頂き物の小説
番外編『とある古き鉄と、流星の弾丸を受け継ぐ者の物語』
バルゴラ≪最初に言っておく。この話はあくまで作者がいろいろな部分から設定を膨らませた話であり、「とまと本編」や、「とまと・外典」とはまったく関係の無い話だ。≫
ジン「・・・・・・ネタ的な部分も多いし、『ありえたかもしない未来』って考えてくれたらいいかな?それじゃ、番外編どうぞ!!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「・・・うぅん・・・いつも通り、気持ちのいい朝ね・・・」
窓から差し込んでくる太陽の光によって、私は目を覚ます。これから、私の一日が始まる。
私は顔を洗い終えると、朝食を作り始める。
今日の献立は新鮮な野菜を使ったサラダと、シロップをかけたフレンチトースト。それを『3人分』用意すると、お皿に盛りつけていく。
・・・・・・ったく、今更だけどなんで私があいつらの分までご飯を作らないといけないのよ?週に一回は必ず来るから3人分用意するのが癖になってるじゃない。
そんな事を考えていると、インターホンの鳴る音が聞こえる・・・今日は早いわね。
≪・・・マスター、恭太郎さん達が来ましたよ。≫
・・・分かってるわよクロスファントム・・・鍵は開いているわよ〜?
「お邪魔するぜ〜」
「ティファさま、おはようございます。」
≪・・・マスター、挨拶はきちんとしないと・・・おはようございます、ティファさま、クロスファントム≫
「≪おはよう(ございます)≫」
入ってくるのは、金髪を後ろで束ねたチビッこい奴と、同じように金髪を後ろで束ねたスタイルのいい女の子。
「・・・おい、誰が豆粒金髪どチビ・・・だっ!?」
「さっさと手を洗って座りなさい?私、朝っぱらから怒鳴りたくないの。あ、咲耶はそのナイフこっちに持ってきてね。」
「「・・・は、はい・・・」」
朝っぱらから過剰反応したバカの頬ギリギリにナイフを投げつけると、私は涼しい顔で笑みを浮かべる。
なぜか顔をひきつらせた二人は、頷くとコチラの言う事に従ってくれた・・・うん、素直でよろしい。
このちっこい奴は蒼凪恭太郎。悪名高い『古き鉄』の名を受け継いだ、凄腕の嘱託魔導師。
そして、その相棒である『咲耶』と、恭太郎のデバイスである『ビルトビルガー』。
彼らとは、物心ついた時からの知り合いで・・・・・・いわゆる幼馴染って奴。
・・・・・・あ、私の自己紹介をしていなかったわね。
私はティファ・フレイホーク、年齢は16歳・・・そして、ふわふわと浮かんでいる十字架は私の相棒で「クロスファントム」。
・・・さて、恭太郎達も来た事だし、ちゃっちゃと朝ごはんを食べることにしますか。
とある魔道師と機動六課の日常・外典
番外編『とある古き鉄と、流星の弾丸を受け継ぐ者達の物語・加筆修正版』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
朝食を食べ終えた私達が向かうのは、仕事場である隊舎。
・・・かつて管理局史上最大の危機と言われた2つの事件、『JS事件』と『大ショッカー事件』の際に活躍した伝説の部隊『機動六課』。
その名を受け継いだ部隊が、私の仕事場。恭太郎も一緒なのは、嘱託魔導師として出向中だからだ。
「恭〜君っ!!おっはよ〜!!」
「どわぁぁっっっ!?」
隊舎に入った私達を待っていたのは・・・・・・強烈な抱きつきタックル。
それを食らった恭太郎は、思いっきり床に叩きつけられた。
「・・・・・・って、ヒカリィィィッッッッ!!毎度毎度、抱きついてくんなっ!!いい加減離れろっ!!」
「何いってるん・・・・・・うちらはそう、愛の絆で結ばれているんや〜!!いくら現地妻とはいえ、美影ちゃんにはまけんでぇっっ!!」
・・・・・・いや、普通は引くわよ?
