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頂き物の小説
第9話 『らんぶる・かたすとろふ・・・そして・・・更なる混乱』:2



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







・・・とにかく、連絡しよう。うん、まずはそこからだ。





隊舎のロビーで全員腰を落ち着けてから、僕は通信を繋ぐ。そう、おそらくこの状況で一番マトモな人にだ。










『・・・おう』

「なんでそんなに疲れ果ててるんですか?」



そう、サリさんである。すさまじく疲れ果てた顔してるけど。



「あの・・・大丈夫ですか?」

『あぁ、だいじょ・・・って、リインフォースUちゃんっ!?』

「あ、はいですっ! あの・・・前に地上本部でお会いしましたよね?」





そう言われた瞬間、疲れ果てていたサリさんの表情が明るくなった。そう、それはもう素晴らしいほどに。





『俺のこと覚えててくれたんだっ! いやぁ、正直嬉しいよ。あの場だと、俺はモブその1とかだったのに・・・いや、なんか・・・泣いていい?』

「なんでっ!?」

『ヒロが散々無茶苦茶やらかしたからだよっ! やっさん、今すぐこっち来てみろ。すさまじいことになってるから。
正直さ、俺はヴィータちゃんに何回謝ったかわからないよ』





やっぱりかっ! あぁ、予想はしてたけど。・・・さて、どうするかな。まぁ、嘯ヲは一つだけなんだけど。





「じゃあ、そのまま帰ってもらえます?」

『やっぱりかい。・・・残念ながらそれは無理だ。フェイトちゃんやヒロが、お前やら今日居なかった隊長達に話したいんだってさ』





・・・逃げていいですか?





『骨は拾ってやるよ』

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

≪生きて、帰れるといいですね≫




















アルトのつぶやきは、聞こえないことにした。










・・・そうして10数分後。元気はつらつな姉弟子と、疲れきった閃光の女神がやってきた。




















「やっさん、お疲れさまー♪」

「ヒロさん、おつかれ・・・じゃないですよね」

「まーね。いやぁ、楽しかった楽しかった。やっぱ戦うのは楽しいね〜」





その瞬間、なのはとシグナムさんとシャーリーの視線が僕にぶつかった。そう、その視線は語りかけている。



お前と同類なんだなと。失礼な連中だ。・・・で、ヒロさん。





「なに?」

「フェイトになにしたっ!? なんでこんな疲れきったオーラ出してるんですかっ!!」

「いや、アンタにやるのと同じ要領でぶっ飛ばしただけなんだけど・・・」



それだぁぁぁぁぁぁっ! つか、僕と同じ要領ってことは、本気で容赦なく? うわ、それはないわ・・・。



「・・・ヤスフミ」

「な、なにかな?」



あれ、なんか・・・こう、空気が違う。



「悔しい」

「「え?」」

「だって、私の方が現役で、前線にもちゃんと立ってて・・・。なのに、訓練継続してるとは言え、引退しているヒロさんに・・・一蹴された」



そう言いながら、フェイトはとても悔しそうだった。そりゃそうでしょ。現役でエースな執務官なのに、それすら一蹴だもの。



「・・・フェイト、それは仕方ない」

「どうしてっ!?」

「先生の影、見えたでしょ?」





僕がそう言うと、フェイトが納得してくれた。うん、しぶしぶだけど。





「・・・ヒロさん、また今度相手をお願いします。次は、負けません」

「・・・やっさん、もしかしてこの子、すさまじく負けず嫌い?」

「残念ながら」




















とにかく、その後はフェイトとの再戦の約束をしたり、挨拶し合って、堅苦しかったり、そんなことがあった。



ここはまぁ・・・割愛する。だって、なのはが緊張しまくって足がガタガタ震えてる様など話しても、意味がないでしょ。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆








・・・よっと。










ゴキっ!!










