[前]夜空舞う、銀の蝶 5 放課後になる頃には さっきの痛みなど、忘れていた。 * 教室では、隼人君と武君の取り合い。 バレンタインのチョコを渡そうと皆必死だ。 武君は笑顔で貰ってる…かな? 隼人君は露骨に嫌がってるし。 それを見ているツナは苦笑い。 私はと言えば、 …何個か貰いましたよ、チョコ。 友チョコで貰ったんだけど…なんか妙に気合い入ったチョコあるんですけど。私は男じゃないからね!! そんな事を考えていれば、ツナが死ぬ気で京子を追いかけて行ってしまった。 「あー…行っちゃった」 「せ…積極的〜 あれ…ダメツナだよね…」 「あいつ、時々純愛の女神降臨すんのよ…」 さて、私もツナを追いかけるとしますか… …あ、そうだ。 「隼人君、武君」 ちょっと、と二人を呼び寄せる。 「んだよ」 「どうしたんだ?」 「はい。ハッピーバレンタイン」 ん、と袋を二つ差し出す。 すると二人はピタッと動かなくなった。 「…いらないなら捨てるぞ」 (!!) (…サンキュー/ありがとな) [*前へ][次へ#] [戻る] |