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チョコミント。
1
『んで?なんで「神田クン」がウチにいるわけ?』

さっき落として半分くらい割れてしまった卵を片付け、3人でリビングのテーブルに掛ける。

私は少し
イライラしていた。

何だこの展開は!!
こんな漫画みたいな話、聞いてない。

「あれ〜?弥生ちゃんに言ってなかったっけ?」
アハハ〜と笑う父。
(笑うところじゃねぇよ…)

ゆらりと父を見る。

「…ッと、とりあえずだな、オトーサンの親戚が、ちょっと具合が悪くて、それで少しの間だけ和樹くんの事預かることになったんだよ。優しい弥生ちゃんなら分かってくれるよね?ね?ね?」

懇願するように見つめてくる。

なんだこれ。
転校生がやってきて、しかもいきなり同居かよ!

『…少しの間ってどれくらい?』

多分、ムスッとした顔をしながら、おずおず聞いてみる。

「…父が逝くまでの間ですよ」

父の隣に座っている神田が無表情に言った。

…今、サラッと凄い事言わなかったか?

『とにかく!神田クンをウチで預かるとしても、部屋どーすんのさ。
空いてる部屋なんて一つも無いじゃん、もしかしてお父さんと一緒の部屋?』

まさか私の部屋…
なんて、どっかの少女漫画じゃあるまいし、それにまず男女交際を認める訳のない父が私の部屋にいれる訳が無い…はず。

「それがだなー…」

何やら言いにくそうな顔をしている。

…まさか。
「奏の部屋を和樹くんの部屋にしようかと思―――ッ!?のわぁぁッ!」
腕を組み、下を向いて喋る父に向かって、私は瞬時に近くにあったクッションで父の顔を抑え、そのまま後ろに倒した。

ガタンッと鈍い音が無言の部屋に響く。

「…」
神田は相変わらず無表情で。

『…ッ』

私はわなわなと怒りを堪えながら固まっていた。

「いてて…弥生ぃ〜
気持ちはわからんでも無いが、それしか…」

『うるさいッ!!!』

私は手を下ろし、顔を俯かせながら言った。

『奏の部屋は奏のなの!どこの人かもわからない人に奏の部屋なんて渡したくないッ!それに、奏の部屋はあの頃のあのままにしておきたいのッ!』

そう言い払い自室に向かった。

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あきゅろす。
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