「んっ!」

「大丈夫?」

「あ、はい。というか、すみません。ストレッチまで・・・」



そう、俺はあのバカの『特別講習』が終わった後、演習場に降り立った。当然、フォローのため。



「いーよ。・・・少しきついかもしれないけど、我慢してね。これやっとけば、明日には全快だから」





今、俺と話している子・・・ティアナちゃんに対してしているのは、全身へのストレッチ。ただし、普通のじゃない。



俺が考案した、魔導師or騎士用のストレッチだ。

全身のつぼや筋肉を刺激して、体内の血流や、魔力循環の効率を良くして、回復効率を上げるもの。

あっちこっちの世界の生体術を参考に組んだ。すぐに動けるように。エンプティになっても、戦えるようにね。



あ、すぐ横でグッタリしているちびっ子二人や、チビ竜にもやってる。これで、明日緊急出動とかになっても、大丈夫なはず・・・だ。


つか、メイルがやけにエリオやキャロと話してるな・・・まぁ、初めて歳が近い子と一緒だからな・・・年齢では上のはずなのに、キャロちゃんのほうがお姉さんに見えるよ。




「・・・しかし、すげーですね。そんなことも出来るとは」

「あのバカと長年組んでるとね」





あのバカ、頭脳労働やらなんやらは全部俺任せだからな。おかげでこういうのが得意になったのさ。



ヴィータちゃんが、やたらと感心した目で見ているのが辛いね。考案した根っこの理由が今ひとつかっこよくないし。





「しかし・・・本当に申し訳ない」



ストレッチをサポートする手を止めずに、頭を下げる。うん、本当に申し訳ない。



「あぁ、いいですよ。こいつらにはいい勉強になったでしょうし」

「あの、大丈夫ですから。というか・・・すみません。うちのフロントアタッカーが迷惑を・・・」



・・・いや、正直スバルちゃんはまだいい。やっさんの対処が下手くそだったのが原因だから。でも、アイツはそういうわけじゃない。

今からでも遅くない。六課への出向、断ろうかな。どんなことになるか予測つかないし。いや、もう後の祭りだけど。



「・・・とりあえず、これで・・・よしと」





ま、そんなことを思いつつも手を止める。もう、ストレッチは最後の段階まで終わったから。



ティアナちゃんが、息を吐く。・・・やっぱ、きつかったか。まぁしゃあない。ヨガもいいとこだもの。





「サリエルさん、ありがとうございました」

「いえいえ。・・・ま、もう少しだけここでじっとしてなよ。すぐ動くのはお勧め出来ないから」





他の二人とチビ竜も、そうだしね。つか、演習場・・・壊れてないよな? これ、最新設備だし、金額で請求されても、俺は困る。

それだったら、自力で修理したいよ。そっちの方が、金がかからなくて済む。



・・・あのバカのおかげで、修復魔法も得意なのさ。開発局仕込みのメカテクニックも駆使すればなんとか。





「あぁ、大丈夫ですよ。うちのバカ弟子とバカ副隊長の戦闘に比べれば軽いですから」



・・・ヴィータちゃん、苦労してるんだね。表情に陰りが見えるよ。いや、俺もあれは見せてもらったけど、分かる。

エンジンかかったあのバカ二人の模擬戦と同じなんだよ。何回、騎士カリムやシスターシャッハに謝ったことか・・・。



「あの、サリエルさん」

「どうした? あ、まだきついところがあるとか」

「いえ、そうじゃなくて・・・。まさかとは思うんですけど、アイツとも毎回・・・こうなんですか?」





ティアナちゃんが言っていることは・・・わかるよね? やっさんと俺達の訓練は、いつもこうなのかという意味だ。



そして、その言葉に俺はうなづく。そう、やっさん鍛えてる時も毎回こうだ。なお、これには理由がある。





「ほら、やっさんって、ここの隊長陣とつながり深いだろ? この部隊・・・六課が設立するうわさも、ちらほら聞いてたしさ」





それにだ、状況もそれに拍車をかけた。ガジェットやら、レジアス中将やら、レリックやら、陸と海の中の悪さやら。

そういうが、どうにも目に付きはじめたのが、2年前。ちょうど、やっさんと会った時期だ。



