[前]夜空舞う、銀の蝶
3
゙…怖い、なんて…いつぶりだろ…゙
゙…なんで…こんなに…なっちゃったんだろ…゙
寝ている(フリをしてる)間
聞こえた、悠嘉の、消えそうな声。
…今にも何処かに行ってしまいそうで。
─いつも思っていた。
隣にいる。けれど、その瞳が見ているのは
隣の僕でも、ましてや沢田綱吉でもない。
ずっと先…未来を見据えているようだった。
つい、手が伸びた。
離したくなくて、
消えてほしくなくて、
取られるのが、嫌で………
ゆっくりと抱き締める。
この温もりが、君が此所にいる証明。
触れた所が、熱を持つ。
心臓が、五月蠅くなる。
こんな事、なかった。
悠嘉の肩が震えていた。
この前とは違い
弱々しかった。
ぎゅっと、僕の服を掴む手も震えていて。
───悠嘉が、弱いって知った。
いつも強くて。
心も、強いと思ってた。
でも実際は
儚くて、消えてしまいそうで、
小さくて、ちゃんど女の子゙で。
(そんなの)
(今まで気付かなかった)
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