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頂き物の小説
第二話『口は災いのもとって言うけど…これは予想できないわ』



「しっかし、こうやってみんなでここを歩くのも久しぶりよね」

「そうだね〜。なんか気持ちいいや〜」

「ゆりかご戦の後は事件の報告書の作成や後処理とかで、基本的にはアースラの中でしたし」

「部隊長もおっしゃってましたけど、やっと帰ってきましたね」


そう口々に言うのは、私、スバル、それにキャロとエリオ

…あの事件で壊滅した六課本部がやっと復旧した

事件解決から復旧作業が完了するまでの間、六課主要メンバーは次元航行艦・アースラにそのまま乗艦して事件の事後処理を行いつつ生活していた。

まぁ、アースラでの生活と業務は、艦自体が長期間の次元航行での任務を目的として作られているだけあって、特に不自由は感じなかったけどね。

それでも、ここに戻ってきてなんだか嬉しいというか懐かしいというか落ち着くというか

とにかく、そんな感じだ。なんだか変だな。私、10歳の頃から寮暮らしで、根なし草も同然なのに


「なんだか私、やっと帰るべき場所に帰ってきたって気がします」

「うん、その気持ち少し分かるよ。僕もなんだかここにいるとすごく落ちつく」


どうやら、ライトニングの二人も同じ気持ちのようだ

「懐かしいのも落ち着くのもいいけど、気を抜いちゃだめよ? まだまだやる事は残ってるんだから」

『はいっ!!』


ま、今日くらいは……よくないか。あり得ない奴が一人居るし


「へへへ〜♪」

「なによ、なんかニヤニヤして」


私の隣りでニヤニヤしているのはスバル・ナカジマ

私の長年のパートナーになる。…というか、なんでそんな表情になってるの?


「なんかさー、嬉しいな〜と思って」

「…はぁ?」

「だって、隊舎も復活したし、こうしてみんな無事に帰ってこれたし、新しい人も来てくれたし、いいこと尽くめじゃない?」


両手を大きく広げて、そう口にするスバル

まぁ、確かに言いたい事は解るわよ。ただ…


「隊舎とみんなの無事は解るけど、最後の一つは正直微妙よ。アレはないわよアレは」

言いながら思い出すのは今日の全体朝礼での一幕

今日から六課で仕事をする事になった二人のの男…でいいのよね?
紫色の髪の方は、どこからどう見ても女の子にしか見えなかったけど…

まぁ、いいわ。なのはさん達が言ってたのは栗色の髪の方よね。身長はスバルと同じくらいで細身の体型……って、ちっちゃいわね。あと、女の子っぽい顔立ちで、黒い瞳をしたアイツ

