頂き物の小説
第4話『とある魔導師の休日・・・本家では4話あるけど、1話で纏めてみた。反省はしたけど後悔はしていない』
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・・・俺とヤスフミが機動六課に来て、もう二週間が経とうとしていた。11月にもなるとさすがに肌寒くなり、冬が訪れようとしていた。
その間には、いろいろなことがあった。
ヴァイスさんや整備員の人達が異常なノリで俺らを歓迎してくれたり。
食事中、ヤスフミがリインさんに生トマトを押し付けようとしたら、なのはさんとフェイトさんとヴィヴィオちゃん(なのはの娘さんで、後日俺にも紹介された。その際に、名前で読んでくれと言われた。)に『好き嫌いしたらいけません』と怒られたり。
ヤスフミとスバルの模擬戦の賭けにしていたヴァイスさんwiz整備員の方々が、シグナムさんに追っかけまわされて、ついでにヤスフミもおっかけまわされて大混乱になったり。
スバルのお姉さんであるギンガさんが突然六課に来てリハビリがてらダブルリボルバーナックルをしたり。
ヤスフミがみんなの前で大声で『ティアナ様〜♪』と言ったらティアナが切れたり。
ティアナの執務官補佐試験終了と俺らの歓迎を兼ねたパーティーで、ヤスフミの恋の敗残兵伝説の一端が語られたり。
どうもガチな組み手を行ったらしく、ヤスフミとシグナムさんが午前中ずっとお説教されていたと思ったら、突然シャマルさんが泣きモードになって二人が慰めていたり。
・・・ほとんどヤスフミが原因なのはどうかと思うが。
さて、そんなことを思っている俺が何をしているのかというと・・・
せっかくの休日なので、バイクを走らせているのだ。たまには、あそこに帰らないとな。
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第4話『とある魔導師の休日・・・本家では4話あるけど、1話で纏めてみた。反省はしたけど後悔はしていない』
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「・・・休暇・・・ですか?」
「そや、こっちで既に手配しといたで。」
ヤスフミとシグナムさんがシャマルさんに説教をされていた頃、俺だけが部隊長室に呼ばれたのでなんだろうと思うと・・・いきなりはやてさん(なのはさん達をそう呼んでいたら、「うちも名前で呼ぶんや!!これは部隊長命令や!!」なんて言われた。)にそう告げられた。
理由を聞くと、なのはさんがヴィヴィオちゃんの学校見学にヤスフミを連れて行きたいのでスケジュールを調整したところ、ついでに俺も休みにしたらしい。
・・・そろそろ休みを取らないといけないと思っていたのだが・・・またいきなりだなぁ・・・
「・・・それで、俺はヤスフミにそのことを伝えればいいんですか?」
「いや、そんなことしなくてもええで。恭文にはなのはちゃんからそのことを聞いて思いっきり驚いてもらわんと。ウヒヒヒ・・・」
・・・あぁ、なんでだろう・・・はやてさんの頭に、小悪魔チックな触覚が見えるのは・・・気のせい・・・だよな?
「そういう訳で、休みの日はゆっくりしいや・・・なんなら、ティアナとデートなんかしてもええんちゃう?」
「・・・いや、ティアナの奴はスバルと出かけるって言ってましたよ?それに、どうしてティアナとデートって話になるんですか?」
「またまたぁ・・・配属初日にあんなことしておいて、責任とらんのかい自分?」
・・・その事を蒸し返すのか・・・これはあれだな。もしデートなんてことになったら六課全員で尾行されかねん・・・いや、この人なら絶対やる。
「・・・とりあえず、休みのことはわかりました・・・以上で話は終わりですか?」
「なんやつまらんな・・・ま、話は終わりや。仕事に戻ってえぇで〜♪」
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・・・とまぁ、こんな形で休みが決まったのだが・・・せっかく3日間も休みがあるんだ。いろいろ考えていたことをやろう。
そう決めて、俺はバイクを走らせている。まずは・・・花屋に寄らないと。あそこに行くのに、手ぶらじゃどうもな・・・・・・
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・・・兄さん、また来ますね・・・今度来るときは、執務官補佐の試験の結果を報告します・・・
私は、目の前にある墓標にそう呟くと、立ち上がって空を見上げた・・・墓標に刻まれている名前は、ティーダ・ランスター・・・ずいぶん前に亡くなった私の兄だ。
スバルも自分の母親の墓に行っている・・・と思ったら、向こうからスバルが歩いてくるのが見えた。
私はスバルと並ぶと、集合墓地の入り口へと歩き出す。そろそろ日が落ちてきていて、あたりは暗くなりつつある・・・早く、今日の宿泊場所を決めないとね。
「・・・ティア・・・お兄さんにいろいろ伝えることできた?」
ふと、スバルはそんなことを聞いてくる・・・もちろんよ。アンタはどうなの?
「うん!!ギン姉の分まで、いぃっっぱい伝えたんだ!!」
そう・・・なら、いいじゃない。そんな会話を続けていると、目の前から足音が聞こえる。私達が前を見ると、そこには・・・右手に白い花束を持ったジンがいた。
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・・・驚いたな。まさか、二人がここにいるなんて・・・
≪特にティアナだな。マスター、これはあれだ。フラグだ。ついにマスターもフラグを・・・≫
・・・バルゴラ、うっさい。
「・・・その花束・・・アンタも墓参りに?」
「あぁ・・・お前らは・・・って、ここは墓地なんだから墓参りに来るのは当たり前か。」
俺達は会話をしながら歩いていく・・・というか、なんでティアナ達はついて来るんだ?
「いいじゃない別に・・・」
「そうそう。せっかく休みに会えたんだし、一緒にご飯でも食べない?」
・・・あぁ、そりゃいいな。
そんな事を話しながら、俺達は目的の場所に着く・・・その墓標に刻まれている名前は・・・
フィーネ・スノウレイド
・・・俺の・・・先生だった人だ。俺は墓標に花束を捧げると、静かに黙祷をする。
・・・先生、お久しぶりです。先生が亡くなってから、本当にいろいろありました・・・
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私達は、ジンが静かに黙祷しているのを黙って見ている。なんだか、その背中は寂しそうだ。
”・・・ねぇ、ティア。”
すると、スバルが念話で話しかけてくる。スバルにしては気を使っているわね・・・で、何よ?
”・・・墓標に刻まれている名前、ジンの苗字とは違うよね・・・なにか知ってる?”
・・・あぁ、その事ね・・・多分、コイツが魔法を教わった先生よ。亡くなったって聞いていたし・・・
”・・・そうなんだ・・・そういえばさ、ジンって家族とか居るのかな?そういった話聞いたことないけど・・・”
そのスバルの呟きに、私は考え込む。・・・そういえばそうね・・・コイツのこと、何にも知らないかも。
すると、ジンはゆっくりと立ち上がって振り向き、私達に笑顔を見せた。ただ、その笑顔が形だけに見えたのは、私の気のせいだろうか?
