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頂き物の小説
第3話『仲の良さの基準なんて、誰にも分からない・・・けど、あれはいじめている様にしか見えん』










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


・・・・・・さて、昨日はヤスフミの家に泊まった訳で(寝床は自分で持ってきた寝袋を使った。)、俺は今早朝の日課となっているランニングに励んでいた。隣にはヤスフミもいる。


今回はヤスフミのいつものコースについていくだけなので、迷う心配はない。そんな調子で、俺達はようやくヤスフミが住んでいるマンションに戻ってきた訳だ。

そんな時、昨日は目に入らなかったマンションの名前が視界に入る。


『メゾン・ド・クロスフォード』・・・・・・たしか、先生の知り合いにそんな苗字の人がいたはずだけど・・・・・・偶然だよな。


それじゃ、準備をして朝飯を食べに行きますか。






魔法少女リリカルなのはStrikers 外伝


とある魔道師と軌道六課の日常・外典


第3話『仲の良さの基準なんて、誰にも分からない・・・けど、あれはいじめている様にしか見えん』


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



昨日はすっごく楽しい一日だった。隊舎が復旧して、六課が事件前と同じように動き始めた。

それだけじゃなくて、部隊に新しい部隊員・・・恭文が来て、その恭文と、パートナーのアルトアイゼンと模擬戦して、友達になって・・・。



模擬戦は結果的には負けちゃったし、少し考えるところもあったけど、それでも、楽しい日になったのは間違いない。私はそう確信していた。




そういうわけなので、ついつい早起きして早朝ランニングなんてしてしまっている。でも、私一人じゃない。





「ちょっとスバルー! アンタ飛ばし過ぎよ!!」

「あ、ごめんティア〜」



そう、ティアと一緒に、隊舎の敷地内を走っている。なんか、こうしてると、あの時の事を思い出してしまう。



「そーね。でも、今日は簡単なアップだけだからね? まだ本格的な訓練はなのはさん達の許可が出てないんだから」

「分かってるよ〜」



そしてその後、ストレッチなんかをして早朝運動終了。さて、朝ご飯だー!



「今日のメニューはなにかなぁ〜♪」

「あんま食べ過ぎるんじゃないわよ?」

「大丈夫ー!」



そんな話をしながら、食堂へと向かっていると、自転車が走ってきた。

こんな時間に誰だろ? ・・・あっ!



「恭文ー!」

「お、スバルー! おはよーー!!」





あ、手を離しちゃだめだよ! 危ないんだから!!



私が手を振るのに答えようと、自転車に乗ったまま手を振って、少しバランスを崩す。



・・・お、持ちこたえた。やっぱり鍛えてるから、バランス感覚もいいんだね。

今、私が声をかけたのは一人の男の子。と言っても、2歳年上なんだけどね。



私達と同じデザインの陸士制服に身を包み、背丈と体型は私と同じ。少し暗めの栗色の髪と黒の瞳が印象的な男の子。



そう、私が昨日模擬戦で戦った、魔導師の蒼凪恭文。そして、その胸元で光り、青い輝きを放つのは、恭文のパートナーデバイスであるアルトアイゼン。



恭文は、私達の前まで来ると、ゆっくりと自転車を止めた。





「いやぁ、危なかった。スバルの行動に乗って手を振ったらあれだもの」

「ホントだよ。見てて怖かったよ?」

「・・・アンタ達、仲いいわね」



ティアが、少し呆れ気味な顔でつぶやく。え? だって、恭文とは昨日友達になったんだもん。仲がいいのは当たり前だよ〜。



「まぁ、ギンガさんと似てるとこあるし、それもあると思うな。あ、ティアナもおはよう。・・・早朝訓練でもしてたの?」

「おはよ。まぁ、訓練って言っても、ランニングとストレッチのみだけどね。そういうアンタはこんな早くにどうしたのよ?」

「そうだよ。仕事始まるまでには、まだ時間あるよ?」



時刻は、もうすぐ8時になろうかという時間。こんな早くに来てもやることなんてないはずなのに。



「あーっと実はね。朝ご飯食べにきたの」



朝ご飯っ!?



≪昨日はあんな感じで、寄り道もせずに帰ったのですが、帰り着いた後に冷蔵庫を見たら、見事に空でして・・・≫

「なるほど。それで、朝早くに隊舎の食堂に来て、ずうずうしくも朝食にありつこうと考えたわけだ」

「・・・正解です」

「納得した。それで、今日はその自転車なんだね?」



今、恭文が乗っているのは、世間で言うところのママチャリと言われている物。

前に大き目の籠がついているタイプで、これで帰りに買い物をする・・・ってとこかな?



「うん」

「なら、一緒にご飯食べようよ! ちょうど私達も食べるとこだし。ね、ティア」

「そうね。アレコレ話も聞きたいし、付き合いなさいよ」

≪お二人とも、ありがとうございます。それでは、マスター≫

「うん。じゃあ、悪いんだけど、食堂で席取っててもらってもいいかな? 僕はこれを置いてこなきゃいけないから」

「わかった。待ってるからすぐ来てね〜」



そう言って、私達が隊舎の方へ入ろうとすると・・・恭文から呼び止められた。



「どうしたの?」

「ごめんごめん。これ渡すの忘れてた。・・・・はい」



そう言って、恭文から差し出されたのは1つの袋。・・・これ、なに?



「ほら、昨日借りてたスバルのトレーニングウェアだよ。洗濯して乾燥機にもつっこんだから、もう着れるよ」

「あ、ありがとう。でも、別に借りっぱなしでもよかったのに。また必要でしょ?」

「自分の着るからいい。というか、そこは気にして行こうよ。女の子なんだしさ・・・・」

「だから、気にしてないよ? 別にこれを着て恭文がエッチな事考えてても。それは普通のことなんだし」



「「いや、そこは気にしなさいよ」」





どういうわけか、ティアにも一緒にツッコまれた。・・・どうして?



とにかく、私は恭文からトレーニングウェアを受け取って、そこで一旦恭文と別れて、私達は隊舎に入り、食堂を目指す。・・・ティア、どうしたの?





「なにがよ?」

「少し、考え込むような顔してたから」

「別になんでもないわよ。本当に仲よくなったんだなって思っただけだから」

「そうかなぁ。あ、私ちょっと部屋に戻るね。これを置いてくるから」

「分かった。席は取っておくから、ゆっくりでいいわよ? つか、ちゃんと片付けてから来なさい」

「はーい」





そして、ティアとも別れて、私は自室に戻る。

戻ったら、さっそく袋を開けて、トレーニングウェアを取り出す・・・・なにこれっ!!



私は、トレーニングウェアを見てビックリしていた。すごく汚れてたから・・・とかではない。



綺麗なんだ。それもすっごく。昨日洗ったはずだからそのせいかもしれないんだけど、とにかく綺麗。

汚れも無いし、アイロンもしっかりかけてあってしわ一つない。・・・恭文って、すっごくマメなんだね。



私の予想だと、洗っただけで、ちょっとしわくちゃな感じになってるのかなって思ってたのに、これは予想外だよ。

いや、訓練で使うものだから、別にそれでも問題ないんだけど・・・すごい。



私は、少しの間、その綺麗に仕上げられたトレーニングウェアを見て、感激していた。



・・・恭文に、あとでちゃんとお礼言わないとだめだよね。うん。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・私はスバルと別れると、席を取りに食堂へと向かった。ま、あの人数だし確保はできるでしょ。

・・・・・・そういえば、ジンの奴はどうしたんだろう?たしか、昨日はアイツと一緒に帰ったはずだけど・・・・・・って、私は何を考えているのよ!?


そんなことを考えながら歩いていると、誰かとぶつかってしまった。・・・・・・あ、すいません。



「いえ、こっちも前を見ていなかったので・・・なんだ、ティアナじゃねぇか。おはよう。」




・・・・・・・・・すると、ぶつかったのはジンだった。アイツの顔を至近距離で見たため、顔が真っ赤に染まる・・・ヤバイ、悟られないようにしないと・・・お、おはよう!!



「あ、ティアナさん。おはようございます!!」

「おはようございます!!」

「きゅくるー」


すると、アイツの後ろからエリオとキャロ、フリードが現れる・・・なんでエリオ達がコイツといるの?


「あぁ、昨日ヤスフミの家に泊まったんだけど、アイツ1人だけ自転車で先に行きやがったんだよ・・・それで、走ってきたらエリオにばったり会ったんで、シャワーの場所を教えてもらったんだ。」


そういうアイツをよく見ると、確かに髪の毛が濡れている・・・まぁ、いいわ。今から朝食に行くんだけど、席を取るの手伝ってくれない?


「「はいっ!!」」

「きゅくきゅくー」

「別にいいぜ。どうせヤスフミとスバルも来るんだろ?」


なんだ、分かっているんじゃない・・・


そして、私達は食堂へと向かった・・・先頭を歩くことで、なるべくアイツに今の顔を見られないようにしないと・・・・・・


「ティアー、遅れてごめーん・・・あ、エリオとキャロ、ジンさんにフリードもおはよう!!・・・」

「「おはようございます!!」」

「きゅくー」

「あぁ、おはよう・・・ところでスバル、なんで俺はさん付けなんだ?ヤスフミと一緒で呼び捨てでいいぞ?」

「え、そう?じゃあ、今からジンって呼ぶねー!!」



・・・すると、部屋に戻っていたスバルが追いついてくる・・・・・・それじゃ、さっさと行くわよ。


「ってティア?なんで私の手をとるのかな?」


・・・いいから、さっさと歩く!!