で、状況を聞いて、こいつは危ないと思った。間違いなく、その辺の嵐に巻き込まれ始めている。そう感じた。



そのときのやっさんは、一応・・・エースではあると思う。だけど、それじゃあ足りない。ストライカー? 同じだ。足りない。



だから、先生と同じマスター・・・とはいかなくても、その入り口が10倍スコープで覗いたら見えるくらいの位置には立ってもらおうと、鍛えることにした。



なんつうかさ、放っておけなかったんだよね。惚れた女や、大事な友達を守る。そんな理由で、命を賭けるアイツを。

いまどき、珍しいじゃない? アイツみたいなバカはさ。死なせるには惜しいさ。生きてもらって、暴れてるのを見るのを老後の楽しみにしたいのよ。





「・・・そうだったんですか。つか、アイツはそれならそうと言ってくれりゃあ」

「なに言ってるんだよ。その頃、八神部隊長共々、隊長陣は色々と忙しかったじゃないのさ」



部隊を設立するってのは、簡単なことじゃない。そうとう苦労してたようだしね。



「それなのに、やっさんが自分の都合でヴィータちゃん達を付き合わせたら、本末転倒だよ」





まぁ、まったく話してなかったわけじゃない。アイツの主治医であるシャマルさんとは、会わせてもらったから。

ちょっと無茶させるし、ちゃんとしておきたかったのが、理由だ。



だけど・・・さ。アイツ、どうしてああなんだよっ!? 明らかにフラグ立った人じゃないかよあれっ!!

泣いたさ。そして不憫に思ったさ。どうして本命にあれが出来ないのかと、俺は泣いたさ。





「・・・なんか、勝てないな」

「・・・そんなことはないよ、ティアナちゃんだってなかなかだ。見てて惚れ惚れしたくらいだし」










うん、やっぱりこの部隊はいい人材が揃ってる。まさに金の卵の宝庫だ。





・・・やっさんも、そう思ったから力になりたかったんだろ。正直、ギンガちゃんの一件の時と同じく、また泥をかぶってもらったしな。

またフォローしないといけないな。まったく、バカな友達兼弟弟子を持つと、苦労するよ。どーしてあそこで断るという選択が出来ないのか・・・。



・・・そういや、もう一人フォローしないといけない奴がいたな・・・・・・










「・・・・・・ジン、そろそろ起きろ。いつまでも狸寝入りすんじゃねぇ。」

≪マスター、バレバレのようだぞ?≫

「・・・・・・なんすか?」




俺の予想通り、ジンの野郎は気絶したフリをしていたようだ・・・・・・いや、いくらヒロの手加減無しの一撃を喰らったからといって、フィーネに鍛えられたお前がそんな長く気を失うわけが無い。

ジンが眼を覚ましていたことに気が付いたメイルは、さっそく抱きついていやがる・・・あれだ、ティアナちゃんが睨んでいるから止めときなさい。


「ジン・・・・・・ちゃんと責任取れよ?」

「・・・ちょっと待ってくださいよ。なんでいきなりそんな話になるんですか!?」

「バカかお前。ティアナちゃんみたいな可愛い子がいくら自爆したとはいえ告白したんだぞ!?きっちり答えてやるのが男ってもんだろうがっ!!」

「いや、訳が分かりませんよっ!?いや、ティアナが可愛いってのは認めますけど、それとこれとは・・・って、俺は何を口走ってんだぁぁぁっっ!?!?」



・・・どうやら、自爆したのはジンもだな。ティアナちゃんの顔が真っ赤になっている・・・さて、チビッ子共はそろそろ動けるようになったはずだし、お邪魔虫は退散しますかね?

「そうですね・・・・・・エリオ、キャロ・・・アタシ達も戻るぞ。」

「「は、はいっ!!」」

「という訳だ・・・メイル、ジンから離れような?ついでに、ジンをティアナちゃんの横に引っ張ってくれ。」

「はぁい・・・お兄ちゃん、ティアお姉ちゃん・・・頑張ってね♪」

「「ちょ、ちょっとっ!?」」



・・・さて、後は若いお二人に任せるとしますか・・・バルゴラも空気を読んで黙っておくだろ。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




・・・くそ・・・何を話したらいいんだよっ!?



