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[前]夜空舞う、銀の蝶
夢─1



────蝶っ…!!






「え…?」

「…悠嘉?」

どうしたの、と首を傾げる凪。
私が声をあげたので驚いたんだろう。


「なんかね、声がしたんだ」

「…声…?」

「うん。その声は、温かくて、優しくてね。縋る様に、呼ぶんだ」


゙この世界[夢]゙では聞く筈のない、


゙あの世界[現実]゙の名前を。



「…って、あれ?

な、凪!?」


「…あ…もう、時間…」


パッと凪を見たら、消えかかっていた。

「凪、時間って」

「起き、ちゃう…」


たぶん、眠りが浅くなって目が覚めてしまうんだ。

まぁ、普通だよね。


…………って!!!



「私はどーなんの────!!!?」

「…悠嘉…
ま……た…………───」




すぅ…と凪が消えた。

そして、夢も消えていく。


でも、私ば凪゙の夢じゃない。私ば私゙の夢だから消えないらしい。


「あーあ…これからどうすっかなー」







(暗いのに)

(自分ははっきり見えた)

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