オリジナルBL小説 困惑と愛撫 最初は従っていた。 借金を返す為にどんな所でも働いてみせると躍起になっていた。 ゲイ専門のバーで見習いを始めた私は幾度となく猥褻な行為を受けた。 尻を撫でられたり、いきなり抱き寄せられたり。 男のクセに男を抱きたいなんて馬鹿げていると思った。 そんな私にもすべてが不愉快だった。 管理の為に毎晩吉岡が寝るそのまた奥の部屋で寝る事を余儀なくされた。 そうするしか、なかった。 私の家は父が手放してしまった場所だったからだ、行く所の無い私をベットで寝させてくれるだけ・・・ありがたい?? 少し言葉は違うかもしれないけど、彼だけは私の指一本触れないので よく分からない信頼関係が生まれつつあった。 でも、見てしまった。彼が男の人を抱いている所を、 自分が勤めているバーの裏口で彼は バーテンダーの「綾(りょう)」さんを抱いていた。 凝視した訳じゃない。 でも、あの声 「もっと、声出してもいいだぜ。」(ギシギシ) 「あぅ!! あぁっ・・・はっぁ・・」 壁に手をついて、綾さんは吉岡さんを後ろで受け入れていた。 やらしい音が激しく轟いていた。 きっとそうだ、ちらりとのぞいた時に本人だと分かった。 目が合ってしまったからだ。 心臓が破裂しそうで怖くなって。 私は逃げ出した。 彼の目から。 [*前へ][次へ#] |