「それじゃ、飯にでも行きますか・・・それと、お前ら泊まる場所とか決めてるのか?」
入り口に歩きながらそうジンに言われて、私達は考え込む・・・実は、まだ泊まる場所は決まっていない・・・それを表情から読み取ったのか、ジンはとんでもないことを言い出した。
「やっぱりか・・・なら、俺の家に来るか?二人くらいなら十分に泊まるスペースはあるけど・・・」
・・・・・・・・・は、はぁっ!?ちょちょちょちょっと待ちなさいよっ!?いくら同僚でも、いきなりそんな・・・
「え、いいの!?やった〜!!それじゃ、早く行こうよ〜!!」
・・・スバル、アンタはもう少し場をわきまえなさい!!私達まだ墓地に居るんだけど?・・・でも、そんな事勝手に決めていいの?
「・・・あぁ、寝る時はお前らに寝室を貸してやればいいだけだし・・・・・・・・・家には、誰も居ないしな・・・・・・」
・・・その後にジンが呟いた言葉は、小さい音だったはずなのに、やけに私の耳に響いた。そして、今更になって私は気づいた。
いつもならこんな時に真っ先に喋ってコイツをからかう筈のバルゴラが、一言も喋っていなかったことに。
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3人で夕食を済ませた後、私達はジンの家に着いた。そこは小さな二階建ての家で、どこか可愛らしい印象を持つ・・・ジンの印象からは考えられないくらいに。
「それじゃ、中に入れよ・・・そういや、お前ら着替えとか持ってるか?」
「ジンのエッチ〜♪何するつもりなの?」
「・・・変なこと言うなら、スバルには野宿してもらうが・・・構わないよな?」
「えっ!?」
「冗談だよ、冗談。それじゃ、どうぞ。」
ジンはドアを開けると、家の中に入っていく。私達も、それに続いて中へと入る。家の中はいたって普通で、インテリアもシンプルなものしか置かれていない。スバルはなんかはしゃいでいるが、私はスバルのようには出来なかった。
「風呂はあっちだから、少しゆっくりしていてくれ。バルゴラを置いていくから、分からんことがあったら聞いてくれな。」
「ジンはどこに行くの?」
「・・・飲み物とかがないから、買ってくるんだよ・・・それじゃ、すぐに戻るから。」
そんな事を言い残し、ジンは慌しく家を飛び出していく・・・スバル、アンタは先にお風呂に入りなさい。
「うん、わかった。それじゃ、おっ先〜♪」
スバルが浴室に入るのを確認すると、私はテーブルに放り投げられているバルゴラを手に取る・・・さて、今まで喋らなかったのは何で?こんな状況で、アンタがアイツをからかわないなんて・・・
≪・・・マスターの奴、ガラにもなくセンチな気分になっているからな・・・からかいにくいのだよ。≫
・・・って事は、やっぱり・・・
≪・・・ご想像の通り、マスターのご家族は既にこの世にはいない・・・その後、マスターはハイ・マスターに引き取られたのだ・・・この家は、マスターとハイ・マスターが住んでいた家だ。≫
・・・でも、帰ってきたのは久しぶりみたいね?ちらっと冷蔵庫の中身が見えたけど、いくらなんでも空っぽってのはおかしいわ。
≪・・・まったく、君のその洞察力には驚かされる・・・だが、私からはこれ以上言うつもりはない。どうしても聞きたかったら、マスターの口から直接聞くんだな。≫
ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!そんな事言っても、アイツが喋る訳・・・
≪分からんぞ?マスターは君の事を気にしているようだからな・・・あぁ、本棚のところに写真があるから、それも見てみるといい・・・君がそれ以上マスターのことに踏み込むのならばな。≫
・・・そう最後に告げて、バルゴラはスリープモードに入った・・・本棚、ねぇ?
私は本棚を眺めるとそこに写真立てがあることに気づき、それを手にとって眺める。そこには幼いジンと、腰まである水色の髪に赤い瞳、そして優しい表情を浮かべている女性が写っている・・・・・
・・・・・・これが・・・アイツの先生・・・・・・
「ただい・・・なにやってんだティアナ?」
すると、買い物袋を引っさげたジンが帰ってくる。私は慌てて写真立てを元の位置に戻した。
「・・・あぁ、写真を見てたのか・・・そりゃ気になるよな。」
そんな風にジンは笑うと、私の横に近寄ってきて写真を眺める。その顔は、私が今まで見たこともないような表情だった。私は何を話していいのかわからず、ただその顔を眺めていることしか出来ない。
「ふ〜、サッパリした・・・ジンにティア、なにやってるの?」
すると、スバルが頭をタオルで拭きながら浴室から出てくる・・・スバル、今回ばかりはアンタに助けられたわ。
「お、スバルは風呂が終わったのか・・・じゃあ、ティアナも早く入れよ。」
「・・・わかったわよ。」
そう呟くと、私は着替えを持って浴室に行く・・・私はシャワーを浴びながら、ふとバルゴラが言っていたことを思い出した。
アイツが私の事を・・・・・・・・・・・・想像してみて、思わず顔が真っ赤になった。
何とか気持ちを落ち着かせて風呂から上がると、スバルとジンはTVゲームで対戦をしていた。その後、再び起動したバルゴラも交えてマ○オパーティーをしたり・・・とにかくいろいろなゲームで遊んだ。
・・・あ、なんか楽しいかも。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
・・・真夜中、ふと私は目が覚める。時刻は午前2時・・・どうも寝つきがよくない。
あの後、私とスバルは二階の寝室に案内されて、そこで眠ることになった。・・・なぜベッドがホテルみたいに二つあるのかは気にしないでおこう・・・
隣のベッドで寝ているスバルを見ると、気持ちよさそうに寝ている。私はベッドから降りると、寝室から出て階段を降りる。なにか飲み物でも飲めば、ぐっすり眠れるだろう。
「・・・ティアナ?どうしたんだよいったい。」
一階に下りると、ジンがココアを飲みながらソファーに座っていた。・・・いや、アンタこそ何してんのよ。
そんな私の問いかけに、ジンは苦笑して答えた。
「・・・いや、眠れなくてな・・・お前も飲むか?」
「・・・いただくわ。」
「うし、じゃあ座っていてくれ・・・すぐに用意する。」
そういうと、ジンは立ち上がって台所に行く・・・私はソファーに座ると、クッションを抱えてココアがくるのを待つ・・・しばらくして、ジンが私のココアをもってソファーに座った。
「ほらよ、熱いから気をつけろよ?」
「分かってるわよ・・・」
・・・・・・・・・そんな感じで、しばらく沈黙が続く。
な、なんか話さないと・・・・・・・・・・・・そうだ。スバルもいないし・・・今のうちに聞いておこう。
「ねぇ・・・アンタの先生って、どんな人だったの?」
その私の言葉に、コイツは驚いた顔をすると、笑みを浮かべて話し出した。
「・・・そうだな・・・・・・・・・とても優しい人だったよ・・・・・・家族を亡くした俺を引き取ってくれたし・・・これは、エリオ達の関係に似ているかな?それから・・・」
・・・先生の事を話している時のコイツの顔は、まるで子供が母親を自慢しているようで・・・・・・見ている私も、なんだか微笑ましくなってきた。
「・・・魔導師になるっていったら最初は反対していたけど、最終的には折れてくれて・・・そっから厳しい訓練が始まったな・・・」
・・・・・・なんでだろう・・・・・・コイツの事、もっと知りたくなってきたな・・・・・・
そんな事を考えながら、私はコイツの話に耳を傾けていた・・・・・・気が付くと、眠くなっていたけど・・・・・・
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う〜ん、朝か・・・おはよう、マッハキャリバー。
≪おはようございます、相棒。≫
≪おはようございます。≫
クロスミラージュの声も聞こえて・・・あれ、ティアがいない?