俺とティアナは、演習場に二人残されてしまった・・・・・・と、とにかくなんか話さないと・・・・・・


「「あ、あのさ(あのね)っ!!」」


・・・・・・だから、なんで話しかけるタイミングまで一緒なんだよっ!?前にもあったよなこんな事!?


・・・お先にどうぞ。



「そ、そう?・・・・・・あの・・・たしかにシチュエーションはアレだったけど・・・・・・あの気持ちは、嘘じゃないから・・・・・・」


・・・すると、ティアナが小さな声でそう思いを伝えてくる・・・・・・おいおいおいおいマジかよ。









「えぇ、大マジよ・・・・・・私は、アンタの事が好き。いつから好きになったのかってのは・・・わかんないけどね。」








・・・俺も、ティアナの事は・・・嫌いじゃない・・・・・・むしろ、好き・・・だと思う。



・・・・・・しかしなぁ・・・・・・




「な、何よっ!?はっきり答えなさいよっ!!」



・・・仕方ねぇな・・・

















「・・・ティアナ・・・・・・・・・少し、俺に時間をくれないか?」
















「・・・・・・どういう事よ?」





・・・頼む、ちゃんと説明するから・・・そんな泣きそうな顔をしないでくれっ!?





「あ、あのさ・・・・・・俺も、ティアナの事は好きなんだよ・・・たださ・・・まだ、俺はティアナの事をよく知らないんだ・・・」



・・・いや、誰が出会って2ヶ月でここまで進むと思うよっ!?・・・っと、話がそれたな・・・


「だから・・・・・・もっと、ティアナの事をよく知りたい・・・・・・ティアナの傍でな。一緒にいて・・・・・・いいか?」













「・・・・・・・・・アンタねぇ・・・・・・それってつまり、『付き合ってください』って言っているようなものじゃない・・・・・・分かりにくい言い方するんじゃないわよっ!!」






やっぱ殴られるかっ!?



























俺は殴られると思って思わず身を縮めるが、拳骨の感触はなく、代わりにティアナが抱きついていた・・・・・・そして、ティアナは俺の耳元でそっと囁く。




「バカ・・・・・・断られるかと思ったじゃないの・・・驚かさないでよ・・・」

「・・・わりぃ・・・」

「・・・・・・駄目・・・・・・許さないんだから・・・・・・だから、これはオシオキ。」
















そう言って、ティアナは顔を近づけてきて・・・・・・俺は唇をふさがれた。もちろん、ティアナの唇で。











・・・・・・え・・・・・・えぇぇぇぇえええっっっっっっっっ!?!?!?!?!?




「・・・・・・そんなに驚かないでよ。私も恥ずかしいんだし・・・・・・その・・・・・・これから、よろしく。」


顔を赤らめながらそっぽを向くティアナに、俺は笑みを浮かべると、ティアナの頭を優しく撫でた。


「あぁ・・・・・・改めて、よろしくな。」







・・・・・・そして、俺達は改めて・・・・・・口付けを交わした。





























・・・・・・この後、ロビーに俺とティアナが向かったら・・・・・・六課の皆から次々と『おめでとう』と言われ、ヤスフミからは『なにフラグ回収してんのさ!?見せ付けてんじゃねぇよっ!!』と思いっきり殴られた。

どうやら、サリさんの手によってさっきのやりとりがロビーに中継されていたらしい・・・・・・マジかよ。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・母さん、ヤスフミの家に居るんだよね」





さて、スバルが話してる最中に寝付いたので、そっとその場を離れて、帰ることにした。



なお、ヒロさんとサリさんは・・・ごめん。今日はもう勘弁して。今頃、僕の隣に座ってるお姉さん以外の隊長陣の中に混じって会議中ですので。

いや、いい感じで糾弾会議だそうですよ? あれからすぐに帰ってきたはやてを絞り上げてるとか。部隊長自らやらかしてるしね。





「でも、どうして今まで黙ってたの?」

「・・・話そうとするとね、妙な気配を感じるの。そこをたどると・・・リンディさんの影が」





そう、フェイトである。うちのモンスターをなんとかしていただくために、事情をぶちまけました。



なお、なのはと師匠は知らないという話にしました。いや、師匠は正直とばっちりだし・・・え、ジン?同じマンションに住んでいて知らない訳がないので巻き込みました。今は僕の隣で頭を抱えている・・・・・・そりゃそうだよね、ティアナとのラブシーンが皆に見られていたんだもん。