恭太郎に抱きついて頬ずりしてるのは、茶髪でそこそこスタイルのいい女の子。服装は、私と同じ特別製である黒い制服。
その顔に浮かべているのは、とても幸せそうな表情・・・・・・毎度毎度、よく飽きないものね。
「ヒ、ヒカリちゃんっ!!恭太郎君困っているですぅ〜!?」
「え〜?いいやん別に。うちだって、咲耶ほどやないけど胸あるんよ?恭君なら、好きにしてえぇから・・・」
「時間帯を考えろこのバカっ!?それと、自分の体は大切にっ!!といか、怖ぇよっ!?」
≪的確なツッコミですけど、彼女に通用しますか?≫
彼女の名前はヒカリ・A・八神。機動六課に所属する前から私の相棒で、幼馴染の一人(というか、私達には幼馴染がとても多いんだけど)。
そして、私の横であわてふためいている水色の髪の妖精さんは、ヒカリのパートナーであるユニゾンデバイス『リインフォースV(ドライ)』、通称リィル。
ちなみに、咲耶も妖精サイズになれるのだが(むしろ、燃費としては妖精サイズの方がいいらしい)・・・・・・なぜか咲耶は人間サイズのままでいる。
「まぁ、少し落ち着きなさいよリィル。」
「あ、ティファさん、咲耶さん。本当にごめんなさいですぅっ!!ヒカリちゃん、悪い子じゃないんですぅ・・・」
「大丈夫ですわ。本妻としては男の浮気を受け入れるのも女の器量。むしろ、我が夫が魅力的な証拠として誇らせていただきますから。」
いや、それはそれでどうなのよ?胸張って言う事じゃないと思うんだけど。
でもまぁ、ヒカリの攻勢も長くは続かないと思うけどね。
だって・・・・・・
「ヒィィィィィィカァァァァァァリィィィィィィィッッッッッッッッ!!!!」
ごっちぃぃぃぃぃんっっっっっっ!!
「あ痛ぁぁぁぁぁっっっっっっ!?!?」
・・・ほら、こわ〜いお兄さんが来たもの。
ヒカリを恭太郎から引っぺがしてゲンコツを食らわせたのは、ヒカリの双子の兄であるタイチ・A・八神。
破天荒な妹とは打って変わって真面目で、結構濃い面子が多い六課で振り回されている苦労人でもある。私もその一人だけど。
「何すんねんお兄ぃっ!!うちと恭君の邪魔をすんなっ!!」
「やっかましいわこのバカ妹がっ!!毎度毎度、人様に迷惑かけんじゃねぇっ!!」
「って、コブラツイストはあかんよお兄っ!?ギブゥ、ギブゥゥゥゥゥゥッッッッッッッッ!!!!」
・・・・・・今日は、いつもより強めね。
「・・・相変わらずだよなぁヒカリは。」
すると、赤っぽい髪の妖精さんが私の頭に乗っかってくる。
彼女はイグニス。タイチのパートナーで、アギトさんのデータを使って生み出された新世代ユニゾンデバイスの一人。ちなみに、リィルや咲耶もだ。
「だけどリィル、いくら気が弱いからってちゃんと止めないと駄目だぞ?ヒカリは突っ走るタイプなんだから。」
「は、はいですぅ・・・」
「いや、そんなだらけた格好で言われても説得力ないって。」
というか、なんでアンタは私の頭に乗ってるのよ?
「え?気持ちいいから。」
・・・・・・はぁ。もういいわよ。
「・・・ふふふ、ヒカリちゃんとタイチ君は相変わらずね。でも、それじゃ今日の訓練が持たないよ?」
「本当だよ・・・・・・みんな、おはよう。」
『レイオさん、レティアさん、おはようございますっ!!』
すると、穏やかな声と共に・・・赤い髪の優しそうな男性と、肩に小さな竜を乗せた桃色の髪の女性が私達に声をかけてくる。
この二人は私達の上官で、「レイオ・R・モンディアル」さんと「レティア・R・モンディアル」さん。苗字が同じだが、二人は夫婦ではなく兄妹だ。ちなみに、レティアさんの肩に乗っている竜は、「フォルード」って名前。
二人に挨拶をすると、タイチはようやくヒカリを解放する・・・まぁ、自業自得よね。
「それじゃ、今日も一日頑張っていこうかっ!!」
「・・・あ。もう、レイオったら・・・ネクタイが曲がってるよ?ほら、こっちむいて。」
「え?ありがとう、レティア。」
・・・・・・あぁ、二人だけの空間に入っちゃった。
二人とも、普段は真面目なんだけど時折甘い空間を作り出すのよね・・・兄妹なのに。
まぁ、恭文さんとフェイトさんはこれ以上だったらしいけど。
「・・・・・・もう、レイオ君もレティアちゃんもしっかりしてよ。そんなんじゃ、みんなが戸惑っちゃうよ?」
・・・・・・・・・すると、私達の後ろから女性の声が聞こえる。
それを聞き、レイオさんとレティアさんを除いた私達に緊張が走った。
そして、恐る恐る私達は後ろを振り向く。その予感が外れている事を祈って。
だって、あの人がここにいる訳ないもの。『伝説の教導官』と呼ばれ、あちこちで教導の依頼が舞い込んでいる人がいくら息子がいるからって公私混同するはずない・・・っていい切れないっ!?