私がベッドから体を起こすと、隣に寝ていたはずのティアがいない事に気が付く。
・・・ひょっとして、もう起きちゃったのかな?でも、クロスミラージュを置いていくなんて・・・
とりあえず私はマッハキャリバーとクロスミラージュを持つと、寝室を出て階段を下りる。
≪おはよう、ぐっすり眠れたかね?≫
一階に下りると、空中に浮かんでいたバルゴラがそう挨拶してくれた。うん、ばっちりだよ〜♪
≪そうか・・・元気一杯なのに申し訳ないが、少し静かにしていてくれ・・・マスター達が起きてしまう・・・≫
あ、まだ寝ているんだ・・・・・・そう思って私が後ろを向くと、そこにはびっくりするような光景が広がっていた・・・・・・え、何がどうなっているの?
≪これは・・・驚きです・・・≫
≪・・・Sir・・・ついに春が来たのですね・・・≫
そこには・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ソファーで肩を寄せ合って眠っている、ジンとティアナの姿があった。
ティアナはジンの肩に頭を乗せて、ジンはその上に頭を傾けている。
・・・・・・でも、なんだかいい雰囲気・・・・・・まるで恋人同士みたい。
≪・・・・・・・・・・・・これは素晴らしい・・・・・・この光景はぜひともメモリーに保存しなければ・・・・・・スバル、君ももらうか?≫
うん!!これ見たらティアナ驚くだろうな〜♪
≪・・・・・・しばらくして目を覚ましたマスターとティアナが、お互い顔を真っ赤にしていたのは予想通りだったな。≫
「そうだね♪」
「「いいから思い出させるなぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!」」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
・・・なんとかショックから立ち直ると、あの亀でもクロでもないのにサギ師でフリーダムな部隊長には、しっかりとした報復をする事を胸に誓った。
なお、逆恨みではないかという意見はスルーします。さて、他のメールもチェックする。
あれ? スバルからも来てる。
≪ラブメールですか?≫
・・・絶対違うと思う。アルトの茶々に対してそんな事を考えながら、メールを開ける。
『件名:どうしてる?
やっほー! 恭文元気してる? なのはさんとヴィヴィオとの学校見学どうだったかな?
まぁ、上手くいったとは思うけどさ。メール見たら、どうなったか返事送って欲しいな。
こっちはね、ティアと一緒に母さんと、ティアのお兄さんのお墓参りすませてきたよ。これから、ティアと一緒に、友だちの顔を見たりしながらゆっくり帰る予定。
お土産も用意しているから、期待しててね♪
PS:休みだからって、いい加減に過ごしたらダメだよ? 休みが終わって、シャマル先生の許可が出たら、また模擬戦しようねっ!
今度は、恭文の戒め全部取り払うくらいに頑張って、絶対に勝つからっ!!
あと、お墓参りに行ったら偶然ジンと会って、そのままジンの家に泊まらせてもらったんだ!!
そこで、すっごい写真を撮ったから、恭文にも送るね♪
スバルより』
≪・・・おめでとうございますっ!!≫
「いや、なにがよ?」
≪わからないのですか? 女の子が旅行先から、マスターが特に何もしていないのにメールを送ってくる。これはまさにラブメールフロムミッドチルダですっ!
やはり、初日に立てたフラグの数々は無駄ではなかったのですねっ!!≫
アルト、フラグって言うな。そして数々って言うな。僕が一体何を・・・したねぇ。ハグしたり、N・T式コミュニケーションしたり。
とは言え、この勘違いは止めておかなければならない。ツッコませてもらいましょうか。
「あー、盛り上がっているところ悪いんだけどさアルト」
≪なんですか?≫
「リンディさんやアルフさんや、なのはにフェイトにはやてや師匠達も、同じ感じで送ってきたことあるけど?」
≪あぁ、神様。この世には夢も希望もヘチマもないのですか? いや、ヘチマはありますけど≫
毎度毎度こういう会話をする度に思うけど、アルトはほんとに普通のAI付きデバイスを超えた反応を見せてくれるよね。
・・・・・・さて、スバルが送ってきた写真ってどんなのだろう?というか、ジンが家に泊めた?・・・あぁ、ジンが先生と一緒だった頃に住んでいた家のほうか。
写真データをチェックしてみると、そこに写っていたのは・・・
ソファーで肩を寄せ合って眠っている、ジンとティアナの姿だった。
しかも、ティアナはジンの肩に頭を乗せて、ジンはその上に頭を傾けている。
・・・・・・・・・・・・・・・・はい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
≪どうしたんですかマスター?≫
・・・・・・アルト、これ見てみなよ・・・・・・・・・
≪なんでしょう・・・・・・・・・ちょっと待ってください、なんですかこれ。≫
・・・・・・いや、スバルから送られてきたんだけど・・・・・・
≪ますます訳が分かりませんよ。どうしてジンのほうが先にカップル成立させているんですか?いや、確かにジンとティアナさんにはマスター以上のフラグがありましたけど、これはおかしいですよ?≫
・・・・・・なんでだろう、出かける前に頭が痛くなってきた・・・というか、先を越されるなんて・・・
もういいや、さっさと出かけますか。早くしないと道が混んじゃうし・・・
≪・・・・・・マスター。≫
・・・何?
≪・・・先ほどの写真データ、私のほうにもバルゴラから送られてきました。≫
・・・・・・ジン、ティアナ・・・・・・ドンマイ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「ティア、ここからあそこまでってどれくらいかかるの?」
「そーね・・・。あと一時間くらいくらいかしら」
「そっか。ねぇティア、ノーヴェ、今日は会ってくれるかな?」
「どうだろうね。チンクさんやウェンディ達の話だと、まだ凝り固まってる所があるらしいから」
「・・・ちゃんとお話出来たらいいんだけどな」
私とティアはジンの家から慌しく出て行った後、あの子達のいる海上隔離施設へと向かう所。ジンが朝ごはん作るって言ってたんだけど、ティアが無理やり出発したんだよね・・・
そんな訳で、今はハンバーガー屋さんで少し遅めの朝食中。ここの朝限定のマフィンが美味しいんだよねぇ〜。フカフカしてて塩味が絶妙で〜♪
あ、ティアが食べている新作マフィンも美味しいんだよ?
生地の中にメープルシロップが混ぜ込んであって、甘くてフカフカで、これが目玉焼きやチーズやベーコンによく合うの〜♪
・・・って、そうじゃなかったっ!!