≪まぁ、黙っていたのは悪かったとは思いますがね。・・・でも、真面目に怖かったんですよ。朝、出かける度に妙なオーラで威圧してきますし≫

≪そうだな・・・我々にもオーラを放ってきて、驚いたよ。≫

「そこまでなんだ・・・。とにかく、話してくれてよかったよ。みんな相当心配してたから」

「ご迷惑おかけしました・・・」





それとだ、僕も一応はハラオウン家の人間。黙りっ放しもアウトなのである。ちゃんと話さないと・・・。




「えぇと・・・・・・ジンも大丈夫?ティアナとの事、応援しているからね?」

「・・・・・・・・・・・・・・・ア、アリガトウゴザイマス・・・・・・・・・」



・・・・・・フェイト。今のジンにそれは追い討ちだって。














とにかく、僕とジン、フェイトは、トゥデイに乗って、自宅へと戻ってきた。いや、フェイトは自宅じゃないけど。





とにかく、リンディさんと緊急家族会議だ。絶対に帰ってもらおう。クロノさんと仲直りしてもらわないと、どうしようもない。





そんな戦闘意欲も満タンで、僕はドアを開けた。そして、家族からの『おかえり』というコール。





すばらしいのは、わざわざ玄関まで来て、出迎えてきてくれたのだ。いや、幸せだよね。こういうの。なので・・・・。




















僕は、その場で崩れ落ちた。




















「「パパっ! おかえり〜♪」」

「おかえりー。いやぁ、今日はおそ・・・フェイトっ!」




















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんか増えてるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!




















さて、もう説明するまでもないだろう。僕をパパと呼ぶ人間は、今のところ二人しかいない。

そう、カレルとリエラである。海鳴に住んでいるはずの二人だ。

そして、その後ろから、保護者のように歩いてきたのは、赤毛で犬耳犬尻尾。あはは、該当者が一人しか居ないや。




















「アルフっ!? というか、カレルにリエラもっ!!」

「フェイトおねえちゃん、お久しぶりー!そっちのおにいちゃんははじめましてー!!」

「おねえちゃんも、パパのお家にお泊りに来たの?」



・・・は?



「いやぁ、悪いね。アタシらも来ちゃった」



まぁ、待とうよ。待ってくださいよ使い魔さん。待ってくださいお願いですからっ!!

ありえないでしょこれっ! なんでカレルとリエラまで連れてこっち来てるっ!? 海鳴の家はどうなったのさっ!!



「あの、アルフ。来ちゃったって言うけど、海鳴の家はどうしたの?」



フェイト、ナイスだよそのツッコミっ!!



「いや、クロノは航海任務だしさ。それにアタシだけでチビ達の世話全部はちょい無理だしさ」



そのアルフさんの言葉に、僕もフェイトも凍りついた。まてまて。『アタシだけでチビ達の世話』? この状況でそれはおかしくないっ!?

