[前]夜空舞う、銀の蝶
3
……てか先輩、特定の娘なんて…いるんだ…
後ろに持っている物を握り締める(潰れないよね…?)。
…てか、貰ってもらえないか。
───……ズキ…
(………あれ…)
鈍い痛みが、襲う。
それは次第に早くなり、じわじわと広がっていく。
「………痛、い…?」
───ドコガ?
─…ココが…、イタ、イ…?
ゆっくり、胸元を握り締める。
……なんか、変だ…
「……悠嘉?」
先輩は眉をひそめながらこっちを見ていた。
…先輩、見てんじゃん。動けよ、私。お願い。口、動かそうよ。
「……っ………」
……ナンデ、ウゴカナイノ?
先輩は私の様子に気付いたのか、立ち上がって私の前に立った。
「悠嘉、どうしたの。言わなきゃわからないよ」
必死に言葉を紡ぐ。
でも、喉でつっかえてしまう。
胸元を握り締める手に力が入る。
「胸が、痛いのかい?」
先輩の問いに、頷く事しか出来なかった。
(…なんだか)
(苦しいよ)
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