「ちょ、ちょっとティア!!ひっぱらないで〜!!」



「・・・・・・ねぇ、ティアナさん急に不機嫌になったんだけど・・・どうしたんだろう?」

「・・・さっきまで普通だったのにね・・・」

「・・・ま、いろいろあるんだろ。それじゃ、俺達も行こうか?」

「「はいっ!!ジンさん!!」」

「・・・・・・別に呼び捨てでいいんだが・・・・・・まぁいいか。慣れてきたら、呼び捨てで構わないからな?」




・・・後ろのほうでエリオ達とアイツが喋っているのが聞こえたが、私は気にしない事にした。



・・・でも、スバルとアイツが話しているのを見たら妙にむかついたのは・・・なんでだろう?



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・お待たせー!」

≪すみません、遅くなりました。マスターがグズグズするから≫



とりあえず、アルトのつっこみはスルーにした。



「恭文さん、おはようございます!」

「おはようございます」

「きゅくるー」





僕とアルトが自転車を置いて、食堂へつくと、昨日知り合ったばかりのちびっこコンビ。



エリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエ。チビ竜のフリードリヒもスバルとティアナと一緒にいた。

・・・あと、なんか恨めしいような視線を向けているジンもいる。しょうがないでしょ?僕の自転車は二人乗りできないんだから。



「うん、エリオもキャロも、フリードもおはよう」

≪おはようございます≫



とりあえず、みんなが取っていてくれたイスに座る。なんと、僕の分のご飯まで確保してくれていた。うん、ごめんね。手間かけさせちゃって。


「ううん、大丈夫だよ?」

「・・・おい、ヤスフミ。俺にはなんかないのか?」


・・・え、別にいいじゃん。朝は一緒だったんだし。


「・・・・・・・・・はぁ、もういいよ。」


「それじゃあ全員揃ったからみんな一緒に・・・」

「「「「「いただきまーすっ!」」」」」





























・・・いやぁ、朝から運動したし、空きっ腹にこのご飯の美味しさが身にしみるわぁ。





≪慌てずによく噛んで食べて下さいね≫

「うぃうぃ」

「そうだ、恭文」



スバルが、やったら嬉しそうな表情でそう言ってきた。ん、なにが?



「トレーニングウェア。すっごく綺麗に洗ってくれて、ビックリしたよ。シワ一つないんだもん」

≪昨日帰ってから、一生懸命洗ってましたから。それから、乾かして、アイロンをして、匂いが気にならないか丹念にチェックして・・・≫

「そこまでやってくれたんだ。・・・ありがと」



いや、いちおう借り物だしそれくらいはね。うん、ちゃんとしておきたかったの。



≪まぁ、匂いを丹念にチェックしてる辺りに、危なさを感じたのは内緒にしてあげますよ≫



・・・だったら口にしないでよ。いや、自分でも気になってたよ? 女の子の服を、ちゃんとした理由があるとはいえ、くんかくんかと匂いを嗅ぐのはどうなんだろうなって。

で、スバルはなんで僕に顔を近づけるっ!?



「うーん、恭文いい匂いだよ。朝にお風呂とか入った?」

「あぁ、朝風呂派だから・・・って、匂いを勝手に嗅ぐなっ!!」

「いや、そこまで気にするってことは、なにかあるのかなって思って」

≪まぁ、それはないのですが・・・。いちおう女性というのがありましたから、ちょっと神経を使ってたんです≫



アルトがそう言うと、スバルがなぜだか顔を赤くして黙った。・・・いや、変な意味じゃないよ? 本当に。



「と、とにかくありがと。私、うれしかったから」

「うん、僕も昨日はありがとね。ウェア貸してくれて助かっちゃった」

「うんっ!!」

≪これで、フラグ成立ですね≫



・・・あぁ、アルトは気にしないでね。

ほら、街中歩いてるとやたらイチャついてぶっ飛ばしたくなるカップルっているじゃない? あぁいうのを無視する感覚でいけばいいから。



「なにげにヒドイよそれっ!?」

≪全くですよ。優しさが足りませんよ優しさが≫



優しくして欲しいなら、まず僕に優しくしてよ。

で、みんなはなんでそんなに僕を見つめるの?



「いや、なんていうかさ。昨日から思ってたんだけど。・・・アンタのデバイス、アルトアイゼンだっけ? 本当によく喋るわよね。コイツのデバイスもよく喋るし。」

「いや、普通だよ?」

「絶対普通じゃないからっ」

≪そんなことは無いと思うのですが・・・≫

≪ふむ、自分達が特殊例だということを自覚していないのだな。≫

「・・・・・・バルゴラ、その特殊例には俺らも入っているんだが?」


・・・まぁ確かに、アルトは無茶苦茶喋るしツッコむし。

AI付きデバイスの中でもトップクラスっていわんばかりに感情表現豊かであるのは間違いないわな。バルゴラも似たようなものでしょ。



「なにか、特殊なデバイスなんですか?」

「あー、特殊って言えば特殊・・・なのかな」

「もしよかったら、教えてもらえませんか? 興味ありますし」



・・・ちびっ子二人の瞳が痛い。だって、すっごく光輝いているんだもの。



≪といっても、たいした事ではありません。私は、みなさんより年上・・・稼動年数が26年というだけの話です≫

「26年っ!?」

「ちょっとまって、アンタ18よね? なんでアンタが使ってるデバイスが、アンタより年上なのよ」

「そりゃあそうだよ。だって、アルトは元々僕のパートナーデバイスじゃないもの」





・・・・まぁ、隠す必要があるわけでもないので説明すると、アルトは元々、僕の剣の師匠が一緒に戦っていたデバイスなのだ。

僕と先生が出会って、剣術を教えてもらうことになった直後、剣術経験が無い僕のサポートのためという名目で、僕はアルトを使用して訓練や戦闘を行っていた。



ちなみに、当のアルトはこの事に対してかなり不満タラタラだった。

・・・いや、当然だけどね。自分のマスターの命令とは言え、戦闘経験がそれほどあるわけじゃないトーシローの世話を焼かなきゃいけなくなったんだから。

それが紆余曲折あって、アルトが僕のことを『マスター』と呼ぶようになったのだ。

それにともなって、元々のマスターである先生の事は『グランド・マスター』と呼ぶことになった。アルト曰く、やっぱり先生の方が立場は上にしたかったらしい。なので『グランド』。



それから、アルトは正式に僕のパートナーとして戦うことになった。



・・・これは、僕が魔導師になるきっかけとなった、ある事件が解決してしばらくして、リンディさんから聞いたこと。

どうやら先生はアルトを僕のパートナーデバイスとして受け継いで欲しかったそうだ。



老い先短い・・・いや、今でもピンピンしてるけどさ。

とにかく、老い先短い自分が亡くなった時に、苦楽を共にしたパートナーの今後がどうしても気がかりだったそうだ。



それで、大事にしてくれる人間を探していたときに、僕が現れた。

で、いざヴィータ師匠と一緒に、剣術と魔法戦の技能を教えてみると、戦闘に関して天才・・・と言えるほどではないけど、それなりにセンスもあった。



ということで即決して、その通りになったというわけである。





「・・・なるほど、そういうことだったんだね」

「でも、AI搭載型デバイスは、普通は使用年数が増える事にその使用者の専用機体になっていくのに、よくあそこまで戦えるようになったわね」

≪そうですね。この人の特性に擦り合わせていくのに、一ヶ月ばかりの時間はかかりました≫

「一ヶ月って、また短い間に合わせられたわね」

「まー、その辺りは事情があってね。先生と僕って、魔力特性が凄く似てたんだよ」





魔力特性というのは、ぶっちゃけちゃえば、どういう魔法が得意かという先天的な適正みたいなものになる。

例えばフェイト。フェイトは、魔力の圧縮。そして、先天的に備わっている電気性質への魔力変換を得意としている。逆に、誘導弾とかは苦手なんだよね。

で、それと同じように、僕にも得意とする分野と不得意な分野がある。それと、先生の資質がとてもよく似ていたのだ。



先生曰く、そういうのも僕に師匠と一緒に、魔法や剣術を教えようと思った動機らしい。





≪・・・今考えると、その辺りも含めて、最初の段階で私を付かせたのでしょう。なんというか、私の主人はどうしてこうも揃って性悪なのか≫

「失礼な。先生はともかく、僕は違う」

「じゃあ・・・あの、アルトアイゼンさん」



いきなりさん付けっ!?



