作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー とある魔導師と彼女達の崩壊 第一巻経過報告:01(サンプルあり)(2015/5/30) 古鉄≪というわけで、先日パイロット版で出しましたティアナさんの脱走、及び六課崩壊ルート……タイトルはこんな感じになりました≫ 恭文「来月初頭に出す予定で、現在六話の中盤まで書き上がり……なんだけど」 古鉄≪いろいろ盛り込んだ結果、やっぱりいつも通り展開がHP版と大きく変わったわけでして。というわけで若干ネタバレも込みですがサンプルです≫ ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「あ、そうや。シャーリー、ちょおキャロにお願いしたい事があるんやけど」 『召喚師の視点から、今回の事をプロファイリングですね。そう仰ると思って、話は通しています』 「ありがとう。じゃあシャマル、アンタは一旦中へ戻って。恭文も交戦しとるから、メディカルチェックや」 『分かりました。それじゃあすぐに』 「お願いな」 そうして通信を終え、軽くひと息。まずは勝利……と言うべきやろうか。ただ、そのしわ寄せをティアナにかぶせてもうた。 そこは反省せんとなぁ。そう思う取ったら、背後に人の気配。恭文やないけど、うちもすぐ近くにこられたら分かる。 「これはこれは……麗しいお嬢さん、よければ僕とお茶でもご一緒しませんか」 そうして振り返ると、ロッサが笑って右手を挙げていた。そう……ロッサ!? え、なんでここに! 「お誘い、ありがとう。でも……サボり魔な査察官についていったら、うちまで悪者扱いやろ! お断りや!」 「これは手厳しい。でもね、今日はサボりじゃないんだよ。ユーノ・スクライア司書長のボディガードなんだ」 「ユーノ君の!? ……あー、そっか。このオークションで、学者さんとして協力してたっけ。でもなんで査察部のアンタが」 「たまたま暇だったところを、クロノに頼まれてね。僕の『番犬』は場内警備にも持ってこいだったから。 ……でも恭文、また強くなってるね。戦っている様子は見させてもらったんだけど」 「それやったら手伝おうや」 「やろうとする前に決着しちゃったんだよ。はやて、そういうわけでお茶はご一緒してほしいな」 どういうわけや……とツッコみかけたけど、それも野暮かぁ。だってロッサは。 「今回の事で六課や108の捜査も大きく動くだろうしね。ちょうど夕方頃聖王教会へ行く予定だし、カリムにも報告しておきたいんだよ」 うちらの後見人、カリム・グラシアの義弟でもあるんやから。そういう事ならと、用事を済ませた後で……そうロッサと約束する。 ◆◆◆◆◆ 「ヤスフミ、どうかな」 実際に破壊されたガジェットに触れ、その構成物質や中の部品をチェック。でも今回は……フェイトに首を振るしかない。 「ジュエルシードっぽいものもないし、至って普通だね。やっぱ召喚師の触媒が原因だよ。 ……ダークヒーローもどきがアレだったし、多分系統は虫かな」 「虫かぁ。それならこう、蚊みたいなサイズかもしれないね。単なる送受信用なら大きさにこだわる必要はないし、倒されてすぐ消滅するならよりよしだ」 「系統……虫? え、召喚魔法ってドラゴンだけじゃないのかな」 「「フェイト!?」」 ちょ、なに言ってるの! 被保護者がスキル持ちなのに、その辺りを理解してないって! やっぱりフェイトの頭はざるだー! 「恭文君、ほんと頑張って。いや、もうごめん……僕となのはも頑張ったんだけど」 「ユーノがなにかひどいよ!」 「当然でしょうが。……召喚魔法ってのは、簡単に言えば『ここにはいないものを呼び出す』魔法。 そのベースは転送魔法だけど、ここで契約術式が絡む。使い魔などとは違い、その状況に応じて呼び出せる遠くの仲間達。 そして契約できる召喚獣には、様々な種類が存在しているんだ。だからと言ってなんだっていいわけじゃない」 「召喚師の必要用途によって、ある程度能力の水準というのは決まってくるから。 とにかくそれに該当する異能生物は、この次元世界には多く生息している。 キャロのドラゴンはその中でも取り分け強力とされているけど、あくまでも一例なんだ」 「えっと……うん、分かった。虫もアリなんだね」 ……とりあえずフェイトのすねに軽くローキック。それも何発も……何発も。 「痛いー! ヤスフミ、やめてー! どうして蹴るの!?」 「フェイトの頭がよくなるよう、おまじないだよ」 「え、そうなの!? こ、こんなおまじないがあったなんて」 「フェイト……いや、もういいや。