チョコミント。
6
ちゃぷん…っ。
お湯がはねる音がする。
雨で冷えていた身体が温まっていく。
『…』
『…』
湯船に浸かって何も考えないようにしていたが、『やっぱり…、神田が何考えてんのかわかんないし』
更に深く口元まで浸かってブクブクと泡をたてた。
さっきの神田…
奏にそっくりだったな…顔もそうだけど、優しかった…
奏…。
さいっこーの【お兄ちゃん】だったな…。
優しかったし、格好良かったし。
お葬式の時、いっぱい女の子達泣いてたな…
「アンタのせいで奏君が!!」とか言われたっけ…
頭が少しぼんやりしてきた気がする。
「アタシの奏君を返して!!」
なんてのも言われたな…
アタシの、って…アハハ。
別に奏は誰のものでもないのに…
頭がぐるぐる…する…。
でも…
奏を縛り付けてたのは…
きっと…
わた……?
世界がぐにゃりとして、意識が遠くなっていく。
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