だけど、それがおかしくないことはすぐに証明された。だって、リビングの方からなんか来たから。



「恭文くんお帰り〜! いや、突然ごめんね」

「エイミィっ!?」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



えー、現在海鳴のハラオウン宅では、嵐が吹き荒れている。原因は・・・この二人だよ。










「だから、どうしてそうなのっ!? クロノ君、なんでもっと真剣にお母さんのこと、解決しようとしないわけっ!!」

『いや、だから探してはいる。もう少し待ってくれ。すぐに居場所を・・・』

「そういうことじゃないよっ! クロノ君が態度を改めないと、見つけても帰ってきてくれないよっ!?
お母さん、絶対に傷ついてるんだからっ!!」





原因は、うちの家主さんだよ。つか、見事に休みを消化して雲隠れするって、どんだけ用意周到なのだ。

で、それ関連で、うちの若夫婦も言い争っているわけだ。

・・・ほら、チビ達は向こう行こうな。パパの大好きな電○のディスクでも見ようか。キン○ロスかっこいいしさ。




『とにかく、もうしばらく待ってくれ。・・・それじゃあ、また後で連絡する』





うわ、一方的に通信切っちゃったよ。エイミィ、頭掻き毟ってるし。



うむぅ、やっぱりエイミィはお母さん寄りか。そりゃそうだよな。私もちょっとひどいと思ったもん。





「・・・アルフ、支度して」

「・・・は?」

「カレル、リエラ。少しだけ旅行行こうか?」





・・・あの、すさまじく嫌な予感がするんですけど。





「どこいくの?」

「楽しいところだよ〜」

「どこ〜?」

「二人の大好きな、パパのところだよ」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・で、家出してきたと。





「いやぁ、びっくりしたよ。玄関開けたら、お母さんが掃除してたんだから」

「それを言ったら、私の方こそびっくりよ。いきなり、かわいい義娘や使い魔や、孫達が来たんですもの。でも、うれしかったわ」





そう言いながら、談笑する嫁姑。うん、楽しそうだね。すごく・・・・・・・・・・たのし・・・・・・・・そうだよねっ!!





「つか、お前らおかしいよっ! ここ誰の家かわかるっ!? 僕の家なんですよっ!!
なんでそんな我が物顔で入っていけるのさっ!!」

「なら、問題ないわよ。あなたは、私達の大事な家族なんですから」





だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! くそっ! 魔法使ってぶっ飛ばせるならぶっ飛ばしてやりたいっ!!



なんで月の終わりにこんなびっくりイベントに付き合わないといけないんだよっ! おかしいでしょうがっ!!





「・・・あの、母さん。エイミィも、すぐに帰った方がいいよ」



だけど、神は居た。そう、フェイトだ。フェイトは至極マトモだった。



「あら、どうして?」

「だって、二人はいいかもしれないですけど、カレルとリエラに悪影響ですよ。両親がケンカして、別居状態なんて・・・」

「そうですよ。二人の迷惑考えてください。大人の都合で振り回していいはずないでしょうが」



そういうめんどくさいのはやめて欲しい。主に僕に迷惑だ。



「・・・フェイト、あなたアレを見ても、そう言えるかしら?」



そして、リンディさんはある一点を指差す。そこを僕とフェイトが辿ると・・・。



「さぁ、しばらくはパパのお家にお泊りだからな。楽しくなるといいなぁ」

「うんっ!」

「あのね、パパと一緒に遊ぶのっ!!あ、おにいちゃんも遊んでくれる?」

「あぁいいぞ。それじゃ何しようか・・・うん、癒されるなぁ・・・俺も、将来はきっと・・・」

「・・・アンタ、なんかあったのかい?」



・・・悪影響・・・悪影響・・・なさそうじゃないかよこんちくしょうっ!!

つうかジンはなんで一緒に遊んでんのさっ!?しかも、なにげに将来の事想像すんなっ!!僕に対する嫌がらせかっ!?




「・・・ごめん、ヤスフミ。しばらくこのままで大丈夫かな?」

「フェイトが見捨てた・・・」

「あの、違うっ! 見捨ててないからっ!! ・・・あぁ、お願いだから泣かないでー!!」










・・・そして、結局クロノさんを除いたハラオウン家は、無事に家で暮らすことになった。





あ、フェイトは別ね。この後僕が隊舎まで送っていった。ジンはというと、カレルやリエラと仲良くなってるし・・・










しばらくは、このなんとも言えない共同生活が続くことになる。あの、真面目に聞いていいかな?

僕、ようやくスバル問題が解決したのよ。なのに・・・なんでこうなるのっ!?







