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小説
ネクロニカシナリオ:試作品の逆らい

プレイ人数:4人以上
必要時間:2〜3時間
合計寵愛点:4人/32点

※このシナリオは大人数用です。また、最低人数の4人分の手駒・寵愛点・修復パーツのみ表記しています。5人からは各NCでご用意下さい。
※少人数用にアレンジする場合、手駒の弱体化・"記憶のカケラ"の入手による対話判定の回数の増加などをして下さい。
※また、外部から入ってくる場合(特にキャンペーンの最後)は、ネクロマンサーの隠れ家であることを演出するとよいと思われます。


アドベンチャーパート

*カルマ
このシナリオで開示するカルマは1つです。
*建物から出る
建物から脱出すればカルマ達成です。


導入
まずはドール達は暗い研究室で目覚めます。目覚めるとすぐに、全員以下の"記憶のカケラ"を手に入れます。

41 "神様"

朧気に以前何か(誰か)に服従していた記憶が蘇ります(狂気判定は行わない)。心の底から崇拝し、崇め奉り、自分の全てをその相手に捧げていた。そんな記憶がぼんやりと頭に浮かび、片隅に残ります。


一通り描写したら、NCは目覚めた場所の状況説明とカルマの開示をして下さい。
周りはチカチカと瞬くいくつかのモニターや無数の配線、ところどころに置いてある何かの薬品類、それと、ドールの人数分のとてもドール達に酷似した可愛らしい人形。それらがかなり適当にドール達の周りに置いてあります(散らばっている)。

ドールが目覚めてすぐに自己紹介・軽い交流をし、まずそれだけで対話判定をすること。そのあと周りにあるものを見て交流をして、なるべく2回目の対話判定をして下さい。
ドール達の周りにあるものは演出以上の意味はなく、短い時間の中で対話判定をたくさんするための小道具に過ぎません。そのため、NCは上の状況説明だけでなく、ドール達の気を引き、話すきっかけを作る演出をして下さい。
それによって追加で"記憶のカケラ"を与えて構いません("密室"・"廃棄"・"人形"など、周りにあるものから連想されるものがよい)。
また、ドール達に酷似した人形は「たからもの」として持っていって構いません。


2〜3回の対話判定(狂気点の減少は問わない)が終わると、いきなり大きな音がしてただの壁が左右に開き隠し通路が出現します。
数歩ほどの短い通路の先は明るく、広い部屋のようです。その部屋の中からドール達へと声がかかります。

「おいで、オレの可愛いドール達」

それは柔らかく優しい声で、特に敵意は感じられません。声から察するに青年のようです。ドール達はその優しい声に誘われ、暗い研究室から歩み出ます。

通路を抜けた先は、冷たいコンクリート壁に覆われた部屋でとても広く、また天井が高くなっています。天井から吊り下げられた複数の照明によって明るくなっています。
そして、その広い部屋の奥に設置された部屋の雰囲気と不釣り合いな豪華なソファに、柔らかな笑みを称えた青年が座っています。青年はドール達の姿を認めると、嬉しそうに声をたてます。