それよりえっと、ジュエルシードについては」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ あむ「……フェイトさん、不安だ」 恭文「もういつもの事だよ。とにかくHP版だといろんな手管でやり過ごしていた」 あむ「やり過ごしていたって言うな!」 恭文「七話とかの方をちょっと頑張ってやってます」 (そのためにしばらくアニメを見返していました) 恭文「だからこんなシーンもあったり。ティアナのあれこれが語られます」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「……今日の件でとやかく言うつもりはもうねぇ。あれはアタシ達の不手際もあるし……たださ、訓練中から時々気になってはいたんだよ。 強くなりたいなんてのは、若い魔導師ならみんなそうだ。無茶も多少はする……が、時々度を超えてる。 アタシは馬鹿弟子って前例を見てたから、わりと早い段階で気づけた。アイツら魔力資質や無茶の具合までそっくりなんだよ」 「魔力資質もですか。……あぁ、そう言われるとタイプ的には似てるんですよね。 なぎ君は詠唱・処理能力が尋常じゃなく高いだけで、魔力量も平均ですし」 「ティアとどっこいって感じだね。更に言えば恭文君は、フロントアタッカーとしては攻防の絶対値が高くない」 「とにかく馬鹿弟子の場合、それでもやりたくなるだけのもんを抱えていた。……リインに重荷を背負わせた事。 それに気づかず、ただ敵を殺せばヒーローだと思っていた自分……そんな自分と向き合い、罪を数えようとしてた」 それは、ヤスフミが定めた罪。ヤスフミは小さな頃からずっと、正義の味方に憧れていた。 テレビのヒーローみたいに、誰かを助けられたら……まぁそこも理由があったんだけど。 とにかく、それがヤスフミが強くなろうとした理由。でも今話が出た通り、ヤスフミは出力だけで言うならフロントアタッカー向きじゃない。 それを持ち前の超直感と術式運用技術、更にフィジカルな戦闘技能でカバーしているだけ。 そういうのもなく出力オンリーでやるなら、ヤスフミは現段階のスバル達よりもずっと下。 きっとみんなが今やっている訓練にもついていけない。ほら、ヤスフミって攻撃がくるとアルトアイゼンで対処するでしょ? 斬ったり、捌いたりして。更に言えばオートバリアを発動する事もほとんどない。 あれは普通のシールドを展開しても、強度的に不安があるから。もちろん使用する事での魔力消費も痛いからだけど。 ヤスフミの戦闘スタイルは、フロントアタッカーとして考えてもかなり異質。 魔力強化も含めた出力勝負を徹底的に避け、複合的な技術で対処しているから。 だったら後衛魔導師になればよかったのに……という考えもある。実際ヴィータやシグナムはそうだった。 でも、後衛魔導師としても不安がある。瞬間詠唱・詠唱処理能力もここでは邪魔をする。 魔力弾の多弾生成が一切できず、誘導弾の制御も『処理が速すぎる』せいで当初は全くできなかった。 それに伴いブースト・転送・結界などの支援系魔法もNG。転送も年単位で訓練して、ようやく今の形にしただけだから。 瞬間詠唱・処理能力は便利だとか、危険だとか言われるけど……実際はかなりクセが強く、扱い辛い能力だった。 そんなわけで私達の誰もが、ヤスフミは戦闘魔導師になれないって評価を下していた。 幾ら伝説のマスターが師匠になっても無駄。結果的にヤスフミはおとなしくしているしかない。 そんな甘い考えを持っていた。……でもヤスフミは運の悪さゆえの超直感があり、反応が速く視野もとても広い。 更に術式・フィジカルの両面で迅速な精密動作が得意。それで一番の持ち味は発想力と、術式開発能力。 アニメや漫画、ゲームなどの知識も活用する事で、一般魔導師の枠に収まらない術式を発案。 更に瞬間詠唱・処理能力の扱いを知る事で、少しずつではあるけどそれらを形にしていった。 ブレイクハウトだって、それがあればこその術式なわけだし。もちろん最初に暗殺者達を一蹴できたのも、その良さがあるから。 だからヤスフミが変則的フロントアタッカーとなった時、それはもうみんな仰天して。 更にヤスフミの資質を見抜いた、ヘイハチ先生には頭が上がらない形となった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 恭文「このようにティアナについて語っていき」 あむ「どこが!? アンタの事しか離してないし! ……でもそう言えば、魔法障壁でシールドを防ぐ描写って」 恭文「作者も最初、スバルとやり合った時くらいしか覚えが……いや、他もいろいろある。 