もう片方の身長は、こっちの方がちっちゃかったわよね。負けず劣らずの細身の体型に、どう見ても女の子って思っちゃう顔立ちで、紫色の髪をポニーテールにした紅い瞳の子

年は二人とも私達と同じくらいよね? 正直そうは見えない


「あれは、きっと私たちを和ませようとしてくれてたんだよっ!」

「いや、絶対違うから」


それだけは断言出来る。あれは間違いなく素だ。てーかホントにそれでアレなら、色々と読み間違えてるから


「ライトニングはどうよ。朝のアイツについて知ってることある?」


アイツは、八神部隊長やなのはさん、フェイトさんの友達らしいから、二人は私達より詳しいかもしれないと思って聞いてみる


「すみません、僕達も会った事があるわけじゃないんです」

「そうなの?」

「はい。一応フェイトさんから、一緒に暮らしている弟みたいな男の子が居るとは聞いていたんですけど……」

…へ? 一緒にっ!? つまり…それは


「あ、そういう意味ではなくてですね。なんでも海鳴の家の方に居候…のようなことをしていたらしいんです」

「あぁ、なるほどね」


この二人の保護者で、六課の隊長陣の一人でもあるフェイト・テスタロッサ・ハラオウンという人がいる

その人は、4年前まで、地球の海鳴という街で暮らしていた。その時に同居してたってことか

それで弟みたいだって言っていたのか。納得した

……ってことは、アイツはハラオウン家の親族かなにかってわけ? でも、ファミリーネームが違うし。うーん……


「フェイトさんからは『前にも言ったけど、ちょっと変わっているけど、真っ直ぐでいい子だから、仲良くしてあげてね』とは言われてるんですけど…」

「確かに、変わってはいるかもね」


あの男については、事前になのはさん達から説明を受けている

なのはさんの友達で、あっちこっちの現場を渡り歩いている優秀なフリーの魔導師だと

名前は蒼凪恭文。年は私より一つ上

とは言うものの、魔導師としての腕前は実際には見てないが正直微妙な感じがする。だって、アレだしね……


「そんなことないよっ! すっごく強いんだからっ!!」

「……アンタ、なんでそんなこと言い切れるのよ。つか、知り合いってわけじゃないんでしょ?」


私の諦めも混じった発言は、胸を張って自身満々なうちの相方にあっさり否定された。……また大きくなってる、私なんてまだまだなのに


「だって、あの人は空戦魔導師のA+ランクなんだよ?」

「……空戦Aの+(プラス)ッ!?」

「そうだよ。私達より1.5ランク上」


……魔導師には、能力を示すランクというものがある。

陸戦・空戦・総合の三つの分類に、上から『SSS・SS・S・AAA・AA・A・B・C・D』と言った風に分けられる

あとは、0.5ランクを意味する『+』とか『−』が付いたり

まぁ、あくまでも目安みたいなものなんだけどね。ちなみに、私とスバル、エリオが陸戦B。キャロがCになる

で、新入りの空戦A+というのは、うちの隊長陣とまでいかなくても、なかなかに優秀な方になる

特に空戦……飛行技能を持つ魔導師は、先天的なものか、訓練による後天的なものかを問わず、ある一定以上の適正がないとなれないものだから


「つかスバル、あんたなんでそれを知ってるわけ?」

「ギン姉から聞いたんだよ」


捕捉ね。ギン姉というのは、スバルの姉のギンガ・ナカジマさん。局で捜査官をしている人だ。優秀な陸戦魔導師でもある

……あぁ、そういえば


「ギンガさんの友達でもあるって言ってたわね」

「それで、事前に情報収集してたんですね」

「そうだよ。実力はギン姉の折り紙付き。性格はちょっと変わっててクセはあるけど、大丈夫だって、自信満々だったよ」


あのギンガさんがそこまで言うんだから……実力はそれなりってことか。まぁ、そこは見てからよね。うん


「でもね、ギン姉……『会って仲良くなってからのお楽しみ』って言って、あんまり細かい事は教えてくれなかったの。あー、でも楽しみだな〜。ギン姉の話を聞いてたら、どんな感じか戦ってみたくなってさ。なのはさん達に頼んで模擬戦組んでもらわないとっ!!」

「…アイツの意思は確認しときなさいよ? 強引に話決めたら迷惑でしょうから」

「うん、もちろんっ!!」


アイツも来た早々大変なことになりそうね

まぁ、なのはさんやヴィータ副隊長達がそんなにすぐ許可をくれるとは思わないけど。仕事の都合だってあるし

…もう一つ気になるのは、アイツと一緒にいた少年だ。名前はレイ・カストールだっけ。話によると、アイツと提督の推薦で一緒に配属になったみたいだけど、詳しいことはわからない

ただ、あっちも大変なことになるでしょうね。だって、シグナム副隊長が笑いながら見つめてたから…うん、スバルより厄介かも


それはそれとして、今、私たちがどこへ向かっているかと言うと、デバイスルームだ

一応、訓練の再開前に私達のデバイスの調整と整備をしっかりとしておきたいと言われ、一週間程前にシャーリーさんにパートナー達を預けていた

そして、部屋の前に到着した


「マッハキャリバー元気かなぁ〜。なんかドキドキしてきちゃった」

「あんた、いくらなんでも大げさよ」


とか言いながら部屋に入る


「失礼しまーす」

「失礼するなら帰ってくださ〜い」

「す、すみません! 失礼しました!」


そうして、私たちは全員失礼しないためにデバイスルームから退出し……って、ちょっと待った!!