「初めまして、いや、久しぶり、かな?オレは君達が目覚めるのを今か今かと待っていたんだ」

「もう丹誠込めて作ったはいいけど、もし起きなかったらどうしようって思ってとても怖かったんだ」

「何せ初めてだったから勝手が分からなくて。研究はたくさんしなきゃダメだね」

青年は一方的に嬉しそうに話しますが、ドール達の戸惑った反応に気付き、思い出したようにぽんと手を打ちます。

「ああごめんね、起きたばっかりで何も分からないよね」

「改めておはよう、オレの可愛いドール達。オレは君達を作ったご主人様、ネクロマンサーさ」

「ほんとはマスターとか呼んで欲しいけど、それじゃあサヴァント達と変わらないからつまらないよね」

「そうだ、オレのことはパーチェと呼んでよ」

ニコニコと笑う青年(以下パーチェ)は、以上のことを喋ったあと、ドール達の質問に以下のことを機嫌良く答えます(または一方的に喋る)。

・パーチェは縄張りへの他のネクロマンサーの侵入を防ぎながら、自分を盲信し追従するサヴァント達と暮らしていた

・しかしそれも飽き、今度は自分に反抗し動く存在、ドールを作ることにした。手近にあったサヴァントを潰し弄くり、ドール達を作った

・ドール達は処女作で、実験台。上手く記憶の制御が出来るかどうか、どのくらいならいたぶって大丈夫かの確認のための実験体

・だからパーチェが直接間近で観察し、使い終わったらまた潰し、次作る完成品のドールの材料にする

パーチェは上手く動いて良かった、記憶も制御されていると嬉しそうにしています。
ドール達はこの事実(ドール達を作った目的はただの実験、いらなくなったらすぐ捨てる)に対して狂気判定(-1)をし、全員に"ネクロマンサー"の"記憶のカケラ"を与えて下さい。
パーチェは一通り喋ったあと、にこやかな笑みのままパンッと手を打ち鳴らします。すると、パーチェの背後の壁が開き、中から大小様々なおぞましい姿のアンデットが出てきます。ドール達に狂気判定(±0)をさせましょう。

「次は耐久性を調べなくちゃね。この子達で足りるかな」

アンデット達はパーチェを守るように囲み、ドール達に敵意を向けてきます。武器を構えるドール達を満足そうに眺めながらパーチェは指を鳴らします。それと同時にアンデット達は低い呻き声を上げながら、ドール達に襲い掛かってきます。
バトルパートへ移行して下さい。


バトルパート

*カルマ
パーチェを破壊する

*勝利条件
パーチェを倒す

手駒
ゾンビ×20
ゴライアス×1
フェデルタ(サヴァント)1
パーチェ(サヴァント)

*配置
煉獄:ゾンビ×20 ゴライアス フェデルタ地獄:
奈落:パーチェ


*NCの戦略
パーチェは生身の人間に近い姿をしています。口調は柔らかく、かつ優しく、ドール達を心から愛しています。
パーチェのデータは以外になります(かっこ内は元のデータになります)。

名前:パーチェ
合計悪意:10
最大行動値:13

*頭
【のうみそ】【めだま】
【亡者の目覚め】
【選ばれし肌(エンバーミング)】
【選ばれし唇(死人指揮)】
*腕
【奴隷の献身】【死者融合】
【麗しき指先(アドレナリン)】
【柔らかき手(リフレックス)】
*胴
【しんぞう】【骨格(しっぽ)】
【はらわた】
【きらびらかな衣装(はらわた)】
*脚
【王者の歩み(ほね)】【あし】

フェデルタは手足や目玉を欠損した少女の姿をしています。髪には花が飾られ、可愛らしい服を着ていますが、言葉は上手く喋れず呻くだけ。パーチェを守るために這いずりながらもドール達に敵意を向けています。
フェデルタのデータは以外になります(かっこ内は元のデータになります。フェデルタはヒルコのデータから【トラウマスイッチ】をなくし、代わりに【ほとけかずら】を入れています)。

名前:フェデルタ
合計悪意:6
最大行動値:9

*頭
【あご】【のうみそ】【肉の盾】
【肉の宴】【ほとけかずら】
*腕
【埋め込みフック(こぶし)】
【かた】【うで】
*胴
【庇う】【だるま】【あるびの】
【はらわた】【はらわた】
*脚
【あし】

ゾンビは移動妨害、ゴライアスは攻撃、フェデルタは庇うに専念すると良いでしょう。奈落ではパーチェがひたすら増援し、長引けば長引くほど手駒が増えます。
ドールがパーチェに近付き危なくなればフェデルタを地獄に移動させ、"庇う"を使って下さい。
パーチェは攻撃手段を持っていないため、あっさり倒されます。もしキャンペーンの1話目または途中の場合は、パーチェを逃がすのも良いでしょう。その場合は勝利条件を変更して下さい(パーチェが逃走しても"倒した"の扱いにして良い)。

