[携帯モード] [URL送信]

オリジナルBL小説
失踪と空白の心
「父が!?」
一瞬脳裏に最悪の場面を予感し戦慄したが低く冷静な声に現実に戻された。
「悪いがあんたに落ち込んでいる余裕はないんだ。
お前の親父は一円も払わずに逃げやがった
つまり連帯保証人のあんたが五百万!!
今すぐにでも払って貰わないと・・・。」

圧倒されたが自分も何か言わないと・・・。
「今、手元には貯金の二十万しかありません。残りは月づき・・。」

「兄ちゃん。いつまでも甘たるい事言ってたらあかんど!!」
すぐさま吉岡の部下から、怒鳴られる。
現状は最悪だ。
電話をうけて事務所に行くと奥へ連れて行かれ。
フカフカのソファに座らされて・・・吉岡とその部下・・・。
二人に睨まれる羽目になったのだ。

「これ見てみ。お前の親父はこっちの書類にも判を押し取るやろ。
  一度でも手形事故つまり不渡り出したら全額払いますって書いてあるやろ。」

「すでに、この2万の手形は不渡りになっている。」
「父はそんな物にまでサインをしていましたか・・・。
    しょうがないですね。」
「で??」

吉岡が何を言わせたいか私には分かった。
「返済の計画はありません。まず、父が捨てた工場を売ります。」
「それなら、もうやった。元々三番抵当まで付けられていた物件だ。
 まぁ期待しない事だな。明日にでも結果は出る。」

「後は、自分では思いつきません。
 そちらで考えてくれませんか、私はもう逃げも隠れもしませんから。
 払いきって見せますよ。」



[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!