私たちが今から向かう所には、あの子達がいる。
あの事件で出会って、戦ったナンバーズのみんな。それに母さんの同僚だったメガーヌさんの娘であるルーテシアに、その友だちのアギト。
あれから、何回か暇を見つけてはティアと行って、みんなと普通にお話が出来るようになった。
でも・・・、その中で、ノーヴェだけは、私たちの誰とも話す事を拒んだ状態だった。
仲良く、できないのかな?
マフィンを食べる手を止めて、そんな事を考えていると、突然メールの着信音が鳴り響く。
えっと、この着信は・・・恭文だ。
私は、プライベート用に使っている携帯端末を操作して、メールを見る。
『件名:Re:どうしてる?
スバル、メールありがとね。こっちは元気だよ〜。なのはとヴィヴィオの学校見学の方も上手くいったよー!
細かい事は休み明けに話すけど、なかなか楽しかったよー。学校の子ども達と、ヴィヴィオ共々友達になったりとかしてね。
そっちも、お墓参り無事に済んだみたいでよかったね。あー、ティアナに運転気をつけるように伝えておいてくれるかな?
で、無事に帰ってきたら模擬戦やりましょともね。もち、スバルともやるよ? まぁ、簡単に勝たせないけどね〜♪ 僕もアルトも、負けるの嫌いだし。
それじゃあ、僕も用事が出来て今から出かけるところだから行って来るね。お土産いいのがあったら買って来るから期待しといて〜。
最後になったけど、怪我しないように無事に帰ってきてね。
PS:あの写真は何?なんであんなことになっているのか意味が分からないんだけど・・・
とりあえず、ティアナにはおめでとうって言っといて。
それじゃね。』
そっか、学校見学上手くいったんだね、よかった。
でも、そこに通うヴィヴィオはともかく、恭文まで学校の子達と友だちになるなんて・・・。なんか、恭文らしいなぁ。
「ね、メール誰からだったの?」
「うん、恭文から。なのはさんとヴィヴィオの方、学校見学は上手くいったんだって。
それでティアに伝言。運転気をつけるようにってのと、無事に帰ってきたら模擬戦しようねって」
「そっか、じゃあアイツ当てにこっちからも伝言頼むわ。
『心配してくれてありがとうね。それと、模擬戦やるのはいいけど、今度は終わった直後にドクターストップがかからないようにしてくれると助かるわ』って」
ティアが、フライドポテトを食べながらそう口にする。なんか、ティアらしいな。
「ね、それならティアが自分でメールしなよ〜。恭文きっと喜ぶよ?」
「なに言ってんの? アイツのアドレス知らないのにメールなんて出来ないわよ」
・・・あれ? ティアって、恭文のアドレス知らないの?
「知らないわよ、聞いてないんだから。てーかなんでアンタは知ってるのよ? しかも、プライベート用の連絡アドレスでしょそれ?」
「うん。模擬戦の翌日に教えてもらったの。なにかあったときに連絡が取れるようにって」
「・・・そうなの?」
「そうだよ?」
私がそう口にすると、ティアが呆れたような、よくわかんない顔になった。・・・なんで?
「そういや、アイツはアンタのアドレス知ってるの?」
「私がその時に教えたよ。何かあったらいつでも連絡していいからって言って」
「プライベート用のアドレスを?」
「だって、私だけ知ってるのも変でしょ? 不公平だよそんなの」
あれ、なんで頭抱えるの? 私、変な事言ったかな。
「いや、気にしなくていいわよ。てーかとっとと食べて出発するわよ? もたもたしてたら、お昼が夕方になって夜になるじゃないの」
「あ、うん。分かったっ!」
ティアの言葉に促されて、私は食べかけの特大マフィンにかぶりつく。・・・美味しいーーー!!
「・・・あ、そうだ。写真を送ったら、ティアナにおめでとうって。」
「写真・・・何の写真を送ったのよ?」
「え?朝のジンとティアナのツーショット。」
「・・・・・・・・・・・・アンタは何を送ってんのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっ!?!?!?い、今すぐ消去しなさいっ!!」
「え〜?もう恭文には送ったし、バルゴラがオリジナルのデータを持っているよ?」
「あのデバイスゥゥゥゥゥゥゥッッッッッッ!!!!」
・・・ティア、そんなに大声出すとお店の人に怒られちゃうよ?
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
・・・・・・いや、なんだったんだいったい。
朝起きてみれば、隣にティアナが寝ているし・・・いや、二人とも顔が茹蛸のように真っ赤になりましたって。
≪フッフッフ・・・・・・マスター、これでカップル成立だな。≫
・・・やめぃ。ティアナにも迷惑だろうが・・・というか、写真に撮ったりしていないだろうな?
≪もちろん撮ったが?既にスバルにも送信済みだ。そこからどんどん広がると思うぞ?≫
・・・・・・ティアナ、ごめん。俺は止めることができなかったよ・・・・・・とりあえず、お前は今すぐそのデータを消せ。これ以上お前から広げられると大変だ。
≪仕方ないな・・・・・・まぁ、古鉄殿にも送ったところだし、問題はないか。≫
・・・・・・どうやら、休日が終わったらからかわれるのは確定みたいだな。
さて、今の俺がどこに居るのかというと・・・・・・時空管理局本局、無限書庫の前である。
・・・事前にアポとってないけど、大丈夫かな?
≪なぁに、仕事を少し手伝うと言えば、歓迎してくれると思うぞ?≫
・・・ま、なんとかなるか。
俺は気楽に考えると、警備端末のスイッチを押した。すると、女性の声が聞こえてくる。
『はい、こちら無限書庫です』
「どうも、嘱託魔導師のジン・フレイホークです。スクライア司書長に会いたいのですが・・・」
『フレイホークさん!?・・・少々お待ちください・・・』
すると、なにやらどたばたとした音が聞こえる・・・やっぱ忙しいのかな?
しばらくすると、先ほどの女性の声が聞こえてきた。
『お待たせしました・・・中へどうぞ。』
扉が開くと、俺は中に足を踏み入れる・・・いや、飛び出していくといったほうが正しいか。
そこに広がるのは、無重力の空間と360度に無数にある本の山・・・・・・山にはなってないか、全部浮かんでいるし。
ここは、時空管理局が誇る超巨大データベース『無限書庫』。次元世界の知識と歴史の全てが存在しているとも言われている場所。
「久しぶりだねジン君・・・いったいどうしたの?」
すると、下のほうからよく知った声が聞こえてくる・・・そこには、長い金髪を後ろで束ねて、スーツをつけた男性がいた。
この人はユーノ・スクライアさん。この無限書庫の司書長であり・・・俺の知り合いでもある。
「お久しぶりですユーノさん。いや、休暇が入ったんでユーノさんの顔を見に・・・ついでに、お手伝いもしましょうか?」
「ホント!?それじゃこれをお願いするよ!!」
そういってモニターに映し出されるのは、検索魔法の数々・・・・・・この量を一気にやると、まともに動かないんじゃないか?