≪・・・エリオさん、普通に呼び捨てで構いません。確かに私の方が年上かも知れませんけど、どうにもさん付けは慣れません≫

「う、うん。それじゃあ、アルトアイゼン」

≪はい、なんでしょうか?≫

「恭文さんのことを『マスター』って呼ぶようになったのって、なにがきっかけだったの?」



・・・きっかけか。うん、痛かったなぁ。



≪・・・とても簡単です。
とある違法行為を行っていたSランク魔導師を相手にして、ぎりぎりだったときにこのバカは、擬似的にマスター権限を強行して、私を待機状態に戻したんです≫

「えぇっ!?」

「アンタ、なんでまたそんなことしたのよ!」





とりあえず、視線が痛いから睨むのはやめてくれるとありがたいよ。ちゃんと説明するから。そしてアルト、マスターをさしてバカって言うな。





≪仕方ないでしょう、バカはバカなんですから。それも年々悪化してますし≫

「・・・おのれは」

「まぁまぁ・・・。それで、恭文はどうしてそんなことしたの?」

「・・・その時のアルトは先生から預かっていた形だったからさ。正直、勝つためにちょっと無茶しなきゃいけなくて」

「それで、アルトアイゼンをその無茶に巻き込みたくなくて、待機状態に戻したと」



まぁ、それでも勝つ算段はつけられてたからだけどね。



≪・・・なにが算段ですか。相打ち同然に決着をつけて死にかけて、二週間意識不明の重体。完治までにはそこから一ヶ月もかかったじゃありませんか≫



うん、死にかけた。これ以上無いっていうくらい。



≪あの時、リインさんやフェイトさんがどれほど心配して、泣いたと思ってるんですか?
勝つと言うのは、相手を完膚なきまでにぶっ飛ばしても、自分は無傷という結果の事を言うんです。勘違いにも程がありますよ≫

「ねぇアルトアイゼン、その考え方もどうなのかな?」

「つか、そんな大怪我してまでやることじゃないわよ・・・」



まぁ、あの時は色々あってそう思っちゃったんだからしかたない。

あの時は、アルトは僕と戦うことに関しては、本当に不満タラタラだったし。それで命を賭けろとはいえなかった。アルトは先生のこと、大好きだしね。



「それで、アルトアイゼンは恭文さんをマスターって呼ぶようになったんだね」

≪キャロさん正解です。色々と不満があったのは確かですが、目の前で死なれても気分が悪いですし。
それに・・・≫

「それになによ?」



アルトを、みんながじっと見つめる。何を言い出すのかと言わんばかりに。



≪マスターがあの時、怪我と無茶をしたのは、私が信頼関係を結ぼうともしなかったからです。
なら、マスターでもご主人様でもおにいたまでもいい。しっかりとした関係を作っていくしかない。・・・同じ間違いを、繰り返したくはありませんでしたから≫

「そっか。なんか、アンタも大変だったのね」

≪分かっていただけるとありがたいです≫



・・・みんなが感心してるなか、僕はどうしても釈然としないものを感じていた。アルト、おにいたまってなに? 可愛くないからそれはやめて。



「恭文、ホントにだめだよ? こんないいデバイスに心配ばかりかけちゃ」

≪全くです≫

「だから、自分で言ったら説得力ないから・・・」




















「それはそうだけど、心配をかけちゃいけないのは間違いないよ? あの時、アルトアイゼンすっごく落ち込んでたんだから」

「そうだな。自分の態度がいけなかったと、お前の目が覚めるまで反省しきりだったからな」

























・・・・・・・・え?










突然、後ろから声が聞こえた。僕がよく知る声が二つ。で、後ろを振り向くと・・・居た。










「恭文君、久しぶり。・・・過労だって聞いたけど、身体大丈夫?」

「問題ないよ。てーか、なのはおひさ。なんか元気そうじゃないのさ」

「うんっ!!」





そう、そこにいたのは・・・シグナムさんと、もう一人。



高町なのはが、そこに居た。





「なのはさんっ! あ、シグナム副隊長もおはようございますっ!!」

「「「おはようございますっ!!」」」

「うん、みんなおはよう」

「みんな、なのはにそんなに気を使わなくてもいいのに・・・」

「アンタは少しは気を使いなさいよっ!」

「嫌だ」



・・・あれ? どうしてみんなそんなビックリしたような顔で僕を見るの?



「あの、恭文。なのはさんって、一応上の立場なんだよ? さすがにそれは・・・」

「あぁ、大丈夫だよみんな。恭文君は、どこでもこんな感じだし」

「実際、蒼凪に上下関係を盾に命令すると恐ろしいことになるからな」

「ですね。・・・相変わらずだよ。逆に安心しちゃったよ」

「この二人は、それが相変わらずなんですね」



スバルもティアナもチビッ子コンビも、なんでそんな残念そうな目で僕達を見る?

で、僕のことはいいよ。なーんでなのはがこんな朝早くにいるのかが疑問だ。



「しかし、随分早く戻ってきたね。病院にお泊りだったんじゃないの?」

「うん。でも・・・恭文君に会いたかったから」



ニッコリと笑顔でなのはが口にする。・・・そうなんだ。



「僕は・・・会いたくなかった」

「「「「・・・・・・・え?」」」」

「だって・・・若○ボイスで話し掛けられても嫌だし」

「そんな声でないよっ!」



いや、勝手に変換されてるから。



「されてないよっ!!」

「僕とアルトの脳内のことにとやかく抜かすな」

≪まったくですよっ!≫

「逆ギレっ!?」










・・・・さて、この高町なのはという女性について説明しておこう。



時空管理局の叩き上げ戦闘集団と言ってもいい『航空戦技教導隊』所属の空戦魔導師だ。



僕やはやてと同じ地球の出身で、9歳の時に、とある事件に巻き込まれて魔法の力に目覚めた。



そこからは・・・途中で大怪我して、リハビリのためにブランクこそあったものの、教導隊に所属した。僕と出会ったのも、ちょうどそれくらい。

そこでどんな仕事をしているかというと・・・・最新鋭の戦闘技術や戦術の構築。新装備の開発などだ。

あとは、要請のあった部隊に赴き、そこの武装局員に極めてレベルの高い戦闘技術の教導などの仕事もこなしている。そういや、六課でも主な仕事はそれになるのか。



こやつは、そんな結構エリート街道まっしぐらな生き方をしているために、ミッドでもかなりの有名人。

『エース・オブ・エース』なんていうぶっ飛んだ二つ名まで持っている。・・・そこはうらやましいよ



ほら、二つ名って憧れるし。僕も『赤い彗星』とか『ライトニング・バロン』とか『阿修羅すらも凌駕する』とか言われてみたいし。










・・・・しかし、それはあくまでも表向きの顔だ。



裏の顔は語るのも恐ろしい。



こやつを一言で言うなら、そう・・・・魔王っ!



ちなみに、『冥王』『悪魔』『鬼畜』『作画崩れ』でも正解とする。



こやつの戦闘スタイルは、大量の誘導弾と高威力・高出力の砲撃を用いた遠・中距離戦。



ここまでなら、普通の射撃での支援型だろう。ただし・・・その攻撃の威力が半端じゃないのだ。



一発撃つだけで大地は割れ、海は避け、そして世界は震える。



どっかの惑星をぶっ壊したことも数知れず。



その純白を思わせるバリアジャケットは、実は敵の返り血を全く浴びてないからというのが通説。



そして・・・恐ろしいのはその手口だ。



一撃で倒せるはずなのに、じわじわとなぶり殺しにするような手口で戦う。



・・・信じられないかもしれない。だけど・・・これが高町なのはだっ!!










「そんなわけないからぁぁぁぁぁっ! というかというかっ! なんでいきなりそんな話になるのっ!?」

「いや、説明って大事でしょ?」

≪そうですよ。あなたが誤解されないようにと気を使ったんです≫

「使い方が間違ってるよ。それだけじゃなくて、またそんな風に魔王って言うっ!!」

「だって、魔王じゃないのさ」

≪そうですよ≫

「違うもんっ!!」





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・・・・うん、昨日部隊長室にいた時にうすうす感じていたけど、ヤスフミの奴高町教導官に容赦ねぇな・・・・・・


≪そうだな。私は古鉄殿がヤスフミとマスター以外をからかっているのは初めて見るな・・・これは勉強になる・・・≫


いや、勉強しなくていいからね?その分だけ俺とヤスフミが大変になるんだから・・・





「・・・えっと・・・・ちょっと恭文っ!?」

「なにさ豆柴」

「犬じゃないよっ! というか・・・どうしてなのはさんにそんなこと言うの?」

「なにが?」

「なにがじゃないわよ。アンタ、よりにもよって魔王って・・・」

「恭文さん、それはヒドイですよ」

「なのはさんは魔王じゃないですよ」


スバル達が反論すると、ヤスフミはため息をついてシグナムさん達に向けて話し出した。


「なのは、シグナムさん、心が痛まないんですか? こんないたいけな子ども達を騙して」

≪そうですよ。良心の呵責というものに苛まれないんですか?≫

「それはこっちのセリフだよっ!」

「むしろ、それはお前達に言ってやりたいぞ」

「本当だよ。なのはさんの事、さっきから魔王魔王って・・・。」

「じゃあみんなに聞くけど、なのはが魔王じゃないって言い切れる?
心のそこから、嘘偽りなく、まっすぐに、僕の目を見て、天地天命に誓って、己の心に誇って、神やら仏やらにも誓って・・・言える?」