「ちょっと邪魔するわよっ!!」


再びデバイスルームに突撃する。そして居た。小さい男の子と、どう見ても女の子にしか見えない男の子。更に小さい小鬼が



魔法少女リリカルなのはStrikerS 外伝


とある魔導師と機動六課の日常〜異邦人と古き鉄〜


第二話『口は災いのもとって言うけど…これは予想できないわ』


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

なんで、恭文はネタに走りたがるのか…
相手を確認してからにしようぜ?
どうせ、シャーリーだと思ってしたんだろうけど。ほら、リインが鬼になってるぞ


「……リイン、なんでそんな怖い顔で睨んでるのかな。ほら、可愛い顔が台無しだよ?」

「なに言ってるですかっ!? 怒っててもリインは可愛いんですっ!!」

「自意識過剰に磨きがかかってるねおいっ!!」

「というかっ! どこの世界にあんな事言って追い出す人がいますかっ!?」

「え、吉○新喜劇でやってたよ? というか休みの日にいっしょに見たじゃないのさ」

「……お仕置きですーーー!!」

「いや、だって、てっきりシャーリーかと思って、本当にお客様とは思わな……って、痛い痛いっ! 髪の毛引っ張るなぁぁぁぁっ!!」


俺から見ると、十分微笑ましいんだが……入ってきた子達が戸惑ってるし、どうしようか…


「あ、みんなどうしたの〜」

「あ、シャーリーさん」

「えっと、マッハキャリバー達を受け取りにきたんですけど」

「あのありさまで……」

「なんであの方がここにいるんですか……?」


シャーリーが戻ってきたようだ。助かった、彼女達と初対面の俺より納得する説明をしてくれるだろう。恭文が悪いのは分かり切ってるけど


「……あぁ、気にしなくていいよ」

「いや、そう言われましても……」

「さっき、ロングアーチに挨拶に来ててね。なぎ君のデバイスもちょっと見たかったし、ここに連れてきたの。私は今少しだけ出てたから」

「そうなんですか」

「まぁ、どうせなぎ君がなにかしたんでしょ。すぐに終わると思うから、入って入って」


いや、それ説明に…まぁ、いいか。すぐ終わるって考えは俺も同じだし


「それじゃああの……」

「お邪魔します……」


…恭文とリインを多少気にしながら、隊員の子達はシャーリーからデバイスを受け取っていた。先行き不安だと思った俺は間違ってないと思う、うん


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

リインによるお仕置きが終了した後、二人してゼーゼー言いながら、六課フォワード陣と対面していた

リインがあれやこれやとしている間に、フォワード陣のデバイスの受け渡しを完了していた(いつの間に……)

そして、シャーリー先導である場所に移動していた。その間に、簡単な自己紹介をするのも忘れない

そこの名は……食堂

おそらく、これから先一番お世話になるであろう施設だ。食は大事だからねぇ


「そういえば、シャーリーさんとリイン曹長とは知り合いなんですか?」

「親しいみたいですけど」

「うん。リインは魔導師成り立ての頃からの友達だし、シャーリーはフェイト経由でね。
デバイスの事とかで相談に乗ってもらってるのよ。あと、オタク仲間」

「なるほど、納得しました」

「それで、カストールさんはどうしてここに来られたんですか?」

「ん? 恭文がちょっと仕事の後処理に追われてるって聞いてな、手伝いに訪ねた時に恭文経由でクロノに依頼されたんだ。クロノとは三年と付き合いは短いがそれなりに親しくてね、信頼できる人に恭文のサポートを頼みたいって言われたんだ」

「そ、そうなんですか…」


あー、なんかやりづらい。特にチビッ子二人だよ。本気でなに話していいか分からない。僕と比べてレイはすらすらと、ホントよく対応できるよ。


……ねー、聞こえてるよね? ちょっと手伝ってよ。みんなに愛されるあなたの力が必要なのよ、レイでもいいからさ。僕はもう許容量が限界なんですよ

……はい、分かりました。予定通り、自力でなんとかします。あー、まさかいきなり六課での一番の懸念事項にぶち当たるとは。どうしようかこれ


「うーん、みんなかたいなぁ……」

「でも、初めて同士ですから」

「そうですね、これから遠慮が無くなっていきますか。というか、なぎ君相手にそんなことしてたら身が持たないですし」

「です」


二人とも、そういう話なら聞こえないところでやってもらえませんかね? レイもなに頷いてるのさ…まぁいいけど

一応、互いに挨拶は滞りなく(?)終了している。もうすぐ食事時という事もあり、少し早いけど一緒にご飯を食べながら話す事にした。が……

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

……うわぁ、恭文唖然としてるよ。まぁ、俺もビックリしてるけどな
目の前には、超ド級の山盛りパスタにサラダが見る間に消えていく。俺と恭文は驚くしかない


「……なんだこれ?」


恭文が思わず呟く。呟きたくなるよな、これは…


「あんまり気にしない方がいいですよ?」

「スバルもエリオも、いつもこれくらい食べるから」

「この量をいつも完食?」


唖然としている俺と恭文に、補足を入れてくれるシャーリーとリインに、恭文は質問をする。でも、答えは別の方向から返された


「当たり前じゃないですかっ!!」

「ご飯を残すのはいけないことだって、フェイトさんから教わりましたからっ!!」


…まぁ、言ってる事は間違いじゃない。ただ、いくらなんでも量が多過ぎだろう


「まてまてっ! あなた方はあれかっ!! 胃袋が七つあるどっかの犬顔な宇宙人っ!?」

「蒼凪…だっけ? 気持ちは解るけど、気にしたら負けよ」

「大丈夫です。時が経てば、あなたにもこの光景が普通のものに見えてくるはずですから」

「なんか、あなた方悟ってるね」


すると、一緒に座っているティアナ・ランスターとキャロ・ル・ルシエの二人が疲れた表情でそう口にする。苦労してるんだな…

なぁ、恭文…もう気にしない事にしようぜ?