・・・さて、出来るところまでやりますかね?バルゴラ、いくぞ。
≪了解した。≫
そして、俺は数々のプログラムに取り掛かった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
僕の目の前では、ジン君がたくさんの検索魔法を一度にこなしていくのが見える・・・
普通なら上手く働かないのだが、彼にはそういった事はあまり関係ない。なぜなら、ジン君には特殊な能力がある。
・・・並列・分割処理能力・・・
その名の通り複数の術式を一度に処理できる能力なのだが・・・ジン君はその処理能力が桁違いに速い。
また、ジン君は訓練で、高速詠唱と高い魔力運用の技術を鍛えた為、普通の魔導師ならまともに動かなそうな術式でもらくらくと発動させる・・・その能力はここではとても重宝している。
例えば、何回にも分けないといけない量の探し物も、ジン君は1人で行うことが出来る。もちろん、彼の魔力量の限界に収まる範囲でだけどね。
・・・つまり、ジン君に資料請求を任せれば・・・今日は徹夜を避けられる!!
ちなみに、恭文君とジン君が一緒に無限書庫に来て作業を手伝ってくれたことがあったのだが・・・・・・
結果は定時での勤務終了(しかも、クロノの無茶な資料請求があったにもかかわらず!!)という形になった。その時、無限書庫は歓喜の渦に包まれた・・・・・・うん、アレはいつ思い出してもすごいよ。涙が出るくらいに・・・・・・・・・
そんな訳で、検索はジン君が引き受けてくれる・・・・・・後は、資料を探すだけだっ!!皆、がんばってね!!
・・・・・・・・・その時、無限書庫にいるすべての人の心が一つになった。
・・・・・・今日は絶対に家に帰るんだ・・・・・・
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「ごめんねジン君、大丈夫だった?」
「いえ、体も問題ないですし・・・・・・ぎりぎりまでお手伝いしますよ。」
≪ユーノ殿、遠慮なくマスターと私を使ってくれ。これはマスターの訓練にもなるのだからな。≫
・・・昼休み、俺とユーノさんは食堂で一緒にご飯を食べていた。なんでも食堂を使うのは1週間振りらしい・・・無限書庫、福利衛生はきちんとできているのか?
そんなバルゴラの言葉に、俺は苦笑する。・・・・・・確かに、無限書庫の仕事は魔力運用や術式詠唱の訓練になる。
以前恭文に誘われて手伝いをしたところ・・・・・・・・・検索魔法をこなしている内に、より効率的な魔力運用や術式詠唱を身に着けたらしい。処理能力も以前より2割ほど上昇している。
その為、仕事がなければ呼ばれていなくても手伝いに行くことがけっこうある。俺は訓練が出来て、ユーノさん達は時間が作れる・・・一石二鳥だろ?
「そういえば・・・・・・ジン君機動六課に配属されたんだね。なのはから聞いて驚いたよ。」
「・・・・・・あいかわらず、なのはさんとはメールだけですか?」
「ん?なのはの事名前で呼んでるね・・・・・・以前は苗字に肩書き付だったのに。」
「いや・・・本人にそう呼んでくれって言われたので・・・」
・・・そう、ユーノさんとなのはさんは友達なのだ。なんでも、10年近くの付き合いらしい。
一度ユーノさんの防御魔法を見たことがあるが・・・・・・デバイス無しであれは正直反則だと思う。だって、こっちの攻撃でびくともしなかったんだぜ?
・・・ただ・・・問題があるとすれば、ユーノさんはなのはさんの事が好きだが、なのはさんがそれにまったく気づいていないという事ぐらいか。
・・・正直、ヤスフミ並に気づかれていない。いや、ユーノさんが忙しすぎるのも問題だけど。
「・・・そうなんだ・・・僕はなのはと会えないのに・・・いいなぁ・・・」
・・・すると、ユーノさんは落ち込んでいく・・・あの、元気出してくださいよ。なのはさんに、顔出すように言っておきますから。
「・・・うん・・・ありがと・・・」
「し、司書長っ、大変ですっ!!クロノ・ハラオウン提督からの資料請求が来ましたっ!!」
すると、司書の1人が大慌てで食堂に駆け込んでくる。・・・マジかよ。あの人は無茶苦茶いってくるからな・・・
「・・・・・・ジン君、手伝って・・・・・・くれるかな?」
そうですね・・・・・・付き合いますよ。
俺とユーノさんは昼食を食べ終わって頷くと、資料請求と言う名の敵と戦うために戦場(無限書庫)へと向かった・・・
・・・ちなみに、俺が検索魔法を魔力枯渇寸前まで引き受けたので、定時までとはいかなかったが無限書庫の皆さんは約2週間ぶりに家に帰ることが出来たらしい・・・
とても疲れたけど・・・本当に感謝された。なんか照れるな・・・・・・
そして、先生の家に戻った俺はぐっすりと眠ることが出来た・・・・・・明日で休みも終わりか・・・・・・
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
・・・次の日、俺は朝早くに目が覚めたので恒例のランニングをする・・・
ランニングが終わり、シャワーを浴びてすっきりしたところで朝食を作り出す・・・うん、まぁまぁだな。
さて、今日はどうしようか・・・うし、掃除でもするかな?
俺はさっそく掃除用具を取り出すと、家の中を掃除し始めた・・・
≪・・・・・・・・・マスター、主夫みたいだな。≫
・・・バルゴラがなんか言ってるが、気にしないでおこう・・・
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「確かに、恭文さんとスバルはすっごく仲が良いみたいですけど。まぁ、さっきはちょっとケンカしてましたけど・・・」
あー、リインがちょっとへこんどる。あー、リインはやっぱり元ヒロインとして色々考えるんやろうなぁ。
あと・・・スバルもへコんでたなぁ。そんな状態やったから、話す機会が出来ればと思ってスバルも買い物班に送ったんやけど、恭文怒らすと怖いからなぁ。
どれくらい怖いかというと、一回クロノ君と仕事絡みで口喧嘩した時の話を例にあげようか。
・・・一時間後にクロノ君が『生まれてきてごめんなさい』と鬱な表情で連呼しているくらいかなぁ。つまり、容赦を全くしなくなる。
いつぞやは、仕事で同席してた執務官が怪我させられたのにキレて、犯人グループを潰したこともあったな。
奥の手やら切り札やら切りまくってフルパフォーマンスで大暴れしたもんやから、現場が凄い事に・・・。
うちはその現場写真しか見てないんやけど、アイツの保有火力の高さに恐怖したで。ある意味なのはちゃん2号やもん。
とは言っても、フェイトちゃんもおるし、ヴィヴィオの前でもあるわけやし、そないにあやつもメッタ叩きにはせぇへんやろ。
「って、へコんでないですっ! というか、元ヒロインってなんですか元ってっ!? リインは今でも充分ヒロインですっ!!
