おもいびと
◇時つ風1
二学期も終わりに近づいてきている。
海斗が夏休みに家を出て、そろそろ4か月になる。
年明けに一次試験があるから、海斗は今頃追い込みに入っているだろう。
その一か月後には二次試験が控えているから、本当に気が抜けない。
邪魔しちゃいけない。
海斗の心を乱すような事をしちゃいけない。
「会いたい」とか「寂しい」とか、ましてや「おれの事好き?」とか聞いちゃいけない。
……それは、まあ
もう、照れ臭くて言えないけど
海斗がおれの事を好きだって気持ちを確かめる事が出来たから、今はもう言葉なんていらない。
海斗の熱さとか、アノときの表情とか。
いろいろ一遍に知ってしまって。
それを思い出すだけで、おれは満たされて。
また興奮して。
おれ、発情期なのかな。
最近、興奮してばかりだ。
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