あるはずなんだけど、印象がそんなレベルという驚愕の事実」 (紫激気やらも絡めれば、一応出力勝負はできたりします。あとはかめはめ波) あむ「撃てないじゃん! 撃てるのは拍手世界だけじゃん!」 恭文「気のせい気のせい」 あむ「そんなわけあるかー! と、とにかくティアナさんの話を」 恭文「あぁそうだったね。じゃあつぎいってみよー」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「もう四時間も続けてるぜ、いい加減ぶっ倒れるぞ」 「ヴァイス、陸曹……見てたんですか」 「ヘリの整備中、スコープでチラチラとな」 「セクハラですね。というかのぞき魔ですか」 「そう言うなよ、無茶を四時間も続けてりゃあさすがに気になる」 無茶……か。結局昼間と変わらない、そう言われているようで悔しくなって、更に訓練継続。 ……私は、やっぱり馬鹿かもしれない。しようと思っても、まだ体が動かない。息が、整わないの。 「まぁ、分かるけどよ。精密射撃なんざ、そう上手くなるもんでもねぇ。 無理な詰め込みで、変なクセを付けるのもよくねぇ……って、なのはさんが昔な」 「……詳しいですね」 「なのはさんやシグナム姐さんとは、わりと古い付き合 いでな」 「それでも」 無理矢理に深呼吸して、練習再開。バツが悪くて、ヴァイス陸曹には背を向けてしまう。 「詰め込んで練習しなきゃ、上手くならないんです……凡人なもので」 「凡人……か。俺からすれば、お前は十分に優秀なんだがなぁ。羨ましいくらいだ。 ……まぁ、止めるつもりもないがお前達は体が資本だ。やりすぎには気をつけろよ」 「ありがとう、ございます。大丈夫ですから」 「あと、大丈夫じゃないなら、なのはさん達に報告するからな。でないと俺が怒られちまう」 「分かってますから」 そっけなくそう答えると、ヴァイス陸曹はすたすたと整備場がある方へと戻っていった。 ◆◆◆◆◆ 「大丈夫、ティアナならできるよ。なのはが保証する……というか今の段階でも上だよ! ティアナは天然ボケじゃないもん!」 「自信を持て、お前は……フェイトより頭がいいだろ! ドジじゃないだろ! それだけでお前は十分天才なんだよ!」 「なんの基準ですか、それ!」 「ひ、ひどいよ! 私が馬鹿みたいに言わないでー! だよね、エリオ、キャロ!」 そうよねー。さすがに被保護者の二人は聞き捨てならない……なのに、二人は揃って顔を背けた。 「おいテスタロッサ、お前の被保護者が見捨てにきてるぞ」 「「人聞きの悪い事は言わないでください! ただ覚えがあるだけなんです!」」 「どうしてー!? エリオ、キャロ、こっちを向いて! 顔をそむけないでー!」 「ごめんなさい、フェイトさん。でも……前にフェイトさんのドジで、羊達が逃げた事を思い出して。柵、よりかかった結果壊しましたよね」 「ふぇ!?」 あ、今ゾクってした。キャロの言葉、棘があったもの。きっと捕まえるのとか、大変だったんだろうなぁって思わせる重みがあった。 「僕も……フェイトさんが不用意に配線を触って、特別保護施設の電力が全ダウンしたので。 あ、それとペンキぬりたてのベンチに座って、立ち上がれなくなった事も」 「エリオ君の前でもやっていたの!?」 「キャロの前でも!?」 「うん! あと座った系だと……巨大龍のウンチを岩と勘違いして、よっこいせって!」 「うわぁ……最悪だ!」 「ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 被保護者に揃ってドジだと思われてる! どうしようもなくドジだって思われてる! ていうかそこまで!? 話を聞く限り、どうしようもなく粗忽なんだけど! どうしようもなく注意力散漫なんだけど! それでなんで執務官試験に合格できたのよ、この人! 名前とかこう……書き忘れそうな勢いだし! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 恭文「というわけでティアナの話も盛りだくさんで」 あむ「ふん!」 (飛び蹴り) 恭文「げぼぉ! ……なにすんの、おのれ!」 あむ「うっさい! ていうかティアナさんのシーン、ちょこっとだけじゃん! あとはフェイトさんのドジだし!」 恭文「大丈夫だよ、フェイトは永遠の嫁だから。フェイトがしっかりするよう、いっぱいお仕置きしてるし」 あむ「アンタが言うと別の意味だし! ていうか駄目ー!」 (MG百式Ver2.0が販売された中、やっぱり仲良しな二人でした。 本日のED:GRANRODEO『メモリーズ』) [*前へ][次へ#] [戻る] |