「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もちろん!」」」」






・・・・・・・・・・・・つまり、内心はちょっと思っているんだな。高町教導官の噂は結構ホントみたいだな・・・・・・





「なのは、みんなに感謝しときなよ? かなり間があったけど言ってくれたんだから」

「みんな、そんな風に思ってたんだね・・・」

「こ、これは違うんですっ! 恭文が変な念押しするからで。」





「まぁおまえらもそういきり立つな」



まぁまぁと言ってきたのは、今まで話を聞いていたシグナムさんだった。



「蒼凪のなのは隊長に対しての態度はいつものことだ」

「これ、いつものことなんですかっ!?」

「そうだ。まぁ、この二人なりのコミュニケーションと言ったところだ」

「コミュニケーションって言っても・・・これは・・・。」

「でも、魔王っていうのはやめてほしいんだけど」

「魔王じゃなくなったと判断したら、やめてあげるよ」

「じゃあ、今からやめて?」

「・・・えっ!?」

≪そんなっ!?≫



・・・・・・こいつら、完璧に高町教導官で遊ぶ気だ・・・・・・



「だって・・・現時点で魔王なのに今からやめろなんて」

「魔王じゃないよっ!」





そうして、高町教導官とヤスフミとアルトアイゼンは、あーだこーだと言い争う。結構際限なく。










「・・・シグナム副隊長」

「言いたい事は分かる。だが、普通のことだ」

「そう・・・ですか」

「あいつらなりの再会の挨拶と言った所だ。それに見てみろ」



シグナムさんに言われて、スバル達はなのはさんと恭文をもう一度見る。



「なんだか・・・なのはさんも恭文さんも、楽しそうですね」

「ホントだ」

「あぁいう関係だ。お前らの言いたい事は分かるが、問題はない」

「確かに、そうみたいですね」

「うー、でもやっぱり魔王とかって言うのは納得できないー!なのはさんは魔王じゃないもんっ! ちょっとそれっぽいところはあるけど。」








・・・・・・・・・・・・・・・いや、スバル。それは魔王って認めているのと同じだからな?というか、声に出ているぞ。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



さて、今はお昼休み。


あの後、みんなでご飯を食べてから、僕とジンはロングアーチのオフィスでポチポチ書類など打ってた。まぁ、これが目的の半分だしね。



しっかし・・・こりゃすごいな。



今、僕が打っているのは、上への報告書。報告内容は、JS事件の最終局面。六課が関わったゆりかごの攻略戦やら、首都の防衛戦に関して。

なんでも、暫定的な形では出していたのだけど、さすがにそれだとアウトなので・・・今、かなり詳細な物を纏めている最中だそうだ。

その時に、管制をしていたシャーリーにあれこれ解説してもらいながら、その報告書作成の手伝いをしていたのだけど、激戦もいいとこじゃないのさ。



「そりゃそうだよ。みんな頑張ってたしね」

「いや、頑張りようにも程があるでしょ」



特に目を引いたのは、スバル達フォワード陣が主戦力を務めた、廃棄都市部での首都防衛戦。そこでの、対戦闘機人戦に関しての戦闘記録だ。



その中の、ある廃ビルの中で行われた戦闘。絶望的とも言える状況を、持てる技能でひっくり返した女の子の戦い振りに、目を奪われていた。



そう、ティアナである。・・・戦闘機人三人を一人で相手にして勝つって、すごすぎでしょ。それも足を怪我している状態で。



≪ティアナさんが提出したデータを見るに、対峙した三人は決して能力が低いわけではありません。まぁ、戦闘経験は少ないようですが≫

「だね」

「確かに、ティアナは強かったな・・・・・・一歩間違えたら、負けてたよな、俺。」

≪そうだな、昨日の模擬戦では奇襲が上手くいったからよかったものの、正攻法で戦っていたらどうなっていたか・・・・・・次からはもう少し考えないとな。≫


確か・・・戦闘機人、というかナンバーズには、互いの戦闘経験を共有するっていう能力があったはず。

よーするに、長女がガチで戦えば、その経験を妹全員に等しくデータとして与えられるというものだ。

とは言え、それはあくまでもデータ。戦いなんて言うのはそれでなんとかなるほど甘くない。



鉄火場に立って、どれだけ敵の弾や斬撃や砲撃を避けて、一撃を入れられたかで経験って言うのは自分のものになるのだ。

このティアナとやりあった連中は、その辺りが足りなかったってことでしょ。



で、肝心のティアナはというと・・・うーん、ポジションはセンターガードで、ガンナーなのか。射撃と・・・幻術っ!? また渋いもん使ってるなぁ。

どういう方向性で育ててるんだろ? あとでなのはに聞いてみるか。




「やっぱり、そういうの気になるの?」



そう聞いてきたのは、ロングアーチスタッフ。アルト・クラエッタさん。


なんでも、シグナムさんとは昔からの知り合いで、それが縁で六課に参加。ヘリパイロットの資格も持っているそうだ。



「そりゃあ気になりますよ。いずれ模擬戦なんかで戦う相手なんですから、入手できる情報は多い方がいいですし」

「そういうことなのっ!?」

≪それもありますが、やはり特化能力だけならオーバーSを記録出来る戦闘機人を複数相手にして、勝てるほどの実力者ですから。興味は尽きません≫



正直、これで興味を持つなというのが無理である。ちょっと腕に覚えがあって戦うのが大好きな魔導師なら、よだれをたらして戦いたがる。

・・・シグナムさんとかね。

しかも、相手は僕に負けないくらい戦闘経験を持っているジンがあそこまで言うのだ・・・ますます楽しみになってくる。


「うー、早く訓練再開されないかなぁ。スバルは昨日ので分かったけど、他の3人が気になるよ」

≪スバルさんの実力を考えると、あれと同程度なのは間違いないでしょうが≫

「なぎ君は戦うの好きだもんね」



ちょっと呆れ気味な顔をしているのは、同じくロングアーチスタッフのルキノさん。

クロノさんが艦長を勤めていた次元航行艦・アースラに乗艦していたのが縁で、とても仲良くなった。

・・・まぁ、ルキノさんが艦船マニアなので、すごい話に付き合わされたというだけなのだけど。



「そうなの?」

「まぁ、嫌いじゃないですね」



命がけで戦ってるのは、楽しいし満たされる。これは、先生にも言われたことだし、とある魔導師仲間にも言われた。完全無欠のバトルマニアだと。

もちろん、そうだからと言って事件が年がら年中起きて欲しいとは思わないけど。



「どういう風に戦えば勝てるか、どういう立ち回り方があるかとか考えるの、すっごく楽しいんですよね」

「なんというか・・・、なのはさん達の知り合いとは思えない発言だよね」

「でも、自重はしてるんです。痛いのはやっぱ嫌いですし」



戦うのは好きだけど、痛いのは嫌いだ。


自分が痛いって話じゃない。・・・リインやフェイト、はやてになのは達が痛いのが嫌なんだ。


朝に話した怪我の時、みんなにしこたま怒られたからなぁ。あの時に、ようやく認識出来た。僕が傷つくことで、理屈抜きで心を痛める人が出来たんだってことに。

まぁ、そいつがどうでもいいなら、そんなのは無視するんだけど・・・みんなは僕にとって、そんな軽い存在じゃなかった。だから、楽しい気持ちは二の次にしているわけである。



「なるほどねぇ・・・」

「あー、でもティアナは興味あるなぁ。幻術どんな風に使うんだろ・・・」

「ね、アルトアイゼン」

≪なんですかアルトさん≫

「なぎ君の言う興味って・・・魔導師としてだけ?」

≪残念ながら、それがマスタークオリティです。女の子としては持っていないでしょう≫

≪我がマスターは女の子としてもティアナを意識しそうだけどな。≫

「・・・バルゴラ、少し黙れ。」


なにやら分からないことを話しているパートナーは放置。しかし・・・あー、どんな感じなんだろー!!



ちなみに、こんな話をしながらも手の動きは止めていない。目で資料を追い、それを頭の中でまとめて、ブラインドタッチで報告書を纏めていく。



魔導師にとって、これくらいのマルチタスクは出来て当然である。



「・・・さて、もうお昼だね。なぎ君、なのはさんのとこ行くんだよね?」

「うん」



そんなことをしている間にもお昼休みの時間。


僕は、朝食の時になのはから自分の部屋に来るようにお願いされたのだ。



とにかく・・・。



「じゃあ、ちょっと行ってくるね」

「うん、いってらっしゃい〜」





そうして僕とアルトは、隊員寮のなのはの部屋へと向かっていった。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「シャーリーさん」

「どうしたの、二人してニヤニヤして」

「なぎ君がなのはさんの部屋に呼ばれたのって・・・アレですよね?」

「アレ・・・だろうね。あー、私も一緒に行こうかな? なぎ君の驚く顔が見てみたいよー!」

「なぎ君、やっぱ驚きますよね」

「驚くだろうね。なんせ・・・アレだもん」


・・・なんだろう、シャーリーさん達がひそひそ話をしている・・・気になったので、俺はその中に入っていくことにする。


「ん?なんかあるんですか?」

「あ、フレイホークさんは知らなかったっけ、実はね・・・・・・なのはさんとフェイトさんって子供がいるの。で、なぎ君にその子に会わせるって訳」

「そうですか、高町教導官とハラオウン執務官に子供が・・・・・・・・・・・・・・・ええええぇぇぇぇぇっっっ!?」







その後、俺はシャーリーさんから詳しい説明を聞いた。そこで思ったことがいくつか。




・・・・・・ヤスフミの奴、事前に詳しい説明を聞いていなかったら高町教導官に切りかかったりしそうなんだが・・・・・・


あと、未婚で子持ちって余計に出会いがなくなりそうな気が・・・まぁ、最悪ユーノさんが嫁にもらうはずだから大丈夫か。


・・・休みが取れたら、ユーノさんに会いに行こうかな・・・




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「ザフィーラさん、抱きついていいですか?」

「・・・別に構わんが、お前、我が男だということを忘れていないか?」

「いや、分かってるんですけど・・・こう・・・もふもふしててふさふさしてるんでつい」

「本当に変わっていないな」

≪それがマスタークオリティです≫



うー、そうは言うけどさ。ザフィーラさんの触り心地は最高じゃないのさ〜。前に、枕にして寝たときなんてもう・・・幸せが・・・。


そう口にしようと思ったその時だった。部屋のドアが開いた。










「ごめん! 恭文君お待たせっ」

「ごめんね、ちょっとかかっちゃった」



なのはとフェイトが走り込んできた。



「あぁ、大丈夫。ザフィーラさん撫でて時間潰してたから」

「そうなんだ、よかった」

「あの、アイナさん、ありがとうございました」

「いいのよ。恭文君とも挨拶できたし」



まー、軽くですけどね。

・・・さて、なのは。



「なに?」

≪わざわざここに呼び出した用件はなんですか?≫

「・・・ひょっとして、ついに結婚?」



まぁ・・・アレだよ。なのは。



「フェイトを嫁にしたいなら僕を倒してからにして。というか・・・なのは、さようなら。なのはのことは30秒くらいは忘れないよ」

「違うからぁぁぁぁっ!! 私の存在はそんなに軽いのっ!?」

「そうだよヤスフミ。私となのはは・・・そんな・・・・」





・・・・フェイトが顔を真っ赤にしてる。あぁ、この光景を右から左へ流してしまいたい。とにかく、結婚じゃないならなに?