恭文はようやく食べ始め、違う話題を振った。俺はそれを聞きながら同じく食べ始める、うん美味い


「そういやリイン、この4人の教導担当って、なのはと師匠って聞いてるんだけど」

「そうです〜。スバル達は、なのはさん達が鍛えて育てている子達なんですよ〜♪」


恭文の奴、ここはおだててから…なんて考えてないよな?
まぁ、話の切っ掛けにはちょうどいい話題ではあるがな


「ということは…ゆりかごやらスカリエッティのアジトやらで救出作業を行ったのってこの子達かな?」

「うん、スバル達だよ」


「へぇ〜、そうなんだ。つまり、未来のストライカーか。噂は聞いてる、これからの成長がとても楽しみだとクロノも言ってたしな」


これは奇跡の部隊と呼ばれる機動六課の事を話すときに必ず出てくることだ。ゆりかご内やスカリエッティのアジト内に閉じ込められた歴戦のエース達を救出したのは、まだ年端もいかない少年少女達だったと

話には聞いていたが、この段階でこれだけの実力を持っていれば、将来が楽しみだ


「いえ、そんな」

「私達なんてまだまだで」


そう口にするのは、この中で一番の年下である少年と少女

桃色のセミロングになりかけな少女は、さっきのキャロ・ル・ルシエって女の子

で、赤髪で堅苦しい印象が強い男の子の方は、エリオ・モンディアル

年はだいたい10歳前後…この部隊の隊員で最年少となる。これで戦闘機人やガジェットを相手にしたなんて末恐ろしくもある。どんな訓練をしたんだろ?


「なに言ってるですか。恭文さんだって同じくらいの時には魔導師やってたですよ?」


すると、リインが恭文のことに触れる。…そういえば、それくらいからだって聞いたな、本人に


「なかなかに面白い子が入ってきたと、当時のリンディ提督やレティ提督は喜んでたって、フェイトさんから聞いたけど?」

『そうなんですかっ!?』

「えっと、年は17って言ってたわよね。そうすると、魔導師暦7、8年……。私たちよりずっと先輩じゃない」

「あーでも、経験だけあるって話で、なのは達みたいにすごいわけでもなんでもないから。それに、僕よりレイの方がすごいって、ランクはBって低いけど…あれはチートだよ、バグキャラだよ」


…恭文、友達捕まえてチートやらバグキャラって酷くない?


「そうなんですか?」

「……そうでもない。俺より強い人なんて他にもたくさんいるから。ただ、恭文に出来ない事が出来るってだけだよ」

「そんなことないと思うけどね〜。だって、色々噂立ってるじゃない」

「噂……?」


……恭文の噂なら聞いた覚えがあるな


「そう、あるのっ! ある人曰く……なのマ○っ!! あ、なのはさんも寝ているなぎ君は起こさないようにまたいで通る位に強いって意味ね」

『えぇぇぇぇっ!!』


ちょっと待ってっ!?
それは聞いた事ないぞ…あ、恭文が…


「……シャーリー」

「なに?」

ぺシっ!!

「うん、フカシこくのやめようか。あんまり過ぎるとデコピンするよ?」

「い、今したよね? 相変わらず容赦ないなぁ……」

「当たり前じゃぼけっ! あれかっ!? 2話目でこの話終わらせる気だったんでしょっ!!
お願いだからその中途半端なパクリはやめてっ! 権利関係は怖くて痛くてそして強いんだよっ!!」


お〜い…他の4人が唖然としてるぞ
頼むから周りを置いてけぼりにするなよ〜

しかし、シャーリーが感慨深げに呟く


「なんというか、そのツッコミも久しぶりだなぁ〜。私はなんか嬉しくなってくるよ」

「うん、それはいいんだけど本当にやめてね? いや、お願いだからさ」

「まぁでも、優秀なのは間違いないから。私も色々見てたし。……ちょっと変わり者だけどね」

「シャーリー、失礼な事を言うな。僕は世界のスタンダードだよ」


前途有望な少年少女たちよ…これに慣れないとこれからが大変だぞ?


「……あの、蒼凪さん」


すると唐突に、スバルがなにやら神妙な顔つきで恭文に話しかける


「はい、なんですかナカジマさん」

「あ、私の事はスバルでいいです。敬語じゃなくても大丈夫ですから」

「そうなの? ……なら、僕のことも恭文って呼び捨てでいいよ。敬語もなし」

「いいんですか?」

「いいよいいよ。というか、そうしなかったら返事しないよ♪」


うわ、恭文…いい笑顔してるよ。これは…駄目だな、うん。人をからかう時に見せる笑顔だ、しかも質の悪い方の


「そ、それは困るから…恭文って呼ぶね。いい?」

「OKだよ。僕は別に、人から敬語使われたりさん付けで呼ばれるほど立派な人間じゃないし。で、話は何?」

「うんと……恭文って、私のこと知らない?」

「……はい?」


これは…どう解釈すればいいんだ…。恭文はなんかリインと話し出したし…
あの有名な……逆ナンパか?