戦闘が終了したなら、各ドールは「たからもの」の数だけ任意の未練から狂気点を減らして下さい。また、発狂状態やマニューバによる処理があれば、忘れず行わせて下さい。
それらが終わったなら、エンドパートを開始します。


エンドパート

*修復
戦闘に勝利したなら、ドール達は以下のパーツを手に入れることとなります。

*4人
基本パーツ:8
強化パーツ:4


「な、なんで…?なんで私まで攻撃を…?」

戦闘が終われば無惨な姿となったパーチェがドール達を呆然と見ながら喋ります。サヴァントに囲まれ暮らしていたパーチェは、ドールとは言え、創造主を攻撃してこないと思っていたのでしょう。指先すら動かせず、パーチェはなんで、なんでと繰り返しています。もうドール達のことなど目に入っていないようです。
ドール達に止めを刺すこともこのまま放置することも出来ると伝えて下さい。止めを刺す場合は手を下したドールに-2の狂気判定を、それ以外のドールには±0の狂気判定を行わせて下さい。
放置する場合、また止めを刺してからしばらくすると、可愛らしい衣装を身にまとった少女(サヴァント)達が現れます。彼女達は動けない(動かない)パーチェを心配し必死に部屋から運び出そうとします。その中の1人がドール達に近付き小声で話しかけてきます。

「○○(ドールの名前)達、パーチェ様から逃げるのでしょう?他の子に見つからないように、こっち来て」

彼女はドール達の腕を引き、付いてくるように言います。彼女に敵意はありません。警戒するドールがいた場合、少女のことを思い出したと伝えましょう("ネクロマンサー"の記憶のカケラを使用して行動判定をさせても良い)。
彼女はドールがサヴァントだった時仲が良かった少女です。また、自分がパーチェにどこかへ連れて行かれる時に(ドールに作り換えられる時に)彼女が号泣する姿も思い出します。そして、今も彼女は自分と姉妹達のことを心配していることにも気が付きます。

少女に導かれ暗い通路を進めば、出口が見つかります。少女は早く外へ出るようにドール達を促します。

「また会えて良かった。気を付けて」

少女を一緒に行こうと誘った場合、彼女は寂しそうに笑いながら首を振ります。パーチェの側にいたサヴァントを残して行けないと答えます。

「(パーチェが生きていた場合)見つかったらただでは済まないわ、今もね。私はいいから、早く」

少女に背を押されドール達は外へ出ます。振り返った先では少女が小さく手を振り、扉を閉めてしまいます。ガチャリ、と重たい音が響き、鍵がかかったことが分かるでしょう。
外に出たことでカルマは達成されました。

外は丈の短い草が生える乾いた場所です。周りは草と砂ばかり見えます。
建物の外見は研究施設と言った見た目です。
パーチェに止めを刺していた場合、ドール達は"この"ネクロマンサーから終われることはなく、どこにだって行ける"自由"を得ました。これからどこか安心して暮らせる場所を求めて旅をすることでしょう。
パーチェがまだ生きている場合、ドール達を追ってくることでしょう。さらに歪んだ愛や自分を傷付けた憎しみをドール達に向けて。ドール達はこれからパーチェから逃げる旅を始めます。もしかしたらまた対面するかもしれません。

ドール達がこれからどうするか、考えを巡らしたところでこのシナリオは終了です。
寵愛点を渡しましょう。

*寵愛を渡す

基本となる寵愛点は合計悪意点を参加人数で割ったものです。さらに、以外の達成したカルマ1つごとに2点の寵愛点を得ることが出来ます。

*記憶のカケラを獲得する
*建物の外に出る
*パーチェを破壊する

寵愛点を受け取ったなら、このセッションは終了します。



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