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結界師
正X良  二人のマフラー
「さぶっあ〜さぶ。」
急に冷え込んで冬の衣替えがまだな墨村家、今日行くと明日は休み。
『今日は烏森から帰ったらめちゃくちゃ寝てやるぜ。』

「時音!」

「声かけないでよ。」

「もうマフラーしてんだ、どこで買ったの?」

「当然でしょ、風邪ひくよあんた。」

「夜はして行くよ。」

「ふ〜ん、じゃあ私先行くわ。」いつも通りのあしらい方………。


「へっくしゅん!!」
授業中大きく体を揺らした
「墨村、頼むから手で覆ってくれ。」「すまん、市ヶ谷。」
「そうだぞ、墨村それがエチケットだ。皆に風邪をうつすな。」
「まだそこまで行ってないって!」
「かかりかけが一番危ない。保健室行きだ。」
「あぁっ!!」
「大丈夫欠席にはしない。」
「ふ〜ん、じゃあ甘えるよ。」保健室の先生に伝えてベットで寝かせて貰う
久しぶりにゆっくり寝れた様に思えた。



突然おしりがブルって跳ね起きた。
【バカ兄貴】


『俺の心地好い眠りまでも邪魔しやがって…。』
時計を見ると30分はぐっすり眠っていたらしい。
「…何?」

【いつも以上に不機嫌だな。】

「寝起き、兄貴ってホント間が悪いよな。」

【寝起き?学校でしょ?何、さぼり。】

「ちょっと風邪気味なんだ、先生に保健室に行けって言われて休んでたんだ。」

【大丈夫??】

「兄貴に心配されるほどじゃない。
まだ完全にひいてる訳じゃないし…」

【気をつけろ、烏森を守る大事な体だ。】
少し優しい言葉をかけてくれてもいいんじゃないかと思った。
自分がひねくれてる事は百も承知でそれを受け入れてくれるのは兄なのだから

「説教かよ。」【本当に心配してるんだよ、それに体調崩してたら。
抱けないし、お前だって嫌でしょ。】
恥ずかしい事を言い出す兄にまた素直になれなかった。

「だったら俺はずっと体調崩れたままでいいよ。」
そう言って自分で苦しくなって思わず携帯を切った。



それから少しだけ涙が出てぼんやりと保健室の天井を見ていた
『何で素直に言えないんだ。』体は休めても心は何も変わらなかった。
成長しない、近づけない。
そしていつの間にかまた眠りについていた
気が付いたら田端と市ヶ谷が迎えに来ていた。

叩き起こされると重たい体を無理に起こして一緒に帰った。

「良守、おかえり。」
「只今。」その言葉にいつもと違う雰囲気でも感じたのか
父は靴を脱いでる俺の顔を覗き込んだ
「何かあった?」話せる訳無かった。

兄への自分の気持ちなんて「別に…。」
冷たい冬の水の様に口から漏れた。
なおも心配する父を無視して自分の部屋の戸に手をかけた時
背中から声をかけられた。
「良守、部屋に冬服出して置いたから。
着れないのとかあったら言って買い替えるから。」

「うん、ありがとう。」やっとまともに顔を見て笑えた。

部屋に入るとマフラーを確認した。
「うわっ…これは無理かもな。」穴や傷が複数あった
烏森に行く時にして行ってたものだ。
「まぁ、いっか。」それは自分の埋まらない気持ちの様だった。






「何だい?それ今年も買い替えない気かい?」
「いいんだよ。別に。」
その時無意識に自分の首に巻かれたマフラーを触った。




そんな帰り道


「良守。」門の前で人が待っていた。
「兄貴、入らないのか??」
「少し、お前に渡したいものがあったから。」
「渡したいもの?」「これ。」
兄の手には兄が良くしているのと同じマフラーがあった。

「もともと、俺が使ってたやつだけどさっきまでね。」

「なっ!?」良く見ると兄の首は淋しい。

「いいよ、兄貴。兄貴のだろ。」
「いいから、受け取れよ。」
「なら…、こっちやるよ。」
良守は自分の首からマフラーを取り兄の首に巻いた。
突然の弟の行動だったが、兄は体を少しだけ低くした。



「電話の時とはえらい違いだな。」
「黙れ。」そういうと耳元でクスリと笑った。
「これ、もともと兄貴のなんだ…。」
「えっ?!」何年も前のものだ。
兄貴が出て行った時置いていったものだった。
「使ってたんだ。」「…うん。」
「思い出の品を大事にするより、もっと今の兄を構って欲しいな。」
「また、恥ずかしい事を………っ!」
「やっやめろよ。こんな所で!」「落ち着け、キスだけだから。」
「嫌だ、放せよ!」「黙って……。」
どんどん兄の顔がアップになって行く。

やっと解放されて「良守、甘いな。お前。」


「何をバカな事・・・。」
いつもより短い軽いキス・・・。物足りない。正直そう思った。
だから少しだけ兄の胸に抱きつき温もりを貯めた
「良守??」
そう頭を撫でられて、ドキドキしたけどお終い。
すぐに離れて「今度帰って来た時はちゃんと家に上れよな。」
「ああっ、そうするよ。」
何か良守の気持ちに気がついたのか兄は微笑と言うよりもにやっとした
笑を顔にふくませていた。
「何??その顔??」
「別に、じゃあな。大事にしろよ。」
「うん。」

そうして兄の後ろ姿を見送った。






アトガキ
よっしー、携帯切り過ぎ・・・。
まっさん涙ですわ。
今度はまっさんがどんな感じで電話して来ているのか考えてみましょう。
あと、酔ってる系。

読んでくれてどうもです。


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