「うん、皆元気にしていたかな?」
・・・・・・だが、現実は非常に厳しかった。
そこには教導官の、それも最高ランクの制服に身を包んだ、茶髪の髪をサイドポニーにした女性。
当然、私達は皆声を揃えてその人の名前を叫んだ。
『な、なのはさんっ!?!?』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
・・・・・・さて、ここでなのはさんについて説明しよう。
幼少より時空管理局で働いており、JS事件や大ショッカー事件において機動六課の分隊長として活躍した人である事は、管理局員なら誰でも知っている。
さらに言えば、無限書庫名誉司書長であるユーノさんの妻であり、『聖王』の名を持つヴィヴィオさんや、うちの部隊長であるユーキさんの母でもある。
「エース・オブ・エース」の異名を持つにふさわしい活躍をした彼女は現在前線からは退いているが、教導官として今も活動している。
教導官のなのはさん、執務官のフェイトさん、海のトップであり陸にも多大な影響を持つはやてさん。『新世代の三天使』と呼ばれる彼女達の後押しがなければ、今の六課は存在しないだろう。
でもね・・・・・・そんな偉い人が、なんでここにいるのよっ!?
『・・・皆、突然こんなことになってごめんね?』
すると、レイオさん達から通信が入り、空中にモニターが浮かぶ・・・・・・・・・・・・レイオさん、そういっていただけるのはありがたいのですが・・・後ろのその宴会ムードはなんですか?しかも、ここからでも巨大モニターが見えますし・・・
『・・・いやぁ・・・六課に関わりのある皆さんが、今日に限って押し寄せてきてね・・・なんか、観戦するみたいなんだ。』
『そういう訳やぁ。皆がんばりぃや!!』
「おばぁちゃ〜ん、ウチ、がんばるでぇっ!!」
「ばぁちゃん・・・絶対楽しんでやがる・・・」
・・・そうね、タイチの言うとおりだわ。はやてさんだったら、こんな一大イベントを見逃すはずが無いもの・・・きっと、なのはさんを差し向けたのもはやてさんの仕業だわ。あの人、無駄に権力高いんだから・・・・・・六課を単独の権限で再結成させるくらいには。
「・・・・・・しょうがない。勝てる気はしないが、全力でいくしかないか・・・」
「そうだな・・・なのはさん相手に、余力を残したままで勝てるわけがねぇ・・・」
「・・・というか、そんな事ばれたら、私達の訓練内容さらにきつくなるわよ?」
「それは嫌やな・・・・・それじゃ、皆でいくで!!」
ヒカリの言葉に、私達はいっせいにデバイスを構える・・・・・・こうなったら・・・やるしかない!!