まぁ、想像はつくけど。



じつは、部屋に入ってきたのは、なのはとフェイトだけじゃなかった。あと一人だけ居た。



年のころなら・・・6歳前後。栗色の髪に、翠色と朱色両方の色を持つオッドアイの瞳をした女の子。


栗色の髪は腰まで伸びており、耳の上の両サイドにリボンを使っておさげを作っている。


可愛らしく、見ているだけで穏やかで優しい気持ちになれるような女の子が、フェイト達と一緒に来たのだ。



えっと・・・ひょっとして、この子は・・・。



とりあえず、立ち上がってその子へと近づいていく。

うーん、ちょっと人見知りする子なのかな? 警戒されてるように感じる。



なので、その子の前までくるとしゃがみこみ、二コリと笑って見せた。





「こんにちは」

「こんにちはっ!」



女の子は元気に挨拶を返してくれた。それを見て、僕はまたにこやかに笑う。いや、作り笑いとかじゃなくて・・・本当に楽しくなってきたからだ。



この小さい女の子の笑顔は、大人の心を優しいものにしてくれる。『子は鎹』とは、そういう意味を含めた言葉かもしれない。



「初めまして。僕は蒼凪恭文って言うんだ。で、こっちが・・・」



僕は、胸元にかけていた相棒を外して、宙に浮かせる。


女の子は、興味津々な顔でそれを見る。



≪初めまして。私はアルトアイゼンと言います≫

「あると・・・あいぜん?」

「うん、そうだよ。僕のパートナーデバイス」

≪まぁ、一応そういうことになってます≫



一応って言うなっ!



≪仕方ないではありませんか。まだまだグランド・マスターの域には辿りつけませんし、彼女も出来ませんし、思考はおかしいし、へタレは直らないし・・・≫

「誰がヘタレだよっ!」

≪マスターです≫



こ、こいつは・・・・!



「ふぇ〜。お兄ちゃん、このデバイスさんたくさんおしゃべりするね」

「ん? ・・・あぁ、そうだね。アルトはすっごくおしゃべりなんだ」

≪マスターがへタレだと、嫌でもこうなるんです。現に、高町教導官のレイジングハートや、フェイトさんのバルディッシュさんはこうではないでしょ?≫

「まだ言うか。ところでなのは、フェイト」

「なに?」



いや、こんな会話をしつつずっと気になってたんだけどさ。



「・・・この子、どなた?」

≪何を言ってるんですかマスター。高町教導官とフェイトさんのお子さんに決まっているじゃないですか≫

「・・・あぁ、なるほどね。そういうことか。納得納得」





できるかぼけっ! どうしてそうなるっ!? つーか、この子の年齢を考えろ。僕知り合っているはずだよ? 二人のお腹が大きくなったところなんて見たことないわっ!





≪もちろん冗談です。さすがにそんなわけは・・・≫

「すごい、よくわかったねっ!」




















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?



なのはとフェイトが、やたら感心した顔で僕とアルトを見る。いやいや。いやいやそんなわけが・・・。



これで、二人のことをママとか呼んだら信じなくちゃいけないけど。そうじゃないのに僕とアルトは信じませんよ。




















「なのはママ、フェイトママ、このお兄ちゃんとデバイスさんがもしかして・・・」

「そうだよ。さっきお話した、なのはママのお友達で、フェイトママの家族なんだよ。さ、挨拶してみようか」




















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?



まてまて、今なんて言ったっ!? フェイト・・・『ママ』に、なのは・・・『ママ』っ!?



いやいやいやいや、まてまてまてまてっ!!



おちつけ・・・。落ち着いていこうぜ僕。そしてアルトっ!



≪残念ながら、今回ばかりは私もKOOLです 思わずラップを歌ってしまいそうです≫



あぁ、僕と同じだね。あのキャラソン面白いし。


いや、そうじゃないから。・・・落ち着こうぜ。COOLでいこうさ僕!



まぁ・・・これくらいは普通じゃない? いくらママと呼んだとしても、本当にそうかどうかなんて分からないわけだし。



まぁ、この子が高町かテスタロッサかハラウオン性を名乗ったら、信じなくちゃいけないだろうけど。




















「うん! 初めまして、高町ヴィヴィオです」




















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なぁぁぁぁぁぁぁぁのぉぉぉぉぉぉぉぉぉはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!




















「や、恭文君っ!? どうしたの・・・なんでそんな怖い顔で笑うのっ!?」

「・・・どういうことかな?」

「どういうことって・・・」

「どうして、この子はフェイトやなのはのことをママって呼ぶのかな? そして・・・なんで高町性を名乗ったのかな・・・?
この腐れ魔王が。フェイトに・・・・フェイトに一体何をしたぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「あの・・・それは・・それはね・・・。お願いだから落ち着いてっ! アルトアイゼンをセットアップしようとしないでぇぇぇぇぇっ!!」











◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆








・・・・・・さて、今日の仕事は終わった訳だが、ヤスフミの奴遅いな・・・・・・何やってんだ?






≪・・・仕方ない。マスター、先に帰っておこう。この調子だと、ヤスフミは買出しが遅くなることになる。マスターの飯も無くなるぞ?≫


・・・・・・うわ、二日続けてそれは嫌だな・・・・・・よし、先に帰るとするか。


そう考えると、俺は隊舎の駐車場に止めてあるバイクを取りに行った。そこには、渋い黒色のバイクが停められている・・・俺が乗っているバイクで、機種はホンダ・VTR1000だ。


実は、ヤスフミから借りたDVDの中にこのバイクが使われていたため、それに惚れて購入を決意したって訳だ。既に地球では販売が終わっていたらしいが、こっちでたまたま中古を発見したので、安く買うことができた。

ちなみにデザインこそそのままだが、エンジンなんかはミッドチルダにあわせたものになっている。バイク屋の親父が趣味で弄ったらしいが、出来は上々だ。整備なんかも、その親父を頼っている。


さて、買出しに出かけるとしますか・・・・・・


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



僕とアルトは、あの衝撃に満ち溢れたお昼休みを終えて、そこから本日の仕事を無事に終了。今は、六課隊舎の談話室でくつろいでいる所だった。まぁジンが気になるけど、合鍵は渡してあるし大丈夫でしょ。

そうして思い出すのは・・・あの衝撃の時間。



いきなりかまされたダイレクトパンチはなかなかに強烈だったもの。


なんてったって、フェイトはともかく、あの高町なのはをママと呼ぶ少女がいきなり現れたのだから。

『マ』王や悪『マ』なら知ってるんだけど、『マ』『マ』で続けてくるとは・・・・。しかもカタカナ。決して『魔魔』ではない。もちろん『魔々』でもない。

いやぁ、『事実は小説より奇なり』とはよく言ったもんだよ、ウン。



みんなになだめられて、なんとか落ち着いた僕は、その場で少女・・・じゃなかった、ヴィヴィオが何者であるかの説明を受けた。


ヴィヴィオは、もともと自分たちが保護していた少女で、なのはが保護責任者。フェイトが後見人になっており、それで自分たちのことをママと呼んでいるのだと説明された。

そしてその後、みんなで隊舎に戻って、お互いの仕事を再開したのだ。


アルト、なのはがなんか必死だったけどどうして? すごい勢いで捲くし立てられたよ?

