VIOLENCE LOVE
『理不尽な…』
…池袋、某レストラン
そこでは、男が実に困ったように腕を組んでいた。
「あー…君、このまえ平和島静雄と喧嘩してた子でしょ?」
一人の面接官がそういうと、両側の二人の面接官と、私と同じくバイトの面接にきていた人たちが一斉にこっちを向いた。
バイトの面接中なのに何であの平和島静雄の名前が…
そして何?この恐いものを見るような目つき…この目…一番嫌いなんだけど。
「あの…平和島静雄と………」
「いや……それはないんじゃ」
「それなんですが…このまえの新聞や週刊誌に………」
面接官がひそひそと話しているよこで、面接に来ていた人たちが、私をチラチラと見て、遠ざかる。
……平和島静雄って…一体何者なの…?
もはやあの男の正体を疑わずにはいられない状況だった。
居心地の悪いまま、下を向いて耐える。
少ししてから面接官の一人が咳払いをし、恐る恐る口を開いた。
「本当に申し訳ないんだが…怒らないで聞いてくれ」
「…はい」
「君は採用できない」
理不尽な…
そんな理由で今日のバイト面接は5件の内5件は…
不採用だった。
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