『セットアップ!!』
その言葉と共に私達の体は光に包まれ、バリアジャケットが装着されていく・・・そして、恭太郎は二振りの日本刀を、タイチは両刃でどこか無骨なロングソードを、ヒカリは装飾が施された槍を、私は大型の二丁拳銃を手にする。
これが私達のデバイスの基本形態で、タイチのは「グラム」、ヒカリのは「ブリューナク」という。私のクロスファントムや恭太郎のビルトビルガーのようにはぺちゃくちゃと喋らないけど。
「咲耶、一気に行くぜっ!!」
「わかりましたわ、恭さま。」
「イグニス・・・俺たちもだ。」
「わかったぜ、タイチ!!」
「リィル・・・全力全開や!!」
「了解したです〜!!」
『ユニゾン・イン!!』
その言葉と共に、恭太郎の体に咲耶が、タイチの体にイグニスが、ヒカリの体にリィルが吸い込まれ、バリアジャケットが変化する。
恭太郎は、髪が金色に染まり、赤を基調として金と黒のラインが入ったコートを羽織り、リボンが空色に、瞳が翡翠に輝く。
ヒカリは髪がシャンパンゴールド染まると、上に羽織っていたジャケットが分解されて胸部を銀色の鎧が、左腕を水色の肩鎧と篭手が覆い、腰の鎧にスラスターのようなものが追加される。
さらに、背中から生えていた黒の翼は水色の光に包まれ・・・槍の姿をしていたブリューナクは、日本の火縄銃に似たデザインで、銃口の横に折りたたまれたブレードウィングがついたライフルへと変わる。
タイチの背後にベルカの魔方陣が浮かぶと、その身体を炎で包んでいき・・・山吹色に真紅のラインが入った鎧へと変わる。
右手のグラムが無骨な剣から細身で豪華な装飾が施された剣に変わると、タイチの頭部を竜を模した兜が覆い、その瞳が真紅に染まる。
『・・・炎竜っ!!』
【皇臨っ!!】
【『カイザァァァァッッッッ、ドラッヘンッッッ!!』】
「・・・・・・タイチ、やっぱそれは反則だっ!!これじゃ、タイチが主役みたいじゃねぇかよっ!?」
『・・・そんな事言われてもなぁ・・・最後の掛け声まで入れないと完全起動しない形だしなぁ・・・』
「なぁなぁ、恭くん?うちにはなんかないんか?ほら、似合っているとかそういうのは・・・」
まぁ、そこの3人は放っておいて・・・・・・私達もとっておきを見せるわよ!!
≪了解しました・・・ZGun Mode Ignition≫
すると、クロスファントムから光があふれ出して私のバリアジャケットは再構築されていく。
おじいちゃんのバリアジャケットをイメージした紺色を基調としたジャケットに、両手足には装甲が取り付けられる。
そして、背中、腰、太腿、脇腹にホルスターが装着され、背中に両手用のマシンガンとショットガンが、太腿にナックルガードのように伸びたブレードがついた片手用のショットガンとガトリングガンが、腰に銃身が折りたたまれたロングライフルがホルスターにしまわれる。
これが私達のとっておきで、おばあちゃんから受け継いだ・・・セブンスモード・spec2!!
私はクロスファントムを脇につけられたホルスターにしまうと、背中のホルダーからマシンガンを、腰のホルダーからロングライフルを取り出す・・・ロングライフルのほうは、仕込みで三連マシンガンになるステキ使用だ。
「それじゃ、恭太郎、タイチ。援護するから、思いっきり突っ込んで行きなさい!!」
『おいおい、ずいぶん大胆な作戦だな・・・』
「・・・けど、なのはさん相手ならしょうがないか・・・タイチ、行くぜ!!」
『おうよっ!!』
恭太郎とタイチは頷きあうと、なのはさんに向かって走り出す。当然、なのはさんが簡単に二人を近づけさせるわけが無い・・・
≪Accel Shooter≫
ほら、魔力弾が飛んできたっ!!その数・・・・・・ちょっと、軽く100は越えてるわよっ!?
「ヒカリッ、迎撃開始っ!!」
「了解や!!」
私は両手のマシンガンで、ヒカリは魔力弾を生成しつつライフルでなのはさんの魔力弾を迎撃する。相殺された魔力弾は爆発し、私達の視界を覆う・・・でも、それはなのはさんも一緒のはず!!
「ヒカリッ!!このまま撃って撃って撃ちまくるわよっ!!」
「了解やっ!!」
・・・・・・タイチ、恭太郎。作戦通りにやりなさいよ?
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『おおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっっっ!!』
タイチが剣を構えつつ、なのはさんに突撃していく。防御力と攻撃力を重視しているドラッヘンフォームならこれくらいは朝飯前だけど・・・・・・
くそ、やっぱあの鎧欲しいな。俺だって変身したいのに。
≪諦めてください。第一、あなたじゃ身長が足りませんって。≫
【でも、そんな恭さまも素敵ですわ・・・・・・あぁ、咲耶は恭さまへの愛がいっぱいで壊れてしまうかもしれません。こんなにも身体が昂ぶって・・・・・・】
ビルトはほんと容赦ないよなっ!?そして咲耶は自重しろっ!?中にいる状態でそんな事言われたら困るわっ!!