『絶対に変な誤解しないでね。お願いね。フェイトちゃんは後見人をしてくれているだけなんだよっ!?』って、しつこいくらいに念押しされたし。



≪気のせいですよ。高町教導官はいつもいつでも本気で生きているコイツ達みたいだからそう思えるんです≫

「そっか。それなら納得だ」

≪自覚、ないんですね≫

「なんか言った?」

≪いえ、別に≫










そうして、さらに詳しいことも説明された。










「・・・なるほどね。養子にしようとしているわけですか」

「うん。ヴィヴィオと約束したんだ。『私はヴィヴィオのほんとのママじゃないけど、ほんとのママになれるように努力する』って」

「そっか。ねぇ、なのは」

「なにかな?」

「色々と大変だったんでしょ?
だったら、ヴィヴィオとの約束をちゃんと守れるようにがんばらないとね。ま、出来る事があったら手伝うよ。もちろん有料で」

「ありがとうね。・・・って、有料っ!?」

「当然だよ。僕に対して依頼するなら、美味しいケーキくらいは奢ってもらわないとね」

「・・・そっか。うん、そうだね。だったら、とびっきり美味しいケーキをご馳走するから、なにかあった時には、助けてね」

「りょーかい」

「約束したからね? 破ったら許さないから」










そう言って、なのはは満面の笑みを浮かべてた。

その時のなのはは、すっごく嬉しそう・・・とは違う、なんかいつものなのはとは違う感じがしたのだった。

そりゃ色々とあるよなぁ。だって、なのはは未婚&未成年。それに輪をかけて、あの女は一回墜ちて大怪我してるわけだし。

・・・それで子どもを一人引き取ろうっていうのは並大抵の決意じゃない。

それをやってのけようとするだから、やっぱり高町なのはという女はすごいよ。ウン。絶対に口に出しては誉めてやらないけど。





≪でも、ヴィヴィオさんもとてもいい方でしたね≫

「そうだね。素直そうで可愛くて、あーでもなんとなく強情そうな感じは受けたかな」

≪それは仕方ないでしょう。なにしろ、あの高町教導官の娘さんなのですから≫



その後、改めて僕とヴィヴィオは自己紹介をして、友達になった。それがどんな具合だったかと言うと・・・・。










「・・・恭文さん、これからよろしくおねがいします」

「うん、よろしくねヴィヴィオ。あー、でも僕のことは呼び捨てでいいよ? 敬語も無し」

「え? でも・・・・」

「僕が年上とか、そういうのは気にしないで欲しいな。僕もアルトも、ヴィヴィオと友だちになりたいしさ。ね、アルト」

≪そうですね、私もヴィヴィオさんと友達になりたいです。なので、気軽に呼んでください≫

「そうだね。呼び捨てで『恭文』って呼んでくれたらうれしいな」

「・・・・なのはママ」

「うん、大丈夫だよヴィヴィオ。恭文君のお願い、聞いてあげて欲しいな」

「・・・・わかった。これからよろしくね恭文! アルトアイゼンもよろしくね!!」

「こちらこそよろしくねヴィヴィオ」

≪よろしくおねがいしますヴィヴィオさん≫










以上、回想パート2お終い。


しっかし、こうやって色々と振り返るとホントに色んな事があったよね。なんかちかれた・・・・。





≪確かに、濃い二日目ではありましたね。でも、明日からも六課での日々は続きます。しっかり休んで、明日からも頑張りましょう≫

「へいほーい、頑張るとしましょー。・・・アルト、その返し、明日も続けるつもり?」

≪まぁ、私が飽きるまでは≫





いつ飽きるのかトトカルチョしても面白いねぇ。まぁ、やる相手居ないけど。



そんなことを考えていると・・・談話室のドアが開いた。そう、白いあのお方の再登場である。





「ゴメンね二人とも、お待たせっ!!」

「なのは、デートに遅刻するのはマナー違反って知ってる?」

≪全くです≫

「デートじゃないよねこれっ!!」

「当然でしょ。つか、誘うならもうちょっと気の効いたとこ誘うし」

≪全くです≫

「・・・本当に相変わらずだよね。恭文君もアルトアイゼンも」





なのは、誉めるならもっとちゃんと誉めて欲しいよ。とりあえず、頭を抱えるのはやめて。





「誉めてないから。・・・と言いますか、大事な話ってなに?」

「そうなんだよ。実はすっごく大事な話があってね」





そう、べつにただくつろぐためにここに居たわけじゃない。


・・・高町なのはにちょっとしたヤボ用があったのだ。





「なのは、正直に答えて。今の身体の調子はどんな感じなの」

「え?」

「だーかーらっ! 僕がここに来た理由、分かってるでしょ?」





そう、僕がここに来たのは、目の前に居るバカが無茶やらかしてくれたおかげだ。





「バカってひどいよっ!」

「ほう、じゃあバカと言われないようにしっかり配慮した上で無茶したのかな?」

「・・・ごめんなさい。配慮しませんでした。かなり無茶苦茶しました。謝るからそんな怖い目で私を見ないでください・・・うぅ」



まったく、最初から素直になればいいのである。ツインテールじゃないんだから、下手な反撃などしないでほしい。



そこに萌えはないのだからっ!



「恭文君、久々なのに随分とひどいね・・・」

「嫌だなぁなのは。これが僕の愛なんだよ愛」

「もうちょっと優しいのが欲しいよ」

「ユーノ先生から貰えばいいじゃないのさ」



僕が今言ったユーノ先生というのは、現在、本局にある『無限書庫』という半端じゃなくデカイデータベースの司書長と、考古学者という二束のわらじを履いている人だ。


ただ、司書としての仕事も、考古学者としての仕事も、どちらも局や外の評価は極めて高い、とても優秀な人なのだ。

本人は、どっかの砲撃バカと違って控えめで温和な性格で、僕もその人柄に惹かれて、師匠と先生以外で尊敬し、『先生』と呼んでいる。



つまり・・・教えをこうに相応しい人物として認識しているのだ。



「そんなのダメだよ。ユーノ君は友達なんだし」



・・・補足事項を一つ。ユーノ先生は、高町なのはの事が好きです。ただし・・・。

なのは本人は気付いていない。空気化というか、仲のいい友達としてしか認識していないのだ。



「うん・・・そうだね。ごめん、忘れていたよ。ユーノさんだって年頃だし、他に相手居るかもしれないもんね」

「でも、そんな話まったく聞かないんだよね。ユーノ君大丈夫なのかな?」



お前の神経と鈍感さよりはマシだよと思ったそこのあなた。・・・正解です!



「ユーノ先生の今後のことより、自分の身体のこと心配しなよ。で、どうなの?」

「あぁ、それならもう大丈夫だよ。うん、元気元気!」



そう言って、なのははガッツポーズなど笑顔でかます。・・・そうか、そうなんだ。それはよかった。



「それならなのは、今から出す選択肢のうちどれか一つを選んで。
通常モードで斬られるか、僕の拳でどつかれるか。見よう見真似のサブミッションをかけられるか。さ、どれか一つだけ選んで」

「なんでいきなりそんな話にっ!?」

「当たり前じゃボケっ! 大丈夫の一言で済んだら、僕とジンがここに居るわけないし、そもそもリンディさんやはやてから出向の話なんで出るわけがないでしょうがっ!!
もし本当にそうなら今すぐトンズラこいてエーゲ海でバカンスかましたいんだよこっちはっ!!」



そんな対外的なこと聞くために、スーパーのタイムサービス逃してまでここに居るわけじゃない。ちゃんとしておかなきゃ意味ないのよ。

僕とジンが、これ以上なのはや師匠に無茶させないために居るってこと、忘れないでほしい。・・・ジンは僕が巻き込んだんだけどね。



「・・・うん、そうだね。ごめん」

「謝らなくていいから選んで。・・・あぁ、なるほど。『アレ』で吹っ飛ばされるのがお好みなのかな?」

「『アレ』は本当にシャレが効かないからやめてっ! 正直に答えますからそれだけはやめてください・・・」



・・・まったく、最初から素直になっていれば、命だけは助けてやったものを。



「どっちにしろ死亡確定っ!?」

「いいじゃん、人間はいつか死ぬ。これは真理なんだから」

「そんなもっともらしい事言ってもなにも変わらないからっ!!」



・・・・こんな漫才をしつつもなのははちゃんと話してくれた。


いかに自分が愚かでどうしようもなくダメな存在かという懺悔を。



「そんなこと言ってない!」

「ブラスターシステムやら使って無茶しまくった人間に反論の余地はない。それもリミット3まで開放して長時間発動? ばっかじゃないのっ!?」

「う・・・」

≪しかも、話を聞く限り相当無茶な使い方をしていますし。まぁ、あの後、ヴィータ師匠やシャーリーさん達から詳しい話を聞いたので、事情もある程度は把握しました。
ですが・・・自殺行為もいい所でしょう≫

「そうだよ。まぁ、その場に居なかった僕が言えた義理じゃないけど、そういう無茶は本当に自重して。
なのはがよくても、フェイトや師匠。はやて達が平気じゃないんだから」

「・・・はい」



本当にそうして欲しい。まぁ、止めてもまたやるべき時になったらやっちゃうんだろうけどさ。

それでも・・・。



「僕が来た以上、そんなバカな真似したらどんな状況でも後ろからぶった斬って退場してもらうから」

「えぇぇぇっっ!?」

≪当然です。・・・あなた、私とマスターの友達となった彼女を泣かせるつもりですか?≫

「そんなことしないよっ!」

「なら、一人で突っ走らないで、もっと周りの人間を頼りなよ。
またいつぞやみたいに落ちるつもりがないなら余計に。アレだって、話に聞く限り今と状況似たり寄ったりでしょうが」

「恭文君・・・」

≪マスター、そんな事を言っても仕方ないでしょう。怪我した以上、後の祭りなんですから≫

「あぅ・・・」





はっきり言って、僕はいい。戦いの中で傷付くのは、ある意味じゃ当たり前の事なんだから。

その場に居なかった戦いの傷について、あーだこーだは言いたくない。

でも、フェイトやら師匠達が本気で心配していて、辛い顔を浮かべているのは、見てて気分がよろしくない。



それだけじゃなく、アルトが言った通りに、あの可愛らしい女の子が泣くのはアウト。あんな事情があるなら余計にだ。



・・・これは、ここに来るまでの間に、たまたまロングアーチのオフィスに来ていた師匠、それにシャーリーやアルトさん達からも詳しく聞いたこと。というか・・・確認?

