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おおふり
アベシノ アナタの特別な日 バレイン話
「ちよ、ちよ。」
「何?モトコ。」
と言うとモトコは指を指していた
「阿部君呼んでる。」

「あっ!」
阿部を見るとちょいちょいと手招きしている。
阿部と千代の席は斜め二つ後ろの位置だ。

だから阿部がウトウトしているとすぐに分かるたまに釣られて眠たくなる。
「ごめん、阿部君。」

「いいよ。ホレ、この間言ってた雑誌。」
と差し出された雑誌はなかなか手に入らない高校野球の専門雑誌だ。
「貸す。」
「いいの!」「おおっ。」
「読んだら直ぐ返すね。」
「あっ、特に読んで欲しい所印してあるからさ。」「うん、ありがとう阿部君。」

自分の席に戻って後ろの席のモトコに嬉しそうに報告。「借りた!」

「いつもの事じゃん。その後進展は?」
「別にないよ。告白もしてないし。」
「ちよそれでいい訳?」
「何が?」
「何がって、このままじゃタダのマネジレッテル貼られるわよ!!」
「それは、嫌かも…。
マネジなんて、雑用女としか思われないし。」
「そんなの序の口よ。
他校のマネジなんて女扱いさえしてくれないんだよ!」
「わっ私は…。」

「何?」

「阿部君がたまにマネジとしてじゃなく話しかけてくれる事がうれしいんだ。
だから…」

「それだけでいい?」
「うん。」
「ちよ、それ惚れすぎだよ!」
と大きい声を出すと花井と阿部と水谷がこっちに注目していた。「もとこ声大きいよ!!」
「ごっごめん。」




「何あれ、篠岡三橋みたいにきょどってないか?」「気のせいだろ。」
「でもさ、告白とかって聞こえなかったか?」
「さぁ〜な。」
「阿部、うちのマネジが男に取られちまうぞ!」
「いいんじゃね〜の、誰と付き合おうが個人の自由だろ。」
「でもさ、男出来たら部活に来ない女は多いぜ。」
と花井。
「それあるかも、困ってるチーム見たことあるし。」「じゃあチーム内の誰かと付き合うっていう場合は??」
「それも駄目だろ。」
「じゃあ、皆女扱いしないってのはどうよ。」
「西浦のチームの一員として見るって事だよな?」「それってやっぱり男としてみるって事か?」「……」
「何か、話終わんないな」
「そんじゃ、課題って言う事にしとこ」
結局解決しなかったが、阿部は解決というほどの話ではなく、雑談程度に話していた。


放課後部活に向かう廊下で。

「篠岡!!」
「きゃー、たっ田島君!!」
「ハハ、じゃあな先行く!!」

『おいおい、スカートめくりを高校でもやるとはな』


「篠岡」
「あっ阿部君」

『まさか、見られて……』


「見た?」
「いや……あれいつもか?」
「たったまに……」
「ふ〜ん」と見られる。

『阿部君、ち近い……』

「今日は白か」
「///阿部君!!」
「怒んなって(笑)部活一緒に行こ」
とにっ笑って言われると弱い
「うん」と答えてしまった。



「えっ、何?もとこ」
「だから、バレンタインチョコ。渡さないのかって言う話」
「渡したい」
「じゃあ、家に渡しに行くのが一番ね」
「えっ?」
「いい、もしも野球部の子達がいる前で、渡して見なさい。ひやかされてまともな返事貰えないのが、おちよ」
「そうだね、少女漫画でもそういう展開は多いね」「だから家に、渡しに行くのよ」
「でも、何か口実がないと嫌かも、14日って言ったらバレンタインだし」
「ほら、この間借りた雑誌、あれを返しに行くって言うのはどう」
「もとこ、天才!!」
「ちよ、応援してるからね!」
「うん、うん」





「まずは、チョコを刻んで」
「ふふふ」
「えっ??」
この、どこからともなく聞こえてくる笑い声は!!!「おっお母さん!!」
「あなた〜!!」
「どうした、母さん」
「ちよが、チョコを誰かにあげるのよ!!」
「そうか、やっと男に目覚めたか!!」

『お父さん、その言い方はないだろ。本当にこれで過保護なの??』

「えっ、まぁ」
「誰なの??」
「隠し事するなよ!!」
「もう!!別にそんなんじゃないんだってば!!」




こんな話もあって……。
でも、頑張って阿部君に電話した。
その時に私言っちゃったんだ。
チョコ渡しに行ってもいい??って。
そしたらしばらく、沈黙があったから怖かったけど
「いいよ。」と言われて。

来たものの
「ここでいきなりごめんなさいって、言われる事はないわよね……」
「……篠岡??」
ピンポンを押そうとした、手が引っ込まない。
「こんばんわ」
「よう……、電話。驚いた」

『阿部君も緊張してる??私もドキドキし過ぎだよ』
「これ!!」
そう言って差し出したのは、下手でも作ったチョコケーキと、悩んで買ったスポーツタオルだった。
「おおっ、さんきゅ」

「じゃ、じゃあ??」
「えっ、待てよ、おい……そのこのチョコの意味は??」
「阿部君が好き!!」と叫んだそしてダッシュ!!
でも捕まった。

後ろに阿部君の体温を感じた。
「送る」
「いいよ、大丈夫」
「じゃあ、途中まででいいから送る」
「うん」
と振り返ると阿部君はとても薄着だった。
「……」
「……」
「待ってろ、上着着て来るからな!!」
「うん」




[で、家までとは行かないけど送ってくれたよ。阿部君が聞いてくれたお陰で私言えたよ!!]

ってもとこにメールしました。

[やったじゃん!!]ってメールが返って来て。

また長々とメールしてる間に
阿部君からメールが来てたみたいで……


あの日
私にとってとてもいい日にはなったものの。
ドキドキはとまりません。


皆も頑張ってチョコあげてね。
応援してます。


「篠岡〜」
「は〜い」
「これ、貸す」
「ホント??」

ってこんな関係が、まだまだ続いています。
でも頑張ります!!





アトガキ
モトコちゃん紹介
高校からの友達
二人とも直感的に気が合うなぁと思ったらしく。
チヨの良き理解者の頭がいい女の子、中の上タイプ。
男の子からの評価は近寄りがたいイメージがあるみたい。


アベチヨの方がいいやすいなぁ。
いちゃいちゃさせんの難しいなぁ。





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