『いくぜ、イグニス!!』
【あぁっ!!】
タイチとイグニスの声が重なると、その背中から炎が溢れ出し・・・8つの頭を備えた竜へと変わる。
さらに、竜の頭はグラムへ纏わりついて巨大な炎の刃となる。
・・・・・・はやてさん譲りの魔力量があるからこそできる、タイチの必殺技。
って、ここで大技を放つのかよっ!?
『【九頭竜・・・烈火斬っ!!】』
≪Protection Powered≫
紅蓮の竜を模した斬撃が、なのはさんへと襲いかかる。それをなのはさんは、口元に笑みを浮かべたまま避けようともせずに受け止める。
ちぃっ!!タイチの全力攻撃だってのにあっさり防がれるってどういう事っ!?
『俺だってちょっと凹んでるんだがっ!?』
【さすがなのはさん・・・ってとこだな。】
「ほらほら、ムダ話をしている暇があるのかなっ!?」
≪Divine Buster≫
「『のわあああぁぁぁぁぁっっっっっっ!?!?』」
すると、今度はピンク色の砲撃が俺達に襲いかかってくる。
というかこれ、もうなのはさんの教導だよねっ!?俺達またたたきつぶされるのっ!?
「タイチッ!!ここは二手に分かれて・・・・・・」
「・・・ムリムリ、俺もう魔力すっからかんだし」
だああぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!?!?ガス欠になるの分かってるのに大技を放つなよっ!?
「アホかお前はっ!?あそこでアレを放ってなかったらディバインバスターで沈黙させられてたわっ!!」
「そうだよなぁ・・・いきなりの大技だったからこそ、なのはさんは防御したはずだし・・・」
゛仕方ないなぁ・・・恭くん、こうなったらフォーメーションHKFLAやっ!!"
俺達が砲撃から逃げ回っていると、ヒカリから念話が聞こえてくる。
・・・・・・ちょい待ち。そんな長い名前のフォーメーションは聞いたことないんだけど。
"またまたぁ。ヒカリ&恭くんファイナルラブアタックの略なんよ?一緒に練習したやん"
・・・・・・って、アレかぁっ!?
"俺が聞いたフォーメーションとぜんぜん違う名前なんですけどっ!?つか、なんだその恥ずかしいネーミングはっ!?"
"・・・あ〜、ヒカリが勝手に言ってるだけだから。ともかく恭太郎、さっさと逝ってきなさい。"
ティファ、最近容赦ないよなおいっ!?そして、字が違うから字がっ!!
"やっかましいっ!!第一、空戦ができるアンタ達とは違って私は陸戦なのよっ!?さっさとかく乱しなさいってのっ!!"
・・・・・・あぁ〜もうっ!!
「ビルト、咲耶。」
≪やるしかないでしょうね。ヒカリさんとのコンビネーションは、なのはさんはまだ見たことがないはずですから≫
【分かっていますわ恭さま・・・今は、この模擬戦を乗り切るのが先ですから】
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
・・・・・・あれ、なんか様子が変だな?
「レイジングハート、どう思う?」
≪おそらく、なにやら作戦があるのでしょう。≫
・・・・・・そっか、それなら楽しみだね。
「いくでぇリィル!!」
【はいですぅっ!!】
「【フリージングダガー・ブリザードシフト!!】」
・・・皆の動きを眺めていると、ヒカリが水色の魔力弾をこちらに向けて放ってくる。
それはまるで吹雪のようで、無差別に私に襲いかかる・・・・・・なるほど、だからブリザードか。
「でも、まだまだ操作が甘いね。」
≪Axel Shooter≫
私も魔力弾を生成すると、相殺するように周囲にばらまいていく。
・・・・・・あれ?他の皆は・・・・・・
「【雷輝・・・】」
後ろから響く声にとっさに振り向くと、そこには腰の鞘に刃を収めてこちらへと高速で近づいてくる恭太郎。
・・・ちょっとまずいかもっ!?