なのはがこれだけの無茶をしたのは、ヴィヴィオを助けるためだったそうだ。



六課隊舎が陥落したとき、保護されていたヴィヴィオは、スカリエッティにさらわれた。



さらった理由は、ヴィヴィオが人造魔導師素体。ようするに、クローニング技術の応用で、人工的に生み出された存在だから。

それも、元になった遺伝子は・・・300年前の古代ベルカの時代の人間。

しかも、ヴィヴィオはその時代に存在していた、何かしらの固有スキルまで保持しているそうだ。



それを狙って、ヴィヴィオをあの変態ドクター(友達談)をさらった。

で、その時には母親としての情に目覚めていたなのはは、助け出すために無茶をして・・・ということだそうだ。



今のヴィヴィオにとって世界の大半は、なのはで出来ている。なのはが傷付くっていうのは、あの子の世界そのものが傷付くのと同意義だと思う。

そういうわけだから・・・。





「僕の平穏とフェイト達の笑顔、それになにより、ヴィヴィオとの約束を本気で守りたいと思うなら無茶は控えて。
まぁ、言った以上は僕もアルトも、なにかあったら必ず助けるし、守るから。これは六課に居る間だけじゃない。解散した後もだよ。・・・OK?」

「・・・わかった」

≪なら、問題ありません≫

「・・・恭文君、アルトアイゼン。来てくれてありがとう。正直、心強い」



そんなこと言うなんて・・・バカじゃないの。



「当然でしょうが。友達なんだからね」

「うん!」










そうして、なのはとの緊急対談は終了した。ま、元気そうでちと安心したわ。そうでなくちゃいぢめ甲斐がないし。

なにより、まだじーさんばーさんでもないのに、知り合いの葬式に出席なんてごめんだ。



ちなみに・・・この話にはオチがある。




















「・・・・なんにもない」

≪仕方有りません。閉店間際ですから≫





なのはと散々っぱら話をしていたおかげで、家の近所のスーパーの食料品が・・・全滅していた。


つまり、これは・・・。





≪明日も食堂で朝ご飯ですね。マスター≫

「・・・だね」





とりあえず、明日になったらあの横馬をもう一回いぢめよう。


そうしないと・・・このストレスは晴らせないんだぁぁぁぁぁっ!!








・・・・・・そう思って家に帰ると、ジンが僕が遅いのを気にして夕食やら材料やらを買い込んでくれていた・・・・・・ありがとう、本当にありがとう!!




でも、横馬をいぢめるのは決定事項だけどね♪




(第4話に続く)







おまけその1:新しい家


「・・・ジン、ここのオーナーがさ、僕の隣の部屋が空いているから使ってもいいってさ。」


・・・それはありがたいんだが・・・書類とかはどうするんだ?


「あぁ、気にしなくていいよ。後で僕が書類を持ってくるから、ジンはそれにサインするだけでいいし・・・ほら、鍵。」


・・・オーナーの人に、お礼したほうがいいよな?


「う〜ん、そういう事気にする人じゃないけど・・・なんか送りたいなら、僕に言ってね。」


・・・わかった・・・ありがとな。





おまけその2:ウソ予告3部作




・・・・・・それは、突然の出来事だった・・・・・・


「・・・・・・ジンが・・・・・・行方不明?」

「そう、私達が駆けつけた時には・・・・・・・・・これだけしかなかったの。」

≪・・・・・・私は、マスターを護りきれなかった・・・・・・≫


・・・・・・そして、それが・・・・・・始まりだったんだ。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「ティア、大丈夫!?」

「なんとか・・・・・・でも、こいつらはなんなのよ!?」


・・・・・・私たちの目の前いるのは・・・・・・動物のような異形の存在・・・・・・必死に戦っているけど、こっちの攻撃が通用していない・・・・・・


「きゃあっ!!」

「ティアッ!!」


その時、私は異形に吹き飛ばされてしまう。スバルは私を助けようとするが、それよりも早く近づいた異形の刃が、私に振り下ろされようとしていた。


・・・・・・イヤァッッ!!





ブロォォォォォン!!





その時、黒いバイクが現れて異形を吹き飛ばす。このバイクって・・・・・・


「・・・・・・大丈夫か?」


バイクに乗っている人物はそう私に問いかけると、ヘルメットを外す・・・・・・そこから現れたのは・・・・・・


「・・・アンタ・・・無事だったの?」

「あぁ・・・・・・スバル、ティアナを連れて逃げろ。ここは俺が引き受ける・・・・・・」

「ちょ、ちょっと待ちなさいよっ!?デバイスも持っていないアンタが・・・・・・あぶないっ!!」


その時、異形から光弾が放たれ、ジンの身体が爆風に包まれる・・・・・・ウソ・・・・・・


「・・・・・・お前にだけは、この姿を見られたくなかったんだけどな・・・・・・」


私に駆け寄っていたスバルも、私も目の前の出来事が信じられなかった。

爆風の中から現れたのは・・・・・・緑色の身体に、悪魔のような角と真紅の瞳を持った・・・・・・バケモノ、だった。



そして、その姿を見た異形が、私達にも聞き取れるような言葉で呟いた。


『アギト・・・・・・いや、ギルスか・・・・・・』



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・・・・なんのつもりだ、ヤスフミ?」


・・・・・・うっさいよ、人に心配ばかりかけさせるんじゃないって。

≪そうですよ。バルゴラだけじゃない・・・・・・六課の皆、あなたのことを心配しているんですよ?≫


「・・・・・・けど、今の俺が居たら・・・・・・」






ぐだぐだいってんじゃないよ、僕はティアナに約束したんだ。お前を必ず連れ戻すって・・・だから・・・



「なんでアンノウンが現れたり、お前がギルスになっているのかは知らないけど・・・・・・とにかくぶった切ってでも連れて帰る。覚悟しろ。」

≪そうですね。自分の勝手で女の子を泣かせるような人には・・・痛い目を見てもらいましょうか。≫



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「・・・アンタ、バカよね・・・ヤスフミから全部聞いたわ。」


・・・ティアナ・・・お前・・・


「・・・私達が危険になるから、自分から遠ざかって1人で戦う?・・・ふざけんじゃないわよ。そんなことされてもねぇ・・・うれしくもなんともないわよ!!」


・・・・・・はっ、きつい言い方だな。


「当然よ。私は守られるだけなんてイヤ・・・アンタが戦うって言うなら、私もその隣で一緒に戦うわよ・・・・・・・・・これ以上、私に大切な人が居なくなる気持ちを味あわせないでよ・・・・・・」

≪・・・今回ばかりは、私もティアナに賛成だな。マスターは突っ走りすぎだ。≫


・・・あぁ・・・悪い。


「・・・ま、文句はまた後で言うとして・・・今は、こいつらを蹴散らしましょうか?」


ティアナが視線を前に向けると、そこには異形・・・アンノウンが武器を構えて立っていた。その数は・・・20は軽く超えるな・・・。


けど、なんでだろうな・・・今の俺は、負ける気がしない・・・ティアナを・・・守りたいから・・・


俺が意識を集中すると、俺の腰には・・・金色のベルトが現れる。それは、ギルスのベルトとはまた違い、どこか神々しさを放っている。



「・・・変身っ!!」



そして、俺は黒い体に金色の鎧を纏い、金色の角と真紅の瞳を持った戦士・・・「仮面ライダーアギト」へと姿を変える。


「・・・クロスミラージュ、バルゴラ、いくわよ・・・セットアップ!!」


するとティアナも光に包まれて、バリアジャケットに包まれる・・・普段と違うのは、ジャケットの白かった部分が俺のバリアジャケットみたいになっている事・・・そして、ティアナは右手にバルゴラを、左手にクロスミラージュを構えた。


『・・・なぜだ・・・なぜ我々の邪魔をする・・・我々は、人間を守っているのだぞ?』

「うっさいわよ。私達はアンタ達を必要としていない・・・自分の身くらい、自分達で守れるわ。」

≪・・・それと覚悟しろ。お前達は敵に回してはいけない人達を敵に回した・・・恋する乙女は・・・無敵なのだぞ?≫


アンノウンの言葉に、ティアナはバルゴラを肩に担いでそう啖呵を切る・・・・・・バルゴラ、一言余計だ。


『そうか・・・ならば仕方がない・・・我々は、我々の使命を遂行するだけだ。』


そう呟くと、アンノウンは俺らに襲い掛かってくる・・・行くぜ、ティアナ?


「えぇ・・・」


俺とティアナは頷きあうと、アンノウンに向けて突っ込んでいく。

・・・ヤスフミじゃねぇけどよ・・・見せてやるぜ、俺達のクライマックスをっ!!




