[携帯モード] [URL送信]

知らない雨に焦がれる。
さらば、イタリア
部屋に帰り着くと、用事が終わったのか家光はすでに部屋にいた。
戸を開けた途端に二人は家光に怒鳴られ、もこもこの絨毯の上に正座。
これがジャパニーズ土下座、と目を輝かせるバジル。
おしい、これは土下座ではなく正座だ。
鈴乃はそんなバジルを横目に家光の説教を聞き流す。

「で、言いつけを破った理由は何だ?」

一通り言い終えた家光が尋ねた。
そして、素直にバジルが理由を言うものだから鈴乃だけさらに説教。
バジルは終わりと言われて残念そうに立ち上がった。

そんなにしたいなら代わってあげるよ。

言いたいが言えない。家光の小言が増えるのが目に見えている。
説教をBGMにぼーっとしていると、家光の声のトーンが急に変わった。

「いいか、ツナは最有力のボス候補なんだ。
ツナとその守護者の中じゃおそらく最強の部類だ。」

いや、雲雀さんと骸には負けるよ。
その言葉は心の中に留めておく。

「お前が一番戦場を知っている。お前が守護者の要だ。
修行を怠るな。油断するな。常に冷静であれ。」

九代目の所行くぞ。

明日、日本へ帰る。今日は九代目にお別れの挨拶をしに来たのだ。
九代目とは、公的な立場での話しかできず、堅苦しいままに会話は終わった。



日本を離れて早二年。
『物語』は既に始まっている。

[*前へ]

11/11ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!