それにそれにっ! 恭文さんとスバルがそうなる要因がわかりませんっ!!」
あぁ、そんな怒らんといて? 可愛い顔が台無しや。 それはそれとして・・・うーん、そうなる要因かぁ。あるやん、色々と。
「例えば、初日で模擬戦やらかして、お互いに普通に話するよりも理解深まっとるやろ。
うちの目から見てもホンマに仲のえぇ友だち同士に見えるし、そこから発展していくのは想像に硬くないやろ?」
恭文は、基本的に人付き合い下手やし、積極的な方やない。つか、慣れてない人間に対して、あれこれ手札晒すことを嫌う。
にも関わらず、会ってまだ一ヶ月も経ってへんスバルに対して、あそこまで仲よう出来る言うことは、結構心許してると思うんよ。
ほんまにこういうんは珍しいんよな。無神経そうに見えて、意外と人との距離を測るタイプやから。
あ、一つ訂正。『女の子に対して』やな。まぁ、フェイトちゃんが居るから仕方ないんやけど。フェイトちゃん、遠慮なく誤解するしな。
「そうね。それにスバルさんもいい子みたいだし、私としては歓迎だわ。あの子の手綱をしっかり握ってくれそうだもの」
「いきなり結婚みたいな話に飛んでるです・・・」
「あの・・・」
うちらが好き勝手な事をいっていると、ティアが遠慮しがちに話し掛けてきた。なんやなんや? なんかうちらの知らない秘密情報でもあるんか?
「実は、スバルとアイツって、メールでも連絡しあってるみたいなんですよ。頻度はわからないんですけど」
「そうなの?」
リンディさんの言葉に頷くティア。・・・そこまで行っとるんか。
というか、あの恭文がこの短期間の間にアドレス教えたんか? あやつ、さっきも言うたけど、そんな積極的に踏み出すタイプやないのに。
「スバルが聞きだしたとは言ってました。それで、スバルもプライベート用の連絡アドレスをアイツに教えたそうです」
「マジかっ!?」
なんやなんや、そんなとこまでかい。というか、スバルの方が積極的に・・ちゅうことか?
ふふふふっ、やっぱ恭文呼んで正解やったわ。こんな面白い事になってくるんやからなっ!!
「リイン、ティア、二人とも協力しい。恭文とスバルくっつけるでっ!! あと、リンディさんもよろしくお願いします」
「「「いや、なんでそうなりますっ!?」」」
全く、三人ともわかってへんなぁ。ええか?
「スバルは、アクティブでどんどん外に出て行くタイプや。しかも、うちらが来る前の話を聞く限り、あの引きこもりにしっかりと喝を入れられるときとる。
その上、可愛いしスタイルもえぇし性格も○。セクハラしても怒らへんし、お胸も最近ぐんぐん成長しとるし触りごこちも抜群やっ!
恭文にはこれ以上ない逸材やでっ!!」
つーか、うちがどうにかしたいくらいや。恭文にはもったいなさ過ぎるで。
それに、そうはならなくてもあやつがフェイトちゃん症候群から抜け出すキッカケになれば御の字や。一途過ぎて完全に引きずっとるしなぁ。
「いや、八神部隊長。それ半分以上は部隊長の要望ですよね?」
「なんか言うたかティア?」
「いえ、なんでもありませんっ!!」
「なるほど・・・、そういう事なら協力しましょう」
「「いや、なんでそうなりますっ!?」」
いやぁ、リンディさんは話が早くて助かるわぁ〜。
「だって、楽しいじゃないこういうの。あ〜、クロノとエイミィ以来だからちょっと緊張しちゃうわー!」
ティア、リイン、そんな呆れたような顔したらあかんで? 基本的にこの方はこれが地や。リインは知っとるやろ?
「それは・・・知ってるんですけど・・・」
「そういうわけで、がんばりましょうはやてさん!!」
「はい、リンディさん!!」
「「おーーー!!」」
「・・・もう止められないんですね」
「はいです。あと、私もティアも巻き込まれてるです・・・」
「「はぁ〜」」
二人とも、ため息吐かんといてくれるかな? なんかうちらが悪いみたいやんか。
「・・・・・・・・・そういえば・・・・・・ティアはジンとどんな感じなん?」
ふとうちが問いかけた言葉に、ティアがあからさまに動きを止める・・・・・・ホホゥ、これはなんかあったなぁ・・・・・・
「あら?ジン君って恭文君と一緒に六課に出向してくれた子よね・・・・・・そんな仲になっているの?」
「ティア・・・ジンとラブラブになったです?」
「ち、ちちちちちち違いますよっ!?別に進展はありませんって!!」
ふふ〜ん♪ティア、それはなんかあったって言ってるのと同じやで?・・・ま、恭文とスバル、ジンとティアをくっつけるためにも早速作戦会議や!!
とりあえず・・・・役に立ちそうなもんが近くにあるからそれみて考えてみよっか。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ふぅ〜、綺麗になったなぁ・・・
≪マスター、お疲れ様だ。≫
おう、ありがとな。
俺は昼食に朝の残り物を食べると、背伸びをする・・・コンセントは可能な限り抜いて・・・よし、準備は整った。
俺はグローブをつけると、荷物をリュックサックに纏めて背中に背負う。そして、玄関の横においてあるフルフェイスのヘルメットをとった。
・・・多分、六課に出向中はこの家に帰ることは少ないだろう。でも、今の俺はあそこが居場所なんだ・・・・・・先生、行って来ます。また帰ってきますね。
“・・・・・・いってらっしゃい。気をつけてね・・・・・・”
・・・・・・ふと、先生の声が聞こえた気がした。・・・・・・気のせい、だよな。
俺は入り口の鍵を閉めると、ヘルメットをかぶってバイクに乗り込み、エンジンを吹かせた。
・・・あ、ついでにお土産も買っていこう。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
うーん、難しい・・・。
ジャガイモ剥くのって、こんなに難しいの? 恭文は、スルスル剥けてるのに・・・。
「当たり前だよ。僕はリンディさんやエイミィさんに散々仕込まれたんだから」
「あら、仕込んだなんて人聞きが悪いわね。うちに料理上手な息子がもう一人出来たらいいなぁ〜という希望をもって、教えたのに」
「リンディさん、それを仕込むって言うんですよ?」
なんて言いながらも、恭文は自分の分のジャガイモを全部剥き終わって、リンディさんは小麦粉から作る本格的なカレーペーストの仕込を続けている。
「恭文君、野菜全部剥き終ったら、全部切って、炒めといてくれるかしら? あとは肉の下ごしらえもお願いね」
「了解っすー。スバル、焦らなくていいから怪我しないようにゆっくりね? 僕は他の野菜下ごしらえしとくから」
うーん、なんか逆な気がする・・・。
普通、女の子が料理上手で、男の子が苦労しているのを『仕方ないなぁ』とか言いながら楽しく料理するのが図式だと思うのに。
全く逆ってどういうことなんだろう?