「違うからっ! いや、だから、私のこと…ギン姉から聞いてない?」


ギン姉?
ああ、ギンガか…確か俺と同じ時期に知り合って仲良くなったって聞いてたな


「あぁ、思い出した思い出したっ!! ……そっか、ギンガさんの妹なんだね」

「そうだよ、私はスバル・ナカジマ。さっき自己紹介したのに、気付いてくれないんだもん。ひどいよ〜」

「うん、今まで忘れてたけど思い出した。ギンガさんからスバルのことは聞いてるよ」

「恭文、それって結構最近の話だよね? なんで忘れるの……」

「だって、朝からトラブル続きだったし」


そりゃ、頭から抜け落ちるよな……黒歴史にして封印したいような出来事だし…


「スバル、なぎ君はこういう子だから気にしない方がいいよ?」

「です。悪い子ではないんですけど、いい子でもないんです……」


……なにか言いたそうな顔してるが、俺も2人の意見には同感だ。それは俺にも言えることだけどな…


「でも、ギンガさんの妹か……。色々と納得した」

「大食いなとことか?」

「あと、妙に距離感が近いというか、強引というか…そんな感じがひしひしと」


ティアナの言葉に恭文が同意する…なんか恭文が仲間を見つけたような眼をしてるけど…何に共感してるんだか


「それでね、一つ質問があるんだけど…」

「なに?」


すると、瞳をキラキラさせながらスバルは身を乗り出して恭文に詰め寄ると一気に捲し立てる


「うんとね、恭文の魔法はどんなの使ってるの? 具体的な戦闘スタイルは? デバイスは?」

「だから、顔近いからっ! 離して離してっ!! というかさ、ギンガさんから聞いてないの?」

「ギン姉は、細かい事は教えてくれなかったの。フロントアタッカーということだけしか…」

「なるほど…」


恭文、少し安心してるな…ま、その気持ちもわかる


「…秘密」


だけど、その切り返しは…理由が分かってるだけに苦笑で済ませるしかないけどな。でも、みんなずっこけてるぞ


「えー、なんで? いいじゃん教えてよ〜」

「と言われましても、そんなに一度に聞かれても答えられません」

「じゃあじゃあ、一つずつでいいからさ。ね?」

「……上から75」

「へ?」

「55」

「え?」

「76だよ」

「それスリーサイズだよね!? 誰もそんな事聞いてないしっ! というか、私より細っ!!」

「そなの? ちなみにスバルはいくつかな」

「えっと、上からはちじゅ…って、なに言わせるのっ!!」

「だって、僕が答えたんだからスバルだって答えなくちゃ不公平でしょ?」


うん、お前はスバルをからかうのが楽しいだけだろ、恭文?


「あ、なるほど…って、なんでそうなるの…! てか、なんでそんなに細いのっ!?」

「知りたい?」

「うんっ!!」


そこまで知りたいのか?
というか、これ…恭文自爆しないか?


「ヒミツ」

「どうしてっ!?」

「男は秘密というヴェールを纏うことで素敵になるのですよスバルさん。……というか、そこは察して。いや、本当にお願いします」

「…あ…うん。その…ごめん」


はぁ…恭文もこれ以上からかうのをやめるだろ。というか今のは完全に自虐だよな?

そう思っていると、恭文がスバルに質問をした


「スバル、なんでそこまで僕の戦い方に興味があるのよ?」

「ギン姉から色々話を聞いてね。それに、恭文フロントアタッカーなんだよね? 私もそうだし」

「…スバル、フロントアタッカーなの?」


恭文の問いかけに頷くスバル。それなら納得だわ、同じポジションの人の戦い方を見るのは勉強になるし

自分との相違点をしっかり見て、自分の戦い方に活かせるかもしれない楽しみがあるのは認める


「でしょ? だから、どんな風なのかなって思ってたんだけど…」

「そんな面白いとこはないよ? 使ってる魔法も近代ベルカ式の比較的単純なものだし。…そういや、スバルも近代ベルカ式だよね」

「そうだよ、シューティングアーツ」

「ギンガさんから教わってたんだよね」

「うんっ!!」


ここで捕捉『ベルカ式』っていうのは魔導師が使う術式の一つで、近接戦闘に特化した魔法形態のことだ

これ以外にも、魔力を操作して様々な事象を起こす『ミッド式』ってのがある


「…で、戦闘スタイルも剣術ベースの近接戦だけど、シグナムさんみたいに使えるわけじゃないし。あ、そういうわけだからパートナーデバイスも剣だね」

「でも、さっきのシャーリーさんの話だと…」

「そんなの大半はホラだから。つか、みんなの方がすごいでしょ。だって、ナンバーズやらガジェットやらとやりあってなんだかんだで勝ってるんだし。なの○タなんて比喩とは違うでしょ」


