を数えようとしてた」
それは、ヤスフミが定めた罪。ヤスフミは小さな頃からずっと、正義の味方に憧れていた。
テレビのヒーローみたいに、誰かを助けられたら……まぁそこも理由があったんだけど。
とにかく、それがヤスフミが強くなろうとした理由。でも今話が出た通り、ヤスフミは出力だけで言うならフロントアタッカー向きじゃない。
それを持ち前の超直感と術式運用技術、更にフィジカルな戦闘技能でカバーしているだけ。
そういうのもなく出力オンリーでやるなら、ヤスフミは現段階のスバル達よりもずっと下。
きっとみんなが今やっている訓練にもついていけない。ほら、ヤスフミって攻撃がくるとアルトアイゼンで対処するでしょ?
斬ったり、捌いたりして。更に言えばオートバリアを発動する事もほとんどない。
あれは普通のシールドを展開しても、強度的に不安があるから。もちろん使用する事での魔力消費も痛いからだけど。
ヤスフミの戦闘スタイルは、フロントアタッカーとして考えてもかなり異質。
魔力強化も含めた出力勝負を徹底的に避け、複合的な技術で対処しているから。
だったら後衛魔導師になればよかったのに……という考えもある。実際ヴィータやシグナムはそうだった。
でも、後衛魔導師としても不安がある。瞬間詠唱・詠唱処理能力もここでは邪魔をする。
魔力弾の多弾生成が一切できず、誘導弾の制御も『処理が速すぎる』せいで当初は全くできなかった。
それに伴いブースト・転送・結界などの支援系魔法もNG。転送も年単位で訓練して、ようやく今の形にしただけだから。
瞬間詠唱・処理能力は便利だとか、危険だとか言われるけど……実際はかなりクセが強く、扱い辛い能力だった。
そんなわけで私達の誰もが、ヤスフミは戦闘魔導師になれないって評価を下していた。
幾ら伝説のマスターが師匠になっても無駄。結果的にヤスフミはおとなしくしているしかない。
そんな甘い考えを持っていた。……でもヤスフミは運の悪さゆえの超直感があり、反応が速く視野もとても広い。
更に術式・フィジカルの両面で迅速な精密動作が得意。それで一番の持ち味は発想力と、術式開発能力。
アニメや漫画、ゲームなどの知識も活用する事で、一般魔導師の枠に収まらない術式を発案。
更に瞬間詠唱・処理能力の扱いを知る事で、少しずつではあるけどそれらを形にしていった。
ブレイクハウトだって、それがあればこその術式なわけだし。もちろん最初に暗殺者達を一蹴できたのも、その良さがあるから。
だからヤスフミが変則的フロントアタッカーとなった時、それはもうみんな仰天して。
更にヤスフミの資質を見抜いた、ヘイハチ先生には頭が上がらない形となった。
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恭文「このようにティアナについて語っていき」
あむ「どこが!? アンタの事しか離してないし! ……でもそう言えば、魔法障壁でシールドを防ぐ描写って」
恭文「作者も最初、スバルとやり合った時くらいしか覚えが……いや、他もいろいろある。
あるはずなんだけど、印象がそんなレベルという驚愕の事実」
(紫激気やらも絡めれば、一応出力勝負はできたりします。あとはかめはめ波)
あむ「撃てないじゃん! 撃てるのは拍手世界だけじゃん!」
恭文「気のせい気のせい」
あむ「そんなわけあるかー! と、とにかくティアナさんの話を」
恭文「あぁそうだったね。じゃあつぎいってみよー」
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「もう四時間も続けてるぜ、いい加減ぶっ倒れるぞ」
「ヴァイス、陸曹……見てたんですか」
「ヘリの整備中、スコープでチラチラとな」
「セクハラですね。というかのぞき魔ですか」
「そう言うなよ、無茶を四時間も続けてりゃあさすがに気になる」
無茶……か。結局昼間と変わらない、そう言われているようで悔しくなって、更に訓練継続。
……私は、やっぱり馬鹿かもしれない。しようと思っても、まだ体が動かない。息が、整わないの。
「まぁ、分かるけどよ。精密射撃なんざ、そう上手くなるもんでもねぇ。
無理な詰め込みで、変なクセを付けるのもよくねぇ……って、なのはさんが昔な」
「……詳しいですね」
「なのはさんやシグナム姐さんとは、わりと古い付き合
いでな」
「それでも」
無理矢理に深呼吸して、練習再開。バツが悪くて、ヴァイス陸曹には背を向けてしまう。
「詰め込んで練習しなきゃ、上手くならないんです……凡人なもので」
「凡人……か。俺からすれば、お前は十分に優秀なんだがなぁ。羨ましいくらいだ。
……まぁ、止めるつもりもないがお前達は体が資本だ。やりすぎには気をつけろよ」
「ありがとう、ございます。大丈夫ですから」
「あと、大丈夫じゃないなら、なのはさん達に報告するからな。でないと俺が怒られちまう」
「分かってますから」
そっけなくそう答えると、ヴァイス陸曹はすたすたと整備場がある方へと戻っていった。
◆◆◆◆◆
「大丈夫、ティアナならできるよ。なのはが保証する……というか今の段階でも上だよ! ティアナは天然ボケじゃないもん!」
「自信を持て、お前は……フェイトより頭がいいだろ! ドジじゃないだろ! それだけでお前は十分天才なんだよ!」
「なんの基準ですか、それ!」
「ひ、ひどいよ! 私が馬鹿みたいに言わないでー! だよね、エリオ、キャロ!」
そうよねー。さすがに被保護者の二人は聞き捨てならない……なのに、二人は揃って顔を背けた。
「おいテスタロッサ、お前の被保護者が見捨てにきてるぞ」
「「人聞きの悪い事は言わないでください! ただ覚えがあるだけなんです!」」
「どうしてー!? エリオ、キャロ、こっちを向いて! 顔をそむけないでー!」
「ごめんなさい、フェイトさん。でも……前にフェイトさんのドジで、羊達が逃げた事を思い出して。柵、よりかかった結果壊しましたよね」
「ふぇ!?」
あ、今ゾクってした。キャロの言葉、棘があったもの。きっと捕まえるのとか、大変だったんだろうなぁって思わせる重みがあった。
「僕も……フェイトさんが不用意に配線を触って、特別保護施設の電力が全ダウンしたので。
あ、それとペンキぬりたてのベンチに座って、立ち上がれなくなった事も」
「エリオ君の前でもやっていたの!?」
「キャロの前でも!?」
「うん! あと座った系だと……巨大龍のウンチを岩と勘違いして、よっこいせって!」
「うわぁ……最悪だ!」
「ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
被保護者に揃ってドジだと思われてる! どうしようもなくドジだって思われてる! ていうかそこまで!?
話を聞く限り、どうしようもなく粗忽なんだけど! どうしようもなく注意力散漫なんだけど!
それでなんで執務官試験に合格できたのよ、この人! 名前とかこう……書き忘れそうな勢いだし!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「というわけでティアナの話も盛りだくさんで」
あむ「ふん!」
(飛び蹴り)
恭文「げぼぉ! ……なにすんの、おのれ!」
あむ「うっさい! ていうかティアナさんのシーン、ちょこっとだけじゃん! あとはフェイトさんのドジだし!」
恭文「大丈夫だよ、フェイトは永遠の嫁だから。フェイトがしっかりするよう、いっぱいお仕置きしてるし」
あむ「アンタが言うと別の意味だし! ていうか駄目ー!」
(MG百式Ver2.0が販売された中、やっぱり仲良しな二人でした。
本日のED:GRANRODEO『メモリーズ』)
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