とある魔道師と軌道六課の日常・外典

〜SPIRIT of ΑGITΩ〜



・・・覚醒(めざ)めろ、その魂・・・


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・アンノウン事件も収まりを見せ始めた頃・・・それは起こった。



「へぇ・・・発掘に行くんだ?」

「うん・・・久しぶりだから、楽しみだよ。」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


・・・始まりは、一つの予言。



「・・・新しい予言が出たって、ホンマか、カリム?」

『えぇ・・・それで、あなたにも目を通していてほしいの。』


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


・・・忍び寄る、新たな脅威。



「おい、ヤスフミ!!あれは・・・」

「・・・ほんとにどうなっているのさ?今度は・・・グロンギが出るなんて!?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

・・・そして、伝説が甦る。



【・・・汝、いかなる力を望む?】

「・・・僕は・・・皆を・・・なのはを守れる力が・・・ほしい・・・」

【いいだろう・・・我が力、汝に預けよう・・・】



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

――――――古より甦りし究極の闇が世界を包む時・・・数多の世界は無限の闘争に包まれる――――――


「ユーノ君、どうしてここに!?」

「なのは、早く逃げて・・・変身!!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

――――――それを防ぐは古代の力を持ちし守護の戦士――――――


「・・・冗談じゃないよ、一刻も早くユーノ先生を止めなきゃ・・・」

「どうして?ユーノ君じゃなきゃ、グロンギを倒せないんでしょ?」

「・・・あのクウガが俺らが知っているクウガと同じものなら・・・どでかい爆弾が一つあるんですよ。」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

――――――だが、気をつけよ。聖なる泉はいずれ枯れ、凄まじき力を持つ闇に戦士は飲み込まれる――――――


「・・・おいヒロ、何作ってんだよ?」

「ん?『対アンノウン用汎用バリアジャケット』、その試作型・・・だけど?あ、テストよろしく。」

「・・・これ、まんまG3じゃねぇか!!しかも、装着するの俺!?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

――――――闇に囚われた戦士を救うのは、不屈の心を持つ天使の涙のみ――――――


「ガアァァァッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」

「やっぱりか・・・バルゴラ、行くぞ。」

≪了解した、マスター。≫

「ちょ、ちょっと!!何する気!?」

「決まってんだろ?ユーノさんを止めるんだよ・・・変身!!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

――――――戦士が光を取り戻さねば、世界は終焉に向かうだろう――――――


「グルルルゥゥゥ・・・」

「・・・ユーノ君・・・もういいから・・・元のユーノ君に戻ってっ!!」

「・・・・・・・・・ナ・・・・・・・・・ノ・・・・・・・・・ハ・・・・・・・・・?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


――――――天使の涙が戦士の心を癒し、戦士が再び目覚める時――――――


「・・・僕は、なのはの笑顔を守りたいんだ・・・それと・・・この戦いが終わったら、なのはに伝えたいことがあるんだ・・・聞いてもらっていいかな?」

「うん・・・待ってるから、無事に帰ってきてね?」

「わかった・・・行ってきます。」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

――――――闇は祓われ、光が世界を包むだろう――――――

【・・・俺は、二度と目覚めぬはずだった・・・それを甦らせたのは、貴様らリントだ・・・】

「それについては否定しないよ・・・だから、僕の手で君は封印する・・・必ず!!」

【・・・なぜそこまでして戦おうとする?】

「僕は、なのはを・・・みんなの笑顔を守りたいだけだ!!」

【・・・それが、リントの強さか・・・ならば、我が闇を祓って見せろ!!】

「言われなくてもそうするさ・・・僕は・・・『クウガ』だから!!」


とある魔道師と軌道六課の日常・外典

〜LEGEND of KUGA〜



――――――守護の戦士、その名は・・・空我――――――



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・それは、一つの出会い・・・


「お兄ちゃん、どうしたの?」

「・・・お前は・・・」


・・・そして、新たな戦いの始まり・・・



「アルト、これって・・・」

≪はい・・・どこからどう見ても、ラウズカードですよ・・・まったく、最近はどうもおかしいですね。≫



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「ダメージはあるはずなのに・・・それでも向かってくる!?」

「これが、アンデッド・・・なぎ君が言っていた通りだ・・・」

「ギン姉、じゃあどうするの!?」

「で、こっちは・・・ゴキブリ!?」

「・・・フリード、ブラストフレア。ゴキブリは・・・綺麗さっぱり焼き尽くさなくちゃね♪」



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「ヤ、ヤスフミッッ!?」

「恭文さんの姿が・・・変わったです!?」

≪・・・というか、なんで私はそのままなんですか。いや、ラウズカードの認識システムが追加されているのにはびっくりしますが。≫

「・・・・・・・・・やっと。」

「「≪やっと?≫」」

「やっとフェイトより身長がでっかくなったぁぁぁっっっっ!!!!!!!」

「「≪いや、最初の感想がそれ(ですか)!?≫」」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「まがい物の聖王さえ手に入れば・・・あの力が俺のものになる・・・だから、そいつをよこせ。」

「ハジメさん・・・怖いよ・・・」

「心配するなヴィヴィオ。お前は俺が守る・・・変身。」

『CHANGE』

「ハッ、ジョーカーともあろう存在が、人を守るだと?笑わせるな!!」

「・・・違う、俺はジョーカーではない・・・俺は、『カリス』だ!!」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




【・・・貴様らに何が出来る?もはや、世界は俺のものだ・・・】


フォーティーンと一体化しているソイツ・・・『アルビノジョーカー』は馬鹿にしたような口調でそう言う。

・・・バカにしてもらっちゃ困るねぇ。それに、ラスボスの巨大化は、死亡フラグなんだよ?


「お前こそふざけんな。僕らはねぇ・・・最初から最後までクライマックスなんだよ!!」

≪見せてあげましょう・・・輝く勇気を受け継いだ、私達の力を!!≫


そして、僕は1人じゃない・・・信頼できる仲間が・・・「仮面ライダー」が居る!!



「・・・まったく、ヤスフミだけじゃ危なっかしいぜ・・・そう思わねぇか、バルゴラ?」

≪マスターの言うとおりだが・・・二人のノリ補正は、素晴らしいからな・・・≫

「・・・それじゃ、さっさとアイツを倒そうか。」


左側には、バルゴラを構えて金色のベルトを腰に巻いたジンが、右側には銀色のベルトを巻いたユーノ先生が居る・・・



・・・これだけ主役補正がかかっていて、負ける訳がないんだよ!!それじゃ、皆でいきますか!!


「「「変身っっ!!」」」

≪CHANGE≫

その掛け声と共に、ジンの姿は「仮面ライダーアギト」に、ユーノ先生の姿は「仮面ライダークウガ」に、僕の姿は「仮面ライダーブレイド」に変わる。


・・・そして、僕はアルトの切っ先をフォーティーンに向ける・・・

「さぁ・・・こっからは正真正銘のクライマックスだ!!」

≪あなた、倒しますけどいいですよね・・・もちろん、答えは聞きませんけど。≫

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「でも、そんなことをしたらあなたが!!」

【俺のことはいい・・・早くしろ、タカマチナノハ!!】






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



ジンとユーノ先生が作ってくれたチャンスなんだ・・・ここで失敗するわけにはいかない!!


≪SPADE 10 JACK QUEEN KING ACE・・・ROYAL STRAGHT FLUSH・・・マスター、思いっきりぶちかましてください!!≫


僕の目の前に、5枚のカードを模した魔力が、14に向けて現れて・・・ラウズカードの力で増幅された金色の魔力が、アルトの刃に収束されて、光の刃となる!!



いくよ・・・僕達の必殺技・スペシャルバージョン!!



「鉄輝一閃・超ぅ・・・絶っ!!」




とある魔道師と軌道六課の日常・外典

〜BLADE of BRAVE〜

・・・研ぎ澄ませ、勇気の刃・・・


「・・・なんでヤスフミはあそこでへこんでいるの?」

≪・・・変身が解けたら、元の身長に戻ったからですよ・・・変身時に身長が伸びているほうがおかしいんですけどね・・・≫




公開・・・未定



あとがき




ジン「・・・・・・おい、何なんだよこれ。」

バルゴラ≪なにがだ?≫

(質問が分からず、首をかしげるゼ○マスクを被ったSDな某運命G・・・想像してみるとシュールですね。)

ジン「本編はまだいいとして・・・おまけその2だよ!!「ウソ予告」とか「公開未定」書いているけど、完全にガチじゃねえか!!」

バルゴラ≪・・・あぁ・・・そっちか。面白そうだからいいんじゃないか?≫

ジン「・・・いや、確かに面白そうだけど・・・」

バルゴラ≪・・・実は乗り気だろマスター?ティアナともイベントがあるみたいだしな・・・≫

ジン「うるせぇよ・・・というか、ユーノさんやヤスフミも変身するんだな。」

バルゴラ≪そうだな・・・ちなみに、理由は以下のような感じだ。≫


ジン→アギト:ぶっちゃけ、ティアナ&バルゴラを書きたかっただけ。失踪の原因にディケイドのアギト編が上手く落とし込めそうだったので、ジンをギルスに変身させた。

ユーノ→クウガ:原作でもベルトの発掘するシーンがあったので、ユーノ&なのはをメインに。というか、こうでもしないとユーノを活躍させれない・・・1人で戦おうとするのは、責任感がありそうだから。

恭文→ブレイド:イメージカラーが青&武器が剣ということで。ただ、そのままブレイドになると面白くないと思ったので、ブレイラウザーの機能をアルトアイゼンに追加(アブソーバーはナナタロスで兼用すればおもしろいかも?)。



ジン「・・・なんというか、けっこう適当だな。」

バルゴラ≪まぁ、そういうな。作者もノリで仕上げたようなものだし・・・≫

ジン「んで、これを作者は書くのか?」

バルゴラ≪さぁな・・・手をつけるとしても、「とまと・外典」がある程度進んでからだと思うが・・・コルタタ殿の電王クロスとは違い、こちらはIFのさらにIFなのだからな。≫

ジン「そうだよな・・・それじゃ、今回はこの辺で・・・お相手は、ジン・フレイホークと・・・」

バルゴラ≪バルゴラだ。それでは、次回でまた会おう。≫


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