(第10話に続く)





あとがき



バルゴラ≪・・・という訳で、どうだっただろうか?『とまと外典』第10話・・・マスターは隅っこで打ちひしがれているので、代わりにゲストをご用意したぞ。≫

メイル「こんにちは〜!!メイル・スノウレイドでっす♪」

バルゴラ≪・・・うむ、この作品では貴重な・・・・・・妹キャラになるのか?≫

メイル「そうかな〜?でもでも、アタシっていろいろ秘密があるよねっ♪」

バルゴラ≪・・・まぁ、そこら辺はあとでいいだろう・・・では、メイルとそのデバイスであるガネットの紹介だ。≫



名前:メイル・スノウレイド

年齢:13歳

性別:女

身長:142cm

体重:身長に見合う程度に

体型:細身

髪の色:水色

髪型:肩ぐらいまでのショートカット

瞳の色:赤

顔立ち:童顔

職業:嘱託魔導師としての資格は持っているが、現在はヒロリス・クロスフォード、サリエル・エグザの保護下にいる。

魔導師ランク:陸戦魔導師ランク:B−

声のイメージ:中○愛さん(ごぞんじ超時空シン○レラのあの人です。キラッ☆)

性格:超がつくほどの天真爛漫な性格。いつも笑顔を絶やさないが、良くも悪くも子供っぽい。

トウゴウ・ヘイハチらに拾われるまでの生活環境が悪く、精神が肉体についてきておらず、精神年齢は8歳程度。

ジンの事を兄と呼ぶのは・・・・・・次回くらいで語られるだろう。

また、ちょうど恭文やジンが六課に出向したのと同じ頃にヒロリス達に預けられたので、恭文とは直接な面識はない。



AI搭載式両刃剣型アームドデバイス・ガネット

武器としての基本形状:ロングソード(刃渡りは80cm程度。)





待機状態:ワインレッドのブレスレット

形状変換によるモードチェンジ:通常モード。その他色々。

通常モード:形状はロングソード。全ての基本戦闘はこれで行う。





性格:女性人格のAI。メイルとはパートナーというより親友のような関係。その為、メイルのことを名前で呼ぶ。

アルトアイゼン、アメイジア、金剛のAIを参考にしている為、彼女らを姉、兄と呼ぶ。


AIの声のイメージ:Ayako kawasumi




バルゴラ≪・・・まぁ、こんな感じか。≫

メイル「それより、お兄ちゃんとティアお姉ちゃんがすごかったね〜♪」

バルゴラ≪うむ・・・・・・これからがどうなるか、とても楽しみだ・・・それでは、次回にまた会おう!!≫

メイル「ばいば〜いっ!!」
























メイル「それじゃ、拍手が来ていたみたいだからお返事するよ♪ありがとうございました〜!!」



※いやあ、ジン君気に入ったぞ。あの恭文のお友達って言うからタダモノじゃないと思ったら、やっぱりクセモノだったwww
次の話でエライ目に遭いそうだけど、そこで何とかしてこそ主人公だ、頑張れ!


バルゴラ≪・・・まぁ、いろいろ大変な目にはあっているな。だが、主人公扱いされているだけヤスフミよりはまだましか・・・≫

???「僕は主人公だぁぁぁっっっっっっ!!!!!」

???≪そして、私が真・主人公です。≫

バルゴラ≪次元の壁を越えてきただとっ!?!?≫



※一話から読んでます、コルタタ様を神と崇める者です。いや、アルトアイゼンとバルゴラが組むと更に楽しいですね。主に恭文とジンを弄ったり恭文とジンを弄ったり恭文とジンを弄ったりとか(マテ
ただ…、私の個人的な意見としましては…もっとジンを暴れさせてほしいです!!主にティアナ絡みで!!さぁバルゴラよ!!貴方の力でこの二人をくっつけるのだぁぁぁぁぁ!!!!(やや興奮気味)
by コルタタ様崇拝者


バルゴラ≪・・・私の力ではなかったが、今回で無事マスターとティアナがくっついたな・・・・・・さて、作者は本家でのヤスフミとフェイト殿の甘甘ぶりに影響されかけているからな・・・どうなることやら。≫

メイル「みんな、拍手をどうもありがとうございます!!これからもよろしくね〜!!」

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あきゅろす。
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