そういうと、恭文はパスタを口に入れる。あ、俺も食べないとな…お、美味い


「あの、剣術ということは、蒼凪さんは騎士なんですか?」


次に恭文に食いついてきたのは、エリオだ。その眼にはなんか燃えるようなものが見える


「いや、僕はベルカ式使うけど、師匠達と違って騎士の称号はとってないのよ」

「そうなの?」

「うん。なんというか、ガラじゃないしね」


まぁ、恭文は騎士というよりも…うん、侍がしっくりくるな


「でも、剣を使うのはかわりないですよね? …なら、今度模擬戦してもらえませんか?」

「それは、教導官の許可さえあれば僕の方は問題ないけど。……エリオも剣使うのは?」

「いえ、僕は槍ですけど」

「恭文、エリオは騎士なんだよ?」


スバルの言葉に頷くエリオ。なるほど、そういうことか


「はいっ! まだまだ見習いですけど」

「ひょっとして、シグナムさんや師匠やらな騎士の先輩に憧れたりする?」

「はいっ!」

「で、目標に近づくために、もっともっと色んな経験しなきゃいけないし、強くなきゃいけないとか思ったりする?」

「はいっ!」

「…うん、なら納得だわ。もちろん教導官達の都合さえ良ければだけど…相手になるよ」


そういって恭文が笑顔で返事をすると、エリオはまた嬉しそうな顔をした…そこまで嬉しいのか、なら…


「エリオ、お前さえ良ければ俺も相手になってやるよ。槍も剣も使えるし、なんなら斧なんかも使えるから色んな戦い方の研究にもなるだろうしな」

「は、はいっ! ありがとうございますっ!!」

「よかったね。エリオ君っ!!」

「うん」


うん、嬉しそうだ。なんか、恭文に睨まれてるけど…気にしないでおこう。あえて、視線の内容を明確にするなら『トラウマを植え付ける気か?』だ

そんなに俺は鬼に見えるのか?


「あ、それなら私も模擬戦やりたいんだけど!」

「スバルと? いいよ〜、って僕だよね?」


まぁ、確認するわな。俺もエリオと模擬戦すること約束したし


「恭文とレイの両方だよ。というか、いいの?」

「待って、なぜ確認するの?」

「だって、なんか急に素直に答えたし。さっきは『秘密』ってはぐらかしたのに」

「…あぁ、そっか。いやだなぁスバル。いじめて欲しかったならそうだって言ってくれ」

「怒るよ?」

「…ごめんなさい。ちょっと調子乗り過ぎました。なので、その拳と単色の眼は引っ込めてもらえるとありがたいです、はい。特に拳が痛そうだし」

「恭文さんが普通に相手すれば、スバルさんはそんな事しませんよ?」

「そうだよ〜。…で、なんで急に素直になったの?」

「別に〜。エリオはOKしといて、スバルだけダメってのはいくらなんでも意地が悪すぎでしょ。僕も腕が鈍るのは嫌だし、定期的な模擬戦はむしろ歓迎だよ」


それは俺も同感だ。何より、あの人達と比べると俺もまだまだだしな。少しでも腕を上げないと…というか、鈍りでもしたら後が怖い


「ホントに?」

「ホントだよ」

「そっか。恭文、ありがとっ!!」


…おかしいな、なんかスバルの腰に犬の尻尾…柴犬か?
そして、ぶんぶん尻尾を振り回しているのが幻視えたんだが…疲れてるのか?


「まぁ…あれよ。諦めなさい。スバルに興味を持たれた時点でこうなるのは決定事項だから」


諦めろと言わんばかりの表情を浮かべるのは、ティアナ。かなり長いことスバルとコンビを組んでいるらしいが…その苦労のほどがわかる。というか、恭文…なに考えてるかだいたい予想がつくぞ