「・・・いや、まずスバルの料理スキルが0だってのが、どういうことって話になるから」
「ごもっともです・・・」
だって、料理なんてする機会なかったんだもん。ずっと寮暮らしだし・・・。
「リンディさん、ご飯炊けました」
「ありがとうティアナさん、それじゃあそれをお櫃に入れておいて、またご飯を研いで炊いてもらえるかしら?」
「了解です」
今、恭文の家のキッチンは戦場と貸している。お昼は、ヴィヴィオの要望でカレーライスになったところまではよかったけど、この人数。そして私はよく食べる。
なので、大量のカレーとライスを仕込むのに四苦八苦している。
リンディさんが陣頭指揮をとって、恭文は副隊長みたいな感じ、私は恭文の下について野菜の下ごしらえ。
ティアは、一人暮らし用の最大五合まで炊ける炊飯器をフル活用して、ご飯を大量に仕込んでいる。
ちなみに、アルフさんとなのはさんとフェイトさんに八神部隊長とリイン曹長とヴィヴィオは、恭文秘蔵の映像ディスクを先立って見ている。
料理を手伝うといってくれたのだけれど、私とティアが手伝うからと言って、ゆっくりしてもらってるのだ。ほら、一応私達部下だし。
リビングを見ると、なんかみんな楽しそうだけど、面白いのかな? うる○いし○くちゃんって。
「面白いことは面白いけど、ヴィヴィオにあのノリは早い気がする・・・。
そういや、ティアナがご飯の研ぎ方知ってるなんてビックリしたよ。料理得意なの?」
「別に得意なわけじゃないわよ。
・・・訓練校のサバイバル訓練でちょっとやったことがあるくらいよ。どういうわけか、お米を研ぐことしかやらせてもらえなかったけどね」
それは、野菜を切るときに力を入れすぎてまな板まで切ったり、危なっかしい姿勢でフライパン握ったりしていたからだと思う。
「ティアナまでそれなんだ。つか、よくそれでなのは達に下がっててとか言えたね・・・」
「そんな呆れ顔しないでよ。だって、私達はほら、部下なわけだし、ちゃんとしたいなって思って」
「いや、料理がちゃんと出来なきゃ意味無いでしょうが」
恭文の言うことは多分正論。だけど、それでも譲れない一線というのがある。局員は、大変なんだ。
「それに、私は大丈夫だよ? ギン姉がやってるの見てたしっ!」
「ねぇスバル。シューティングアーツは見てるだけで上手くなった? それと同じことだよ」
≪さすがマスター。ツッコミが素晴らしいです≫
恭文の言葉が突き刺さる。でも、今こうしてやってるから、大丈夫だと、信じる。そう、自分を信じることが、未来を切り開くから。
「いや、それは関係なくない? つか、アンタだって、包丁触らせてもらうことすらさせてもらえなかったじゃない」
「あー、ひょっとして『調理中に敵襲がくるかもしれないから、周りを巡回してくれ』とか言われたの?
って、まさかそんなわけないか。あははははは」
「・・・そうだけどなにか?」
「・・・・・あー、ごめんスバル。うん、僕が悪かったと思う」
「別にいいけどさ。ほとんど料理とかしたことないし」
「ギンガさんとはしてなかったの?」
「うん、ギン姉が一人でアレコレ出来ちゃってたから」
なんていいながら、やっとジャガイモを剥き終わる。・・・長かったよ〜。
「あー、安堵してるとこ悪いけどこれよろしく。剥き方はさっき見せた感じでお願い。
剥いてくれたら、あとは僕がさっとみじん切りにするから」
そう言って、恭文が私の前にドンっと出してきたのは、タマネギが・・・・15個? え、ちょっとまって。
「これ、私が全部やるの?」
「大丈夫、僕もにんじん終わりしだい手伝うから。出来るとこまででいいよ」
そう言って、優しくニッコリと恭文は微笑む。・・・さっきのフォローのつもりなのかな。それで誤魔化されるほど、女の子は単純じゃないよ?
でも・・・許してあげる。さっきは私が嫌なこと言っちゃったしね。あ、これでおあいこだからね?
私がそんなことを思っている間にも、恭文は包丁で人参の皮を器用に剥いて、みじん切りにしていく。うーん、やっぱり逆だよー。
≪スバルさん、料理スキルを蓄えてから言ってください。というより、マスターと比べるほうが間違ってます。
愛のために努力したおかげで、無駄にスキル高いんですから。翠屋で鍛えられたのは伊達ではありません≫
「愛のためって、アンタ・・・」
「うー、それはそうだけど・・・。やっぱり悔しいー!」
「なら、スバルさんもティアナさんも、これから料理を始めればいいのよ。きっと必要よ?
いずれは恋人や、旦那様を持つかもしれないんですから」
「へっ、こ、恋人・・・旦那様っ!?」
カレーペーストを、額に汗を浮かべながら仕込み続けるリンディさんが、素敵な笑顔と共に私達にそう言ってきた。
で、でもっ! 恋人とかってそんな簡単には・・・ねぇ? ティアは綺麗だけど、私はどうかわからないし。
そりゃあ母さんに、『いつか母さんみたいに両手でリボルバーナックルの重さをしっかり背負えるようになる』って言ったけど、でも・・・早いような。
「あー、スバル。そんな顔真っ赤にしなくていいから。
リンディさんが言ってるのは、そういう特別な人が、自分の手料理を食べて『美味しい』と言っているのを想像しながら作ると、腕が上がるって意味。
僕も前におんなじこと言われたのよ。で、実際にその通りだった」
「な、なるほど・・・。勉強になりますっ!」
あぁ、ビックリしちゃったよ。いきなり恋人とかそういう話になるんだもの。でも・・・そういう相手に食べてもらうところを想像するか。
うん、上達しそうな感じがするっ! だって・・・。
「スバル、納得したからって、僕をガン見するな。・・・まぁ、事実かな。フェイトが美味しいって言ってくれるの、嬉しかったし」
「そっか。うん、そうだよね。なんか解るよ」
「アンタ、意外と一途なのよね。ちょこっと話聞いたけど、ビックリしたわよ」
「よし、リンディさん。なに話したんですか? つか、あの漫画読んでたのはそれが原因かっ!」
「・・・てへ♪」
≪リンディさん、舌を出してそんなこと言うのはやめてください。それは、自分がロクでもない人間だと言ってるのと同じですよ?≫
アルトアイゼン、その発言もどうなのっ!?
私達のそんな意見はおいておいて、リンディさんは何処吹く風で、カレーペーストを仕込み続けている。・・・さすが恭文の保護責任者。すごく強い。
「・・・まぁ、それは置いといてだよ。
確かにスバルやティアナみたいに、隊舎に居たらなかなか作るタイミングないよね。調理実習とかないかぎりはさ」
「確かにね。・・・てーか、それはどんな学校よ? 前線メンバーの訓練に調理実習って」
ティアがご飯の仕込を終えて、タマネギを一緒に剥くために包丁を持って来てくれた。・・・うふふ、私の方がまだ上手だ。
「なんか言ったバカスバル?」
「ううん、でも楽しそうだよ? みんなでアレコレいいながら作るのって。というか、今だって楽しいしさ、今度やってみようか?」
「別にいいけど・・・・どこですんのよ?」
え? もちろんここで。
「まてまてっ! なんでここっ!? 普通に隊舎の食堂の調理場使わせてもらえばいいじゃないのさ」
「そーよ、大体アンタやエリオは無茶苦茶食べるんだし、とてもじゃないけどここの設備じゃ足りないわよっ!」
うー、二人してそんなに言わなくたっていいじゃん。いいアイディアだと思ったんだけどなぁ・・・・。
「いや、どこが?」
「とりあえず、ここで作るなら、量が必要じゃなくて、人に知られたくないものとかにしてよ。今だって四苦八苦してるのにこれ以上は無理だって」
「あ、じゃあ設備をここに持ち込んで・・・」
あれ? 恭文とティアがため息を吐いて私から目をそらした。え、なんでどうして?
