チョコミント。
4
気もそぞろながらも、下に降りリビングに入ると、テーブルの上にはチャーハンとワカメスープが置いてあった。
これ、神田が作ったのか!!?
しかも、うまそうだし!!
ぎゅるーぎゅるる。
美味しそうな匂いにやられて、試しに一口、パクリ。
・・・うっ、うま!!
これ、めっちゃ美味しいんですけど!!
なんだか
女として負けた気がして悔しい。
「立ってないで座って食べなよ」
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、神田が椅子をひいて座るように施す。
『え、あ、あり…がと…』
急な優しい態度に、少ししどろもどろになってしまう。
今度は座ってからちゃんと『いただきます…』と言ってから食べ始める。
神田も私の前の席に座った。
チラッと神田を見ると
『!』
目が合ってドキリと胸が跳ね、即座に目をそらす。
なんか…優しい顔してる…?
神田はテーブルにひじをついて手を交差させて、そこに顎をのせて私の方を見ていた。
「おいし?」
軽く首を傾げて私に聞く。
「俺の作ったご飯、おいし?」
再度聞いてくる。
『ま、不味くは…ないんじゃない?』
本当はすごく美味しい。
だけどつい、ぶっきらぼうに答えてしまう。けど、神田は見透かしたように「ふふっ、素直じゃないなぁ」と言って神田も食べ始めた。
柔らかい…優しい顔…。
…そんな神田の優しい顔が、奏にそっくりで。
思わず胸がチクリとした。
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