「飲まないわよ。…あと、私もティアナでいいわよ」

「思考を読むのやめない?」

「あ、私もキャロで大丈夫でせから」

「うん、そんなに僕の考えてることは分かりやすいのかな? …いや、答えなくていい。もうわかったから」

「…それと、カストールだっけ? あんたも私達のこと呼び捨てでいいわよ? 私も呼び捨てにするから」

「お気遣い痛み入る。俺の性分としては敬称をつけるのは違和感があるからな」

「…あまり、変わらないわね」

「まぁ、それが俺って事で。改めてよろしく」


そういうと、俺はティアナと握手を交わす。うん、なんかなか良くできそうだ


「しかし…スバルもシグナムさんやレイと同じ人種だったのか。うん、仲良くできそう」


そんな時、恭文がポツリと呟く。まぁ、なんだ…戦うのは好きだが、俺は周りを気にするぞ?
一緒にされるのは嫌なんだが…

そんな感想を抱いていると、スバルが反応する


「どういうこと?」

「だから、戦うのが大好きなバトルマニア」

「違うよー! 私は、戦うこと自体は好きでもなんでもないよっ!?」

「嘘だっ! そういうことを本気で思ってる人間はね、初対面の人間と模擬戦やることになったってそこまで嬉しそうな顔はしないんだよっ!!」


…それには同感だ。いくらなんでも、あの喜びようは好きだと言ってるのと同じだよな


「別に…そういう訳じゃないんだけどなぁ」

「じゃあ、どういうわけなの?」

「うんとね、さっきも言ったけど、ギン姉から色々聞いてて、どんな感じかすっごく気になって、それで…」


…恭文、納得してるとこ悪いが…これはバトルマニア特有の言動だぞ?
無自覚なのが恐ろしい…


「ね、それでいつする? 私は今日この後すぐでも大丈夫っ!」

「まてまて、身を乗り出すなっ! …いくらなんでも教導官の許可無しでいきなりやるわけにはいかないでしょ」


…これ、自覚させた方がよくないか?
なんか、嫌な予感が消えないんだが…


「まずは教導担当のなのはなり、ヴィータ師匠の許可をちゃんと取ってくる事。許可さえあれば、教導官権限で仕事の方はなんとかなると思うし、僕は身体さえ温めれば今日でも動けるから」

「わかった。じゃあ、絶対に許可取ってくるから、そうしたら必ず相手してね」

「いいよ〜。約束するからいつでも来なさい。むしろ待ってるから」

「うんっ!」

「…あぁ、それと」

「なに?」

「もし、師匠達が許可をくれない雰囲気だったら、僕に話してくれるかな? 僕からもスバルと模擬戦やってみたいって言えば、多少はなにか変わるかもしれないから。エリオも同じだよ。…まぁ、やると言った以上少しは協力しないとね」


それを聞いたスバルは、一瞬キョトンとした表情を浮かべるが、意味が分かるとすぐに笑顔になった
心の底から嬉しそうに…これ、フラグじゃないか?


「うん、ありがと恭文っ!! …秘密とか言わずに、いつもそう言う風に優しくしてればいいと思うよ」

「気にしないで」


そうして、恭文とスバルは握手を交わした。…やっぱり犬の尻尾が視える


「私は犬じゃないよっ!!」


…どうやら、恭文も同じこと考えていたらしい

食事が終了したので後片付けをし、デスクワークに向かう4人を見送って隊舎見学兼挨拶ツアーを再開した


…気になるのは、張り切っているスバルを見るティアナの表情だ
その様子に、さっきから感じる嫌な予感が増した気がしたんだが…杞憂であってほしい


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

時刻は夕方。海上に面している六課所有の陸上演習スペースに、俺と恭文は立っている

なんでかって?
どう考えても…恭文の迂闊な一言…そして、目の前のあいつだ


「恭文、約束通りヴィータ副隊長の許可を取り付けたよっ! 私は全力で行くから、恭文も全力で来てっ!!」


白のシャツに厚手のズボン。訓練用の服装だ。そんな格好をして気合充分やる気充分なスバルと、その隣に立って本当に楽しそうな笑みを浮かべているシグナムを見て、恭文は頭を抱えた
というか、抱えたいのは俺だ

あの後、六課の駐機場に案内されて、そこにいた人達に挨拶したところまでは良かったのだが…

別の場所に向かおうとしたら、突然俺と恭文がここに呼び出されると、そこには既に着替えていたスバルから恭文は予備のトレーニング服を渡されていた

俺はスーツの下に動きやすい服を着ていたのでスーツを脱いだだけだ…というか、実際恭文よりも小柄なために借りれる相手が居なかっただけだが


そして、ウォーミングアップを済ませてここに移動すると、平面状のスペースが一瞬で廃墟の市街地に姿を変え、模擬戦を始めるといわれたのだ

嫌な予感が的中…外れて欲しかった…


「…悪いスバル。ちょぉぉぉぉっと待ってもらえるかな?」

「なんで?」

「いや、これなに?」

「え? 模擬戦」


…なに、当たり前なこと言ってるの?って顔してるぞ


「…なんでいきなり模擬戦?」

「だって、恭文は『教導官の許可さえ得られればいつでも相手になる』って約束したよね。…嘘だったの?」


駄目だ…頭痛くなってきた。それよりも…


「シグナム…何であんたまで居るんだ? そして、なんで俺まで…」


とりあえずは確認だ。なんで俺まで巻き込まれないといかんのだ?


「…スバルの奴がティアナを誘っていたのだが、聞いた話によると剣を使うそうだな?」

「……剣も使うな」

「ティアナでは相性が悪いと思ってな…いや、建前はやめておくか。お前の噂を耳にしてな…是非とも手合わせしたくてな」


えっと…噂を聞いていてスバルの提案が渡りに船だった、と…こういう役目は恭文だろ、普通…なんで俺が、って睨むな恭文


『うし、それじゃあそろそろ始めるぞ。4人とも準備しろ』

「はいっ!」

「師匠…」


…空間モニターがいきなり現れる。それに恭文が何か言ってるが…無駄だと思うぞ
それで無くなるならこうなってない


『バカ弟子、いきなりで悪いが諦めろ。つーかお前が悪い』


はぁ、やっぱりな…


「つか、なんでそうなります!? か弱い子羊虐めて、なにが楽しいんですかっ!!」

『うっせぇバカタレッ! つか、お前らはか弱くもなければ子羊でもねーだろっ!!
どーしてもこうなる理由がわからないなら、教えてやるよ。…スバルに、アタシやなのはの許可さえあれば、別に今日でも構わないって言ったそうだな?』