「・・・なんというか大変だね」
「まぁね、アンタも気をつけたほうがいいわよ? 下手すると、模擬戦の二の舞だからさ」
「うん、そのつもり。・・・さて、人参終わったからタマネギ手伝うよ。剥いたやつどんどん持ってきて」
なんか、二人とも酷いよ。なんか・・・涙出てくるしさ。うん、きっとひどい・・・。
「バカ、それは私たちのせいじゃなくて・・・タマネギのせいよっ!」
「あー、やっぱこれなれないわ。涙が出てくる出てくる。悲しくも嬉しくもないのに流れる涙。これいかにってか?」
恭文、それよくわかんない・・・。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
・・・・・・まぁ、こんな感じで昼食も出来上がり、私達はみんなでテーブルを囲んで出来上がったカレーを食べている。・・・そのカレーは、いつもよりもおいしく感じた。
スバルにいたっては、何回もおかわりをしている・・・・・・アンタ、少しは遠慮って物を知りなさいよ・・・・・・
「そういえばさティアナ・・・・・・おめでとう。」
・・・・・・その時、恭文が呟いた一言に、私は固まってしまった。・・・・・・ま、まさかコイツ・・・・・・このタイミングで!?
「ん?恭文、何の話や?」
「あ、はやて達は知らないっけ・・・・・・ほら、この写真見てよ。」
そういうと、コイツは八神部隊長に携帯端末を見せようとする・・・・・・ちょ、ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!
私は急いで恭文の手から携帯端末をひったくると、中身を確認する・・・やっぱりあの写真だ。よし、消去っと・・・・・・
「なにすんのさティアナッ!!」
「うるさいわよっ、アンタには私の気持ちが分かるでしょっ!?それに、アイツとは何にもなかったのよっ!!」
「なぁなぁ、何の話や?」
≪・・・・・・はやてさん、あなたの携帯端末にその写真データを送りましたよ。そっちを見てください。≫
「おぉ、気が利くなぁ・・・・・・・・・ティア、詳しく、じぃっくりと話を聞かせてもらおうか?」
「あらあら、青春しているのね♪」
「え?はやてちゃんどんな写真なの?私達にも見せてよ。」
・・・・・・あぁ、神様は私を見捨てたのね?
八神部隊長とリンディ提督はとても興味津々な笑みを浮かべていて、なのはさんやフェイトさんは写真を見て微笑んでいる。
リイン曹長やアルフさんはなんか戸惑っているし・・・恭文、今更すまなそうな顔しても遅いわよ。スバル、アンタはそのニヤケ顔を止めなさい、むかつくから。
そして、ヴィヴィオが私の目の前に来ると、すっごく輝いた笑顔を見せた。
「ティアナお姉ちゃん、おめでとう!!末永くお幸せにね♪」
・・・・・・その笑顔には癒されるけど、今の私にはトドメの一撃よ・・・・・・
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そろそろ日が落ちる頃、俺はようやくマンションに帰ってきた。バイクを駐輪場に止めて階段に向かおうとすると、ちょうどなのはさん達が出てくるところだった。
「あ、ジンお兄ちゃん!!」
お、ヴィヴィオもいる・・・・・・ヤスフミの家にでも来ていたのか?
そんなことを考えていると、ヴィヴィオが笑顔でとんでもない事を告げてきた。
「ジンお兄ちゃん、ティアナお姉ちゃんとお幸せにね!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?
「も〜、ジン君ったら、ティアと付き合っているなら、そう言ってくれればいいのに・・・・・・」
「ジン君、がんばってね。応援しているよ?」
「せやなぁ・・・・・・あのティアを落とすなんてなぁ・・・・・・やっぱあの出来事がきっかけなん?」
・・・・・・・・・いやいやいやいやいやいやいやいや、何の話ですか?まったく分からないんですけど。
「しらばっくれるのもいいかげんにせぇ。ほら、これや。」
そういってはやてさんが携帯端末を俺に見せる・・・・・・・・・そこには、昨日の朝にバルゴラの奴が撮った写真が映し出されていた・・・・・・
・・・・・・・・・・・・ハァッ!?なんではやてさんが持っているんですかっ!?それに、これは偶然そうなっただけで、ティアナとは別にそんな・・・・・・
「ジン君。ティアはいい子だから、大事にしないと逃げられちゃうよ?」
「にゃはははは・・・フェイトちゃん、ティアもぞっこん見たいだし、そこは気にしなくてもいいんじゃないかな?」
「・・・そうや。今恭文の家にはリインが居るから、二人っきりにしておいてな〜♪」
「ジンお兄ちゃん、バイバ〜イ!!」
・・・・・・そんな勝手な事を言いつつ、4人は嵐のように去っていく・・・・・・いや、マジでなんなんだよ・・・・・・
≪よかったなマスター。これで完全にティアナと恋人認定された・・・・・・あまりいちゃつかないでくれよ?≫
・・・・・・そうか、お前が元凶なんだな・・・・・・明日からどうしよう・・・・・・
俺は肩を落としながら、自分の部屋へと戻る。
翌日、六課全員にこのことが広まって、大騒ぎになっていた・・・・・・・・・いや、なんか襲撃も来たから大変だったけど。
(第5話に続く)
あとがき
バルゴラ≪皆さんごきげんよう。DJのバルゴラだ。≫
ジン「・・・・・・」
バルゴラ≪どうしたマスター?元気がないが。≫
ジン「・・・あの後、整備員の人とかが襲い掛かってきて大変だったんだぞ・・・とりあえず全員を倒したら、涙を流しながら『ティアナはお前さんに任した』とか言われるし・・・」
バルゴラ≪なんという面白い展開に・・・これは古鉄殿と相談して、よりからかわなければ・・・≫
ジン「やめんかぁぁっっ!?」
バルゴラ≪冗談だよ、冗談。≫
ジン「お前が言うと、洒落に聞こえん・・・・・・」
バルゴラ≪それはさておき、作者の奴飛ばしているな。≫
ジン「そうだよな・・・だって、本家で10話分を4話に纏めちゃったんだぜ?いくら飛ばした話があるっていっても、速すぎだろ。」
バルゴラ≪そうだな・・・・・・しかも、この後のヤスフミとティアナのデート話では絡ませる気満々だしな・・・≫
ジン「は!?聞いてねぇぞそんな事!?」
バルゴラ≪それは当たり前だ。作者が意図的にマスターに教えてないのだからな・・・フフフフフフフフフ、楽しみだなぁ♪≫
ジン「・・・なんか怖いんだが・・・・・・」
バルゴラ≪気にするな。せいぜいマスターが・・・・・・おっと、これ以上は言えないな。≫
ジン「何、今言いかけたの!?」
バルゴラ≪だから気にするなと言っている・・・・・・それでは、今回はこの辺で・・・・・・また次回でお会いしよう!!≫
ジン「ちょっと待て、気になるからさっさと言えぇぇぇっっっっ!?!?」
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