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結局、押し切られる形で、護衛の件を引き受けてしまった。
爆弾発言と共に。
東三条殿を出てから何度めかのため息が自然と漏れる。
「そんなに嫌ならば、断っても良かったのじゃぞ」
「途中から面白がって道長様の側にお回りになりましたね」
最初は道長に諦めてもらおうと口添えをしてくれていたのだが、道長の爆弾発言の後、その立場を一変させたのだ。
結局、二対一の劣勢に立たされてしまい、渋々引き受けるはめになってしまった。
その時見せた傲越の呆れた顔が憎たらしい。
『それにしても、晴明様。お止めした方がよろしかったのではないですか?』
「ん? まさか女装癖があるとは思わなかったしのう」
「……やめてください」
晴明の言葉にがっくりと首を傾ける。
そうなのだ。
だだの護衛ではなく、女性の格好をして、舞を踊る姫たちの側で控えていなければならないのだ。
確かにそんなことは道長に仕えている者には任せにくいだろう。
あぁ、それにしても。
女顔ではないつもりなのだが。
『晴明、あまりいじめるな』
勾陣や太裳が味方してくれているが、最早後戻り出来ない。
「すまんが頼むぞ」
「……わかりました」
晴明には世話になっている自覚がある。
割り切れない想いを奥に押し込めて、再び大きく息をついた。
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