「えぇ、言いましたがそれがなにか?」

『アイツ、普段はちっとばかし気が弱いクセして、こうと決めたら異常に押しが強いんだよ。アタシが何言っても今すぐやりたいって聞きやしなかったぞ?』

「…本当ですか?」


…口は災いのもととか言うが、体験することになるとは…それも巻き添えで…

まぁ、予想しろってのは酷か


『そうだ。…ったく、こっちは検査帰りだってのに、アイツの相手に模擬戦の準備でむちゃくちゃ疲れたぞ?』

「…と言いますか、師匠。この話聞かされた時から気になってたんですけど」

『なんだ?』

「…どうしてそんな『してやったり』って言わんばかりの悪い顔してるんですか?」

『気のせいだ』

「いや、気のせいじゃないでしょっ!?
今、頬が明らかに緩んだしっ!!」

『…ま、正直に言うとだ。アタシとしてもお前とスバル達をやらせたかったからな。それに、お前が連れてきた奴の強さもわからんしな…ちょうどいいだろ?』


なるほどね。助っ人にきた俺の実力の把握もあったわけだ、恭文も納得したようだな
でも、いきなりシグナムはないんじゃないか?
仕方ない、腹をくくるか…


『そういうこった。それに、お前だってこないだまでがしがしやってたろ。師匠としてそういうのは抜きにしても、その中でどれだけ腕上げたか気になるんだよ。つーわけだから見せてくれよ。期待してるからな?』

「…まぁ、師匠の期待に応えられるかどうかは分かりませんけど、スバルとは約束しましたから。それはきっちりとやらせてもらいます。あ、それと一つ確認です」

『なんだ?』

「いつものノリでいいんですよね?」


その恭文の言葉に俺は笑みを浮かべる。ようやく恭文はエンジンがかかったようだ


『かまわねーぞ。ま、簡単にはいかねーとは思うがな』

「それだけ聞ければ充分です。んじゃま…行ってきます師匠」

『おう、キバっていけよ』


空間モニターが消えると、恭文は俺に声をかけてきた


「…話は大体わかった?」

「ああ。恭文がいつでもとか言わなかったらこんなことにはならなかったとよくな…まったくこれから予定があったのに」

「それを今さら責める?」

「確かに今さらだな。この埋め合わせに今度またアレを食わせてくれよ」

「…今度気が向いたらね」


お互いに軽口を叩き会うと、恭文はスバルに、俺はシグナムに向き直る


「話は終わったか?」

「ああ。待たせて悪かったな」

「まったくだ…私はこんなにも楽しみにしているというのに」

「そうだな、俺も楽しみだ。それにこんな美人から誘われて待たせたとあっては男が廃る」


シグナムの表情が若干赤くなるが、どうしたんだ?


「…まぁいい…それでは、はじめようか」


そう言うと、シグナムは待機状態のレヴァンティンを構えた。俺は左手首に鎖に繋がれた指輪を袖から取り出した


「マッハキャリバーッ!」

「アルトアイゼンッ!」

『セットアップッ!!』


あっちも始まったらしいな。さて、こっちも行きますか


「レヴァンティンッ!」

「ラミア、ヴァイサーガッ!」

『セットアップッ!!』


…こうして、俺と恭文の機動六課での生活が幕を開けた

これからどんな事が起こるか…今の状況から考えても確実に巻き込まれると思う…

だが、それもこの戦いのように…いや、今までのように乗り切るだけだっ!


(第三話に続く)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

あとがき


レイ「さて、第二話終了したな。だが、なんで俺はシグナムと戦わないといかんのだ?」

《剣を使うのならティアナ殿とでは相性が悪いと考えたからではないか?》

レイ「砲撃もこなせるぞ、俺は」

《ティアナ殿は知らない事実なのだからな。それにマスターの戦い方を考えれば噂の一つは上がるだろう。それがシグナム殿の耳に入っただけという話だ》

レイ「まぁ、いい。とにかく負けないように頑張ろう。もし負けてあの人達に知られたら…いかん、本能が考えるのを拒否してる」

《あの人達とは誰か知らんが、マスターが考えることすらやめるとは相当だな》

レイ「そりゃあな。この反応が気になるならルミナのサイトで第一部が終了するのを待ってくれ、としか言えないがな」

《それは気が遠くなる事だ。まだ一話すら終わらせてないのだからな》

レイ「それを言うな…ルミナが泣く。さて、次はいよいよ初日の最後を飾るイベントであるシグナムとの模擬戦が開始される。どんな内容なのか、そして勝敗は…」

《私の登場も乞うご期待! では、また次回》






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