「くっ!!!」
≪Round Shield≫
「【双閃っ!!】」
鞘から抜き放たれた二つの雷光をとっさに展開した障壁で受け止めるけど、それはいとも簡単に切り裂かれた。
・・・・・・さっすが恭文君とフェイトちゃんの孫と言ったところだけど、刀を振り向いた状態で隙が出来ている・・・・・・
「油断、大敵・・・・・・」
「それは、なのはさんの方やっ!!」
「っ!?」
とっさに上を向くと、今度はヒカリが突撃してくる。その銃口には・・・・・・青白い輝き。
「この距離からの砲撃なら・・・どうやっ!?」
≪Icicle Buster≫
ゼロ距離で砲撃魔法っ!?
≪Protection Powered≫
すると、レイジングハートが私の前にバリアを張ってくれる。
でも・・・ヒカリの魔力がケタ違いのため、受け止めるのが精一杯。
「・・・・・・今やティファ!!」
「なっ!?」
笑顔を浮かべたヒカリの言葉に驚いて確認すると、そこにはクロスファントムをこちらに構えるティファの姿。
そして、その銃口には流星を思わせる輝き・・・・・・あ、まずいかも。
「グロリアス・・・・・・ブレイカァァァァァァァァッッッッッッッ!!!!」
そして、流星の砲撃は放たれた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
・・・・・・手応えはあったけど・・・・・・クロスファントム、気を緩めないでね?
≪もちろんですよ。この程度でやられていたらあの方は伝説とは呼ばれていませんから。≫
恭太郎達も私の元に集まってきて、なのはさんを包んだ爆煙を見つめる。
「・・・うん、皆強くなったね。」
声と共に聞こえてくるのは、カートリッジの排出音・・・・・・そして、身の毛もよだつ感覚。
「!?散開っ!!」
「エクセリオン・・・・・・バスタァァァァァァァァァッッッッッッッッ!!」
とっさに私達はその場を離れると、先程よりも魔力の込められたピンク色の砲撃が通り過ぎていく。
そして、なのはさんの所を見ると・・・・・・そのバリアジャケットは変わっていて、さらに纏うオーラも変わっている。
なんだか、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・っていう擬音語が見えるようだわ。
「「「「・・・・・魔王が出たっ!?」」」」
「う〜ん・・・恭文君のおかげで慣れたけど・・・やっぱり言われると照れるね。」
いや、褒めてないですよっ!?というか、なのはさんが本気を出したら私達が勝てるはずが・・・・・・
「よし、ついでだから・・・レイジングハート、久しぶりにいくよ?」
≪・・・どうせ止めても聞かないんでしょう?≫
「にゃはははは。じゃあいくよ・・・・・・ブラスター1、リミットリリースッ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?
そして、なんかなのはさんの纏うオーラがさらに変わる。
「・・・・・・なぁ、タイチ?なのはさんの周囲に金色のオーラが見えねぇ?」
「奇遇だな恭太郎・・・・・・俺にも見えてる。」
「・・・あかん、完璧に死亡フラグやわ。」
うん、皆の言いたい事は分かった。というかあれって・・・・・・伝説の、ブラスターモード!?
なんでそんなモノ使うんですかなのはさんっ!?私達の事過大評価しすぎですよっ!?
「それじゃ、第二ラウンドを初めよっか?」
『ギャアアアアアアァァァァァァァッッッッッッッッッッ!?!?!?!?!?』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「か・あ・さ・ん?僕の言いたい事分かってるよねぇ・・・・・・?」
「にゃ、にゃはははははは・・・ユーキ、ちょっと落ち着いて・・・」
「落ち着ける訳ないでしょうがっ!?なんでただの模擬戦でブラスターモードまで使うのさっ!!あれか、バトルマニアの血が騒いだってかっ!?」
「ユーキ君の言う通りですっ!!医者としても、今日はなのはちゃんに説教ですっ!!」
「本当に馬鹿じゃないのこの横馬はっ!?やりすぎなんだよっ!!」
「「・・・・・・なのは(ママ)?少し、頭冷そっか。」」
・・・・・・模擬戦が終了後、なのはさんは正座をさせられて多数の人からお説教を食らっていました。
まぁ、フェイトさん達からすれば心配だったんだろうけどね・・・・・・
「・・・大変だったな。」
「ティファさん、お久しぶりです。」
すると、私に話しかけてくるのは黒い皮ジャンとジーンズを着けた男の子と、青い鬼のようなイマジン。
彼らは「野上幸太郎」と「テディ」。時の路線を守る新しい「電王」で、私達の古馴染み。
「・・・・・・アンタ達も来てたんだ。」
「まぁな、スバル婆ちゃんが久しぶりに皆と会うっていうからついでに来たんだ。」
「・・・・・・そっか。」
・・・・・・ぶっきらぼうに言ってるけど、顔が若干赤いわよ?あれか、照れ隠しなのか・・・・・・
「・・・幸太郎、そんなに恥ずかしがらなくてもいいと思うぞ?皆と久しぶりに会うからって眠れてないようだったが・・・」
「うるさいぞテディッ!!あぁもうっ!!さっさと皆の所にいくぞっ!!というかティファ、なんでニヤニヤしてるんだっ!?」
「べ〜っつに〜?ニヤニヤしてないわよ〜?」
私は両手を後ろで組むと、幸太郎の後をついていった。
・・・・・・こんな風に、私達の日常は過ぎていく・・・・・・これは大切な、私の思い出だ。
この思い出を抱いて・・・・・・私達は、未来に向かう。その先に待っているものは・・・まだ、わからない。
でも・・・きっと、素晴らしいものにしてみせる。
(終わり)
あとがき
ジン「・・・え〜という訳で、いかがでしたでしょうか?「とまと・外典」番外編加筆修正版。お相手は俺、ジン・フレイホークと・・・」
ティファ「私、ティファ・フレイホークでお送りします。」
ジン「・・・・・・いやぁ、色々変わったな。特に、なのはさんとの模擬戦が。」
ティファ「そうよね・・・でも作者、最初のくだりはなによっ!?あれじゃ私、危ない人みたいじゃないっ!!」
ジン「まぁ、新生六課の中では、怒らせると怖い人ベスト3に入っているらしいからな・・・」
ティファ「なにその後付け設定っ!?というか、どう考えても怒らせると怖いのは隊長陣の3名なんじゃっ!?」
ジン「・・・それはおいといてだ。今回の話は、外典DCDクロス後のアフターとして位置づけられる事になったな。まぁ、現在進行中のアフターがどうなるか分からんからそこら辺はぼかしているが。」
ティファ「・・・・・・おじいちゃんにスルーされた・・・・・・おばあちゃんに言いつけてやる。」
ティアナ「ちょっとジン、なにティファを泣かしてるのよっ!?」
ジン「どわっ!?いきなり入って来んなってっ!!」
ティファ「おばあちゃ〜んっ!!うわああぁぁぁぁぁっっっっっっんっっっっ!!」
(そしてティアナに泣きつくティファ・・・・・・ぶっちゃけ見た目が一緒なのでややこしいです。)
ティアナ「・・・・・・あの、ティファ?あんたこんなに泣き虫だったの?」
クロスファントム≪普段はそうでもないんですけどね。お父上とお母上の仕事が忙しくてほとんど未来のお二方に育てられたようなものなので、とんでもないおじいちゃん&おばあちゃんっ子なんですよ。≫
バルゴラ≪なるほど、ほとんど刷り込みだな。よかったなマスター、かわいい孫で。≫
メイル「む〜!!メイルの出番は〜?」
ガネット≪そして、私はいつになったら本編に復帰するんでしょうかね・・・≫
ライラ「まぁまぁ、落ち着いてください。」
シュロウガ≪・・・うわぁ、なんてカオスなんだろう・・・・・・≫
レムレース≪まぁ、気にしちゃ駄目だよシュロウガちゃん。≫
カペル≪お姉様の言う通りです末妹よ。≫
レリス「・・・・・・もうこれ、収集つかないんじゃないですか?」
アリス「まぁ、それもいいんじゃない?私は楽しいし。」
ライ「・・・あの、姉さん?なんで僕をだっこしてるのかな?」
レリス「可愛いからいいじゃないですか。」
フィーネ「フフフ♪皆相変わらずなのね。それと、ジン君の彼女に私の『娘』か・・・」
ジン「だあああああぁぁぁぁぁっっっっっっ!?!?なんだこのカオスな状況はっ!?それに、先生までいるしっ!?」
レイオ「・・・・・・坊主、頑張れ」
(カオスな感じでフェードアウト。本